空間に浮かんでブクブクと泡立つ色鮮やかな水の球を4K超高画質ムービーでNASAが公開
宇宙における無重力空間、もしくは微小重力空間では、地上では見ることができない現象が観察できます。NASAは国際宇宙ステーション(ISS)に映画撮影にも使われるRED製のデジタル6Kカメラを打ち上げ、不思議な光景の数々を高解像度・高フレームレートの映像に収めています。
RED Epic Dragon Camera Captures Riveting Images on Space Station | NASA
http://www.nasa.gov/mission_pages/station/research/news/red_epic_dragon_camera
今回の撮影に使われているのは、RED製のEPIC DRAGONと呼ばれるカメラ。解像度6144×3160ピクセル・59.94fpsという6K画質での撮影が可能で、しかもデータに圧縮を加えないRAWフォーマットでの出力が可能というプロ用機材の中でもハイエンドに属する機材です。
EPIC DRAGON
そんなカメラが捉えた映像がこれ。YouTube上のムービーとしては最高の4K画質での再生が可能なので、再生する際には画質設定で「4K」を選択するのを忘れないようにしてください。
RED 4K Video of Colorful Liquid in Space - YouTube
ISSの空間をふわふわと漂う水の玉。「水滴」と表現するには大きすぎる水球ができるのは、微少重力空間ならではの現象。
チューブに入った絵の具のようなものを加えると……
鮮やかな青色に変化。
さらに、赤いチューブから塗料を加えると……
紫色に変化……かと思いきや、なぜか緑色に色を変えていきます。
そこに宇宙飛行士が丸いタブレット(錠剤)を挿入。このタブレットは水に触れると泡を出す発泡タブレットで、内部にぶくぶくと気泡が出現。
すっかり泡だらけになった水の玉。まるでクレーターに覆われた小惑星のような見た目です。
ぶくぶくと出る泡は、地上と同じように「プチン」とはじけることも。その勢いで小さな水滴が飛び出していくシーンも収められています。
玉の中では小さな泡どうしがくっつき、次第に大きな気泡が出現。
ほどなくすると、水の玉の中に空間ができあがりました。表面張力が水の内部でも働いているのか、カートゥーンアニメに出てくるような穴あきチーズのような内部構造になるという、興味深い現象が収められていました。
また、NASAではハッブル宇宙望遠鏡にも4K画質に相当するカメラセンサーを追加しており、惑星や宇宙の様子を高画質で収めることに成功しています。
以下のムービーは、ハッブル宇宙望遠鏡が木星の表面の様子を詳細に捉えたもの。赤道付近に発生している大気の渦や、いまだに詳細が不明なままの大赤斑の様子が収められています。
NASA | Jupiter in 4k Ultra HD - YouTube
渦の詳細な分析や、大赤斑を光の波長別に撮影して分析した内容を、以下のNASAのページで確認することも可能。渦が発生する様子は、地球で台風が発生する時とよく似たものになっているそうです。
Hubble Captures New Changes in Jupiter’s Great Red Spot | NASA
http://www.nasa.gov/press-release/goddard/hubble-s-planetary-portrait-captures-new-changes-in-jupiter-s-great-red-spot
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