カプセルから取り出すだけでスマホと接続する世界最小ワイヤレスイヤホン「EARIN」レビュー
Bluetooth接続のワイヤレスイヤホンには左右をつなぐケーブルや、リモコンなどを接続するものが一般的である中、ケーブルもリモコンも取り付けず、充電カプセルから左右のユニットを取り出すだけでスマートフォンなどと接続する超小型ワイヤレスイヤホンが「EARIN」です。2014年6月ごろにKickstarterで出資を募集していたものですが、無事製品化を果たして出資者ロットのEARINが編集部に到着したので、一体どんな使い心地なのか、実際に持ち歩いて使ってみました。
EARIN
http://www.earin.com/
EARINをカプセルから取り出すだけでiPhoneと自動で接続する様子は、以下のムービーを見るとわかります。
世界最小ワイヤレスイヤホン「EARIN」がiPhoneに自動接続する様子 - YouTube
到着したEARINの小包には、大きな箱・小さな箱・カードケースのようなものが入っていました。
大きな箱の磁石で閉じられたフタを開けてみると……
中にはEARINのセットが入っていました。
フタの裏面には簡単な使用方法が書かれており、説明書の類いはナシ。イヤホンと同じくシンプル設計です。
手前がEARIN本体となるイヤホンで、奥が2つのイヤホンを充電する充電カプセル。
手に持ってみるとこんな感じで、左右をつなぐケーブルはありません。サイズは14.5mm×20mmと、非常に小さなイヤホンであることがわかります。再生周波数帯域は20~20kHz、感度は105dB(SPL +- 2dB)となっています。
金色のマークがついており、充電用の端子にもなっています。それぞれ60mAhのバッテリーを搭載しており、70分で満タンまで充電でき、ステレオで2時間50分間再生可能。
左右の見分けは「L」「R」で判別可能。
横から見るとこんな感じで、耳の形に合わせて少し傾いているのがわかります。
手でつまむ部分は溝が付けられて滑りにくくなっているほか、専用の滑り止めグリップを装着できるようにもなっています。
重量はイヤーパッド付きの左右ユニットでわずか7g。
充電カプセルも片手で持てるポケットサイズ。
てっぺんに充電用のMicro-USBソケットがあります。形がいびつなので「専用形式の充電プラグ?」かと思いましたが、同梱されているのはMicro-USBケーブルで、市販品のMicro-USBケーブルでも充電できることを確認済み。プラグが挿さりにくいなどの不都合はなかったので、ひとまずは問題ナシです。
ヘッドを引っぱると端子のついた収納部分が「シュコ」と、近未来を感じさせる軽やかな音を立てて出現。
充電カプセルからイヤホンを取り出す様子は、以下のムービーから見ることができます。
EARINのイヤホンユニットをカプセルから「シュコ」っと取り出す様子 - YouTube
イヤホンを収納していない状態の充電カプセルは実寸で41gでした。イヤホンを合わせても50g以下となっており、ストレスを感じずに持ち運びできそうです。
イヤホンを収納するとこんな感じ。端子同士が接触すれば細かい位置調整などは特に不要で、押し込んではめればOK。
フタを閉めると元通りのポケットサイズになり、そのまま持ち運びできるというわけです。600mAhのバッテリーを内蔵しているので、USBケーブルなしでもイヤホンを充電可能です。充電中(収納中)はLEDインジケータが赤く点灯します。
充電カプセル内蔵のバッテリーはUSBケーブルで充電でき、充電中はプラグ差込口付近が赤く点灯します。以下のようにLEDが緑色になれば、バッテリーがフルチャージされたということがわかります。
大きな箱の中に入っていた長細い箱を開封すると……
中には充電カプセルの充電用Micro-USBケーブルと、スタビライザーと呼ばれるイヤホンの滑り止め、イヤーパッド。
カードケースの中には、出資者に対するお礼の手紙と保証書が入っていました。
もう1つの小さな箱には、イヤーパッドが3つ入っていました。イヤーパッドは全部で大・小の2種類が2つずつ入っています。
イヤーパッドはCOMPLY(コンプライ)のもの。
耳の形にフィットするコンプライ独自素材の「メモリーフォーム」が使われています。
装着するとこんな感じ。低反発性で指でつまむと縮み、耳にはめているとぴったりのサイズに膨らみます。防汗・防水製でイヤホンともども水に濡れてもOKで、汚れてもイヤーパッドを洗えるのはうれしいところ。
◆EARINを使ってみた
というわけで、実際にEARINを使うには、Bluetooth接続が必要です。
Bluetooth接続ボタンなどはなく、EARINに収納したイヤホンを取り出すことで、ただちに接続可能な状態になります。今回はiPhone 5sと接続するので、iPhone 5sのBluetoothをオンにした状態で、EARINを取り出すと……
iPhone 5sのBluetooth接続画面で、EARINが検出されました。「EARIN L」という項目をタップするだけでペアリングが完了。解除するにはiPhoneから手動で行うか、カプセルにEARINを収納すればOK。次回以降はカプセルからイヤホンを取り出せば、近くにある接続済み機器と自動で接続されます。ペアリングコードなどがないため、カプセルから取り出した時は誰でも接続できることになりますが、使用時以外はカプセルに入れておくため、他人に無断で接続されることはないのかも。
というわけで、耳に装着してみました。外部の騒音の遮断率がかなり高めで、着けていると騒音はもちろん、人の声も聞こえづらくなります。耳に重量を感じることはほとんどありません。
通勤やお出かけの際にいつも使っている有線のイヤホンと置き換えて使用してみたところ、「音楽を聞こう」と思ってカプセルからイヤホンを取り出すと、耳に付ける頃には端末と接続されており、スムーズに音楽を聞くことができました。
歩きながら使うだけなら、イヤーパッドの低反発性で外れることはなさそうですが、運動などで使用する時は、以下のようにスタビライザーを取り付ければ、耳の「耳甲介(じこうかい)」という部分にかかってより外れにくくなります。
スタビライザーをつけて耳にEARINを装着するとこんな感じ。よりしっかりとイヤホンが固定されるため、ジムなどの運動時には最適。実際にランニングマシンなどを使用中にEARINを使ってみましたが、外れてしまう心配は全くありませんでした。また、ケーブルがないのでずっと着けっぱなしでも運動に差し支えないのは非常に便利。
合計で4日間ほど使ってみたところ、電池の持ちは通勤などに使うには充分で、接続するスマートフォンを触らずにBluetoothを自動接続できるのは状況によっては非常に便利。ただし、音楽の選曲や音量調整にはスマートフォンが必要なのがネックであることや、たまに自動接続に失敗することもありました。接続に失敗すると、端末のBluetooth設定から手動で再接続するか、カプセルにイヤホンを収納して取り出すことになり、身動きのとれない満員電車では音の鳴らないイヤホンをつけ続ける、といった状況に陥ることも。
また、着信時はなぜかイヤホンから音声が出力されなくなるので、イヤホンを外さないと相手の声が聞こえなくなるのも残念なところ。「ケーブルのないイヤホン」としての使用感は抜群に良かったため、「接続の失敗」「電話の音声の出力」が改善されれば、ストレスフリーで使えそうな製品となっていました。
なお、EARINは記事作成時点で販売準備中。Kickstarterでは予定価格が159ポンド(約2万9500円)になると予告されていました。気になる人は以下のページでメールアドレスを登録しておけば、いち早く発売情報を受け取ることができます。
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