Amazonが無料でゲーム実況機能付きのCryEngineベースゲームエンジン「Amazon Lumberyard」発表
高性能・高機能なゲームエンジン「CryEngine」と、クラウドサーバーサービスのAWS、ゲーム配信サービス・Twitchなどをベースに作られたゲームエンジン「Amazon Lumberyard」を、Amazonが正式に発表しました。Lumberyardは完全無料のゲームエンジンで、ロイヤリティやサブスクリプション費用は必要ありません。
Amazon Lumberyard
http://aws.amazon.com/jp/lumberyard/
Introducing Amazon Lumberyard - YouTube
Lumberyardのイントロダクション映像で、最初に登場したのはゲーム会社の開発室。
Gunfire Gamesのデイビッド・アダムズ氏は、Vigil Games時代に「Darksiders~審判の時~」などを作ったゲームクリエイターです。
新しいマルチプレイヤー向けゲームの開発にあたってAmazonからLumberyardを提供してもらい、わずか3ヶ月でプロトタイプを作り上げることができたそうです。
続いては、そのLumberyardを作ったAmazonの話。
大手通販サイトの顔がよく知られているAmazonですが、映像配信事業やクラウドサービスなどのほか、Amazon Game Studiosではゲーム開発も行っています。
今回、正式発表された「Amazon Lumberyard」。Amazonのクラウドコンピューティングサービス「AWS」や、2014年に買収したゲーム実況サービス「Twitch」などを統合したゲームエンジンです。
キャラクターツール「Geppetto」、アニメーションツール「Mannequin」、ビジュアルスクリプトツール「Cloud Canvas」、リアルタイムゲームエディタなどの統合環境なので、すぐにでも多くの人が同時にゲーム開発に取りかかることが可能。ちなみに、オプションサービスとしてオンラインゲームを作るのに必要なサービスが「Amazon GameLift」で提供されます。GameLiftはAWSを利用しており、1日あたりアクティブユーザーが1000人で1.5ドル(約170円)の利用料金が必要。
このムービーの中では、実際にLumberyardでの開発の様子や、開発したサンプルなどが出てくるので、参考になるかも。
Crytekのゲームエンジン・CryEngineをベースに、2014年に買収したゲーム開発会社・Double Helix Gamesの技術などが盛り込まれていて、その力は確かなものです。
ゲーム実況プラットフォームであるTwitchを統合することで、ゲームプレイを配信している人が、その配信を見ている人とリアルタイムで交流できる「Twitch ChatPlay」機能が搭載されます。
現時点で配布されるのはベータ版。Lumberyard自体の利用は無料ですが、前述の「Amazon GameLift」でAWSサービスを利用するときの料金がAmazonの収益になる仕組みとなっています。このため、他社のクラウドサービスを利用するゲームを作ることは禁止ですが、Steamのようなゲーム販売サービスを利用することは問題ないそうです。
Lumberyardはマルチプラットフォーム対応で、すでにPC・PS4・Xbox Oneには対応しており、iOS・Android・Mac・LinuxやVRにも近々対応する予定とのことです。
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