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劇的にユーザーを増やすのに新機能の追加があまり効果のない理由

by Andrey Belenko

世の中には様々なソフトウェアやスマホアプリなど便利なサービスがあふれていますが、サービスの機能が増えたからといって即座に大量のユーザーをゲットするのは難しいものです。その理由について、Dropboxなど数々のスタートアップに携わっている起業家のAndrew Chen氏が記しています。

The Next Feature Fallacy: The fallacy that the next new feature will suddenly make people use your product at andrewchen
http://andrewchen.co/the-next-feature-fallacy-the-fallacy-that-the-next-new-feature-will-suddenly-make-people-use-your-product/

サービスを立ち上げて、何かがうまく行っていなければすぐに機能を増やしたいと思うのは当然のこと。そして「サービス開始→失敗→新しいサービス開始」というサイクルに陥ってしまう企業を、Chen氏はこれまでに数多く見てきたそうです。ウェブサービスの平均的なユーザー数の推移は以下のグラフのようになっています。


グラフの横軸にある「Vist」「Signup」「Onboard」「D1」「D7」「D30」は時間経過を表していて、縦軸のユーザー数と合わせると「1000人がサイトを見てサービス内容を閲覧」「閲覧者のうち、20%(200人)がアカウント登録」「アカウント登録したユーザーのうち、80%(160人)がサービスを利用開始」「アカウント登録したユーザーのうち、40%(80人)が翌日もサービスを利用」「アカウント登録したユーザーのうち、20%(40人)が1週間後もサービスを継続利用」「アカウント登録したユーザーのうち、10%(20人)が1カ月後もサービスを継続利用」となります。

グラフの数値を見ると、最初にサービスに興味を持った1000人に対して、1カ月後までサービスを使い続けてくれたのはたったの20人と、ユーザー数が急激に減少したことがわかります。Chen氏によると、ブランドを築いたり、口コミでの普及に成功したサービスやメッセージアプリなどは、グラフの数値よりも2~3倍高いユーザー数を獲得しているものの、それ以外のほとんどのウェブサービスにおけるユーザー数は上記の数値とほぼ同等だそうです。


Chen氏はユーザー獲得の失敗が起こる理由について「機能を新しく開発する際に発生する2つの間違いが原因だ」と語っています。1つは「新機能が新規ユーザーよりも既存ユーザーを対象としているにも関わらず、新機能を使う既存ユーザーが少なすぎること」で、もう1つは「ユーザー登録時に新機能がオプション機能のひとつであるかのように表示されていて、ユーザーに与える印象が弱いこと」です。

新機能の追加でユーザー数を増やすには、ユーザーのライフサイクルをしっかりと理解する必要があります。まず第一に、新機能をとにかく多くのユーザーに知らせることが必要。「新機能は新規ユーザーの獲得のためにトップページにのみ載っている場合が多いのですが、それだけではなくユーザー登録の手順やログイン画面にも新しい情報を表示して、既存ユーザーの流出を防ぐべき」とChen氏は語ります。

さらに、ユーザーがサービスを使い始めるにあたって何をすればいいのか、について深く洞察する必要があり、例えばソーシャルネットワークであれば友達をフォローしたり追加したりするのがメイン機能で、ブログサービスであればブログ名やテーマを決めて最初の投稿を行うという一連の流れが重要です。ユーザー登録後に行う動作を最小限にとどめておくことで、ユーザー獲得につなげることができるとのこと。

これからサービスを提供開始しようと思っている人や、提供中のサービスに新機能を追加しようと考えている人は、開発中の機能を過大評価せずに冷静な判断でユーザー増加を目指すべき、とChen氏はコメントしています。

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in メモ, Posted by darkhorse_log

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