猛獣とグラディエーターの決闘を可能にしていた装置がコロッセオで再現
By Sam valadi
西暦80年に建造されたローマのコロッセオは約5万人を収容可能な巨大円形闘技場です。コロッセオでは剣闘士たちの戦いだけでなく、凶暴な野生動物と剣闘士の決闘が催しとして開催されていたことがあるのですが、野生動物を闘技場のあるフロアまで運んでいた装置が再現され一般公開されています。
Colosseum killing machine reconstructed after more than 1,500 years - Telegraph
http://www.telegraph.co.uk/news/worldnews/europe/italy/11655510/Colosseum-killing-machine-reconstructed-after-more-than-1500-years.html
コロッセオで公開されたのは剣闘士と戦わせるために野生動物を闘技場の階まで運んでいた昇降機です。コロッセオには28個の野生動物用昇降機があり、今回再現されたのはその中の1つ。画像のケージの中に野生動物を入れて上階まで運ぶことが可能で、昇降機で運べるのは最高300kgまでだったとのこと。
回転式のレバーを人力で回し、昇降機のケージを上昇させていました。
ケージは画像にある落とし戸のちょうど真下まで持ち上げられ、ケージの入口と落とし戸が開くと中から動物が出てくる仕掛けになっていました。
ケージを開くには、扉につなげられた2つの石を引き上げていたとのこと。昇降機の高さは約7mで、オオカミや大型のネコ科の動物が剣闘士の相手として闘技場に運ばれていたそうです。
再現された昇降機が実際に動いている様子は下記のムービーから確認できます。
コロッセオの動物用リフト、約1800年ぶりに再現 伊 Rome's Colosseum recreates wild animal trap door system - YouTube
これが再現された昇降機。少し小さいサイズに感じますが、昇降機の上に見えている人の姿から大体の大きさがわかると思います。
大人の男性が4人がかりでレバーを回転させると……
女性が乗った昇降機がゆっくりと上昇。
昇降機が一番上まで上がると落とし戸がゆっくりと開き……
落とし戸の下にあるケージから動物が出てくるというわけです。
今回再現された昇降機はイギリスで放送予定のドキュメンタリー作品に登場予定で、撮影ではオスのオオカミが実際にケージで闘技場まで運ばれました。コロッセオに動物が登場するのは実に1500年ぶりとのことです。
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