Nexus 5XとNexus 6Pがワイヤレス充電に非対応である理由を開発チームが明かす
9月30日に開催されたイベントでGoogleが最新スマートフォン「Nexus 5X」「Nexus 6P」を発表しましたが、スペックを確認して「ワイヤレス充電に対応していない!」と残念に思った人もいるかもしれません。なぜ対応しなかったのか、対応できなかったのかを、開発チームがRedditに現れて説明しています。
Hi, I’m Hiroshi Lockheimer, here at Google with the team that build Nexus 5X & 6P...Ask Us Anything! : IAmA
https://www.reddit.com/r/IAmA/comments/3mzrl9/hi_im_hiroshi_lockheimer_here_at_google_with_the/
Redditに書き込んだのは、Androidエンジニアリング担当の副社長としてAndroid・Chromecast・Chrome OSなどを手がけ、Nexus開発チームの一員でもあるHiroshi Lockheimer氏。本人であることを証明するため、TwitterのNexus公式アカウントで以下のような写真を公開しました。
Have Qs about Nexus 5X or 6P? @lockheimer & team are doing a @reddit_AMA at 11am https://t.co/nhHr32Wzd5 ...proof! pic.twitter.com/FAW1OrEmHu
— Nexus (@googlenexus) 2015, 9月 30
スレッドは「Nexus 5XやNexus 6Pについて、わからないことがあればなんでも答えます」というもの。寄せられた質問には「なぜ5Xには64GBモデル・128GBモデルがないのですか?」「XやPはどういう意味?」などいろいろなものがありますが、その中の1つが「なぜワイヤレス充電(Qi)に対応していないのですか?」という質問でした。
Googleのスマートフォンとしては、2012年に発売されたNexus 4や、2013年に発売されたNexus 5がQiに対応しており、最新端末であるNexus 5X・Nexus 6Pが非対応だということには疑問を抱いた人が多く、同様の質問を投げかける人が多数現れました。
これに対してのLockheimer氏の回答は「Qiに対応すると分厚くなるから」というものでした。
そもそも、Nexus 4やNexus 5はUSBポートがMicro-USBのType-B(マイクロB)。端子はリバーシブルではなく挿す方向が決まっているため、正しく挿そうとしたつもりでも反対向きだったということが起きうる構造です。そこで採用されたのが、置くだけで手軽に充電できるQiだったというわけです。
しかし、Nexus 5XやNexus 6Pで採用されたのはUSB Type-C。どちら向きかを気にすることなくケーブルを挿すことができ、しかも充電速度自体も高速化して、バッテリー残量1%のNexus 6Pをフル充電するのにかかる時間はわずか97分。特に最初の45分は一気に充電が行われます。
こうしてUSBポートを使うことのデメリットが減少。「挿しやすい」「急速充電ができる」「端末も薄くできる」といいことずくめなので、USB Type-Cの採用と引き替えにQiは外されることになった、というわけです。
Redditユーザーからは
・端末が薄くなりすぎて、持ちづらくなっていると思う。
・「Nexus 5から機種変更しない理由はQiがないから。Qiがあればケーブルをわざわざ抜き差ししなくてもいいので。
・私がQiを使っているのは1年程度でUSBポートがすり減ってしまうから。新しいコネクターは以前のものより長持ちしますか?
・端子の方向がリバーシブルであろうとなかろうと、端末にケーブルを挿すということ自体が苦痛です。
・急速充電できるのは非常時に助かるのでUSB Type-C自体は賛成ですが、充電時間が長くても便利なQiの否定にはつながらないと思う。
など、あまり肯定的ではない意見が出ています。
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