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今や「表現の自由」が脅かされていることを世界中のライターが感じている

by blackwarrior57

PEN American Centerの調べによると、近年のライターの多くが物議を醸している事案について記事を書きたがらない傾向があると判明しました。ライターは表現の自由を侵害されやすい職業と言われていますが、現在、世界中のライターが政府による監視を心配しており、表現の自由が脅かされていると感じているとのこと。

Writers Say They Feel Censored by Surveillance - NYTimes.com
http://www.nytimes.com/2015/01/05/arts/writers-say-they-feel-censored-by-surveillance.html

今回の調査は2014年の秋にオンライン上で行われたもので、世界50カ国の翻訳家や編集者を含めた文筆業に携わる人々を対象としており、全部で772人から回答が得られました。それによると、民主主義・非民主主義を問わず、現在さまざまな国において表現の自由が脅かされており、「表現の自由がある」とされている国の回答者の75%、「表現の自由が一部ある」とされている国の回答者の84%、「表現の自由がない」と考えられている国の回答者の80%が、政府による監視を心配しています。

by Adolfo Lujan / DISO Press

調査によると、特定のテーマについて書いたり語ったりすることを避けているライターも存在し、その数は表現の自由がある国では34%、表現の自由が一部ある国では44%、表現の自由がない国では61%に上りました。また、監視を恐れてSNSでの活動を控えている人や控えることを考えている人もほぼ同様の割合で存在したとのこと。

これは表現の自由を重視するPEN American Centerと関係があるライターを対象とした調査だったため、必ずしも全てのライターの傾向を反映したものとは言えませんが、PEN役員のスーザン・ノゼルさんは「政府による大量監視は表現の自由と世界の情報流通にダメージを与えている」と語りました。「ライターは表現の自由を侵害されやすい最たる職業です。これまで『表現の自由がない』と考えられてきた国で起こっていたことが『表現の自由がある』とされる国でも生じており、非常に困った事態になっています」とのこと。FDR Groupsによると、ソニー・ピクチャーズがハッキングを受けて映画の公開が危ぶまれる事態にまで発展したことや、アメリカ国家安全保障局(NSA)がSkype・Hotmailなどへアクセスしまくっており、Skypeの通信はすべてリアルタイムで盗聴可能だったことなどが、調査結果に影響を及ぼしたと考えられています。

by Cunning Hand

アメリカ以外の「表現の自由がある」とされている国の回答者の36%と、アメリカより表現の自由がないとされている国の回答者の32%が「アメリカは自分の国よりも表現の自由が守られていない」と回答しており、今回の一連の事件がアメリカにおける「表現の自由」を大きく傷つけたと言えそうです。

「例え収集された情報が政府によって不当に扱われていないとしても、政府による監視を恐れること事態がすでに懸念すべきことです」とはPENのメンバーである小説家のハリ・クンツルーさん。また、ノゼルさんも「監視を心配したライターは行動を変えます。それが問題なのです。事実がどうあれ、これは無視すべき事態ではありません」と語りました。

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in メモ, Posted by darkhorse_log

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