誰でもスマホで個人的な「飛脚」を数百円で雇える「Uber Rush」が本格始動
by Gustave Deghilage
スマートフォンで簡単にハイヤーを呼べるサービスを提供するUberが、新たに宅配サービスの「Uber Rush」をスタートさせました。スマートフォンから利用できる宅配サービスというと、アプリから欲しいものを選択してお店で購入した製品を届けてもらう……という方法が一般的ですが、Uber Rushのサービスはより幅広い使い方が可能になっています。
Uber Rush: FedEx killer released - Business Insider
http://www.businessinsider.com/uber-rush-fedex-killer-released-2015-10
Uber Rushは2014年に試験導入が始まったもので、2015年10月14日に発表された内容によると、まずはシカゴ・サンフランシスコ・ニューヨークという3都市でサービスを本格的に展開させるとのこと。同様の宅配サービスにアメリカで展開するPostmatesがありますが、Postmatesがアプリからお店や商品を選んで宅配してもらう「消費者」に焦点を当てたサービスであるのに対し、Uber Rushが請け負うのは「飛脚」の役割なので、サービスは消費者だけでなく、「急がしすぎて宅配が間に合わない!」という小売店も利用できるようになっています。
Uber Rushのサービス内容は以下のムービーから確認できます。
UberRUSH, Your On-Demand Network - YouTube
レストランのような場所。
テキパキと調理が行われていく一方で……
従業員はPCからUber Rushのウェブサイトを開きます。
「New Delivery」というボタンをクリック。
配達する区間を指定すると、「4.5ドル(約540円)」という価格が表示されました。
さらに、高級そうなブティックも映し出されました。
今度は電話から注文を受けて……
服を届けるようです。
これも先ほどと同じ、「New Delivery」というボタンから簡単にサービスの利用ができます。
お花屋さんで……
タブレットに「新しい注文を受け付けました」と表示されます。
これもUber Rushを利用。
注文通りにブーケを作成し……
Uber Rushのスタッフが到着したところで……
花束を渡します。
宅配がどのような状態にあるのかは、アプリやウェブサイトから簡単に確認できます。
どのあたりを走っているのかも地図から一目瞭然。
お店の人が利用したのではなく、消費者側がサービスを利用している場合は、製品を注文した人が「Uber Rushがもうすぐやってきます」というメッセージを受け取れます。
アプリから、あと何分でUber Rushがやってくるのかが分かります。
車が到着したら……
無事商品を受け取れるわけです。
なお、企業やお店がサービスを利用する場合、特に登録料などはなく、費用は1回あたり5~7ドル(約600~830円)の配達費のみ。企業やお店がUber Rushを利用する場合は費用は販売側持ちなので、消費者は販売側がUber Rushを利用しているとは気づかないようになっているそうです。宅配の手段は自転車と車を組み合わせるとのこと。
また、Uberはセキュリティに問題があると以前から指摘されており、2015年8月にはTwitterの元セキュリティ担当者であるチャーリー・ミラー氏を雇用しています。ミラー氏は以前ジープをハッキングし遠隔操作で車内のエアコンを止めたりエンジンを切ったりしたりするデモを行った人物です。
さらに、Uberは自動運転車研究のためにアリゾナ大学の研究室と提携したり、児童保護を行う全米行方不明/被搾取児童センターと提携して「誘拐された子どもの近くを通ると特定の人々のもとでアラートが響く」というシステムを開発したりしています。2015年10月13日には数百人分のドライバーの個人情報が漏えいしたと報じられたところですが、これらの動きを見るとUberが今後どのように展開していくのかが見えてきそうです。
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