自動車で駐車場の空き状況を感知してクラウド共有する「Parking Spotter」
車で買い物や行楽地に出かけた時に、意外に悩まされることがあるのが駐車場スペースを見つける作業。ショッピングモールの立体駐車場で空きスペースを求めてグルグル走り回った経験がある人も多いと思いますが、自動車メーカーのフォードはクラウド技術を活用してそんな面倒さを解消してくれるシステム「Parking Spotter」の開発を行っています。
Mobility Experiment: Parking Spotter, Atlanta | Ford Media Center
https://media.ford.com/content/fordmedia/fna/us/en/news/2015/01/06/mobility-experiment-parking-spotter-atlanta.html
Parking Spotterが実際に役立つシチュエーションが、フォードが作成したコンセプトムービーで紹介されています。
Parking Spotter: A Ford Smart Mobility Experiment - YouTube
フォードの調査では、日々の運転で実際にドライバーが負担に感じている作業は「駐車」であるということが判明しています。
狭い駐車スペースにうまくクルマを収める操作はもちろんのこと、駐車のためのスペースを見つけるのに苦労するという声が挙がっていたとのこと。スムーズに駐車スペースを見つけられる人は全体のわずか20%しかおらず、80%の人はいつもスペースを求めてさまよっている状態。
スペースを探すことにイライラさせられるのと同時に、無駄な燃料を消費して排気ガスを出し続けさせられていることも問題だとフォードは考えています。
そんな「空き探し」を効率的にするためにフォードが開発しているシステムが「Parking Spotter」です。このシステムでは車体に搭載された障害物センサーやカメラを活用して、駐車場の空きスペースを見つけてデータベース化します。
その仕組みはこんな感じ。障害物レーダーや周辺カメラを搭載した車両が実際の駐車場の空き状況をモニタリングし、GPS情報とともにデータをクラウドにアップロードします。情報は駐車場を探している車両にも共有されて空きスペースを見つけやすくなるほか、システム上でスペースを「予約」してその場所までナビゲーションしてもらうことも可能になるとのこと。そのスペースに別の車が駐車しようとした場合には、アラーム音などで予約済みであることが知らされるようにもなっています。
空き状況は、スマートフォンのアプリ上で確認することが可能。混雑した駐車場になるとそれだけ新しい情報がどんどんとアップロードされるので、より精度が上がって効率的になると考えられます。
スマートフォンのような情報端末が社会に行き渡ることで可能になった、従来にはなかった面白い取り組みといえそうな「Parking Spotter」のシステムですが、実際の運用時には、システムを搭載しない車両との整合性を高めることが重要になってくるといえそう。これは、スマートフォンだけではなく車載のカーナビに標準搭載することでも改善できるかも。
Parking Spotterはあくまで実験の段階ということで、まだ実用化のめどは立っていない模様。多くのドライバーにメリットがあるシステムと思われるため、早くモノになればよいと感じるドライバーは多そうです。
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