ゴダールやエリセなどの15人の巨匠監督によるコンピレーション映画「Ten Minutes Older」
新年も始まり「何か新しい映画を見てみたい!」と思っている人に特にオススメなのがオムニバス映画の「Ten Minutes Older」です。映画では比較的珍しいコンピレーション作品になっており、世界的な巨匠15人が「時」をテーマに10分間で様々な表現を行っています。
Ten Minutes Older - Trailer - YouTube
イタリアのベルナルド・ベルトルッチが描く「水の寓話」は、インドの寓話をベースとし、男女の出会いを描いたモノクロのショートムービー。
移民とおぼしき女性がイタリアの男性と出会い結婚するのですが、20年ほどの男女の結婚生活が10分で描かれています。
イシュトヴァン・サボーの「10分後」は、ある夫婦に訪れた10分後の悲劇を表現しています。
10分という短い時間の中で画面を4分割し、情報量のある映画を作っているのはイギリスのマイク・フィギスの「時代×4」。
チェコの映画監督イジー・メンツェルは、「老優の一瞬」という作品を作製し、30年近く交流があったルドルフ・フルシンスキーの人生を10分に凝縮した作品を発表しています。
ドキュメンタリーも得意とするフランスの女性映画監督クレール・ドゥニの「ジャン=リュック・ナンシーとの対話」は、フランスの哲学者ジャン=リュック・ナンシー を登場させ、若い女性アナとの議論を収めた映画。
ドイツのフォルカー・シュレンドルフの「啓示されし者」は、蚊の視点を通して儚い人生の一端を描いた作品。
日本でもヒットした「イル・ポスティーノ」の監督 マイケル・ラドフォードの「 星に魅せられて」は、80光年を旅し出発から10分程度しか老いていない男性が2146年で見た未来を描いた話。
ジャン=リュック・ゴダールの「時間の闇の中で」は、自らが監督した映画の映像などをサンプリングし、1分の映像を10本見せる異色の作品。
フィンランドの映画監督アキ・カウリスマキの「結婚は10分で決める」は、刑務所から出所した男がたった10分で結婚を決めたストーリー。
10年に1本程度しか新作を発表しないビクトル・エリセの「ライフライン」は、1940年を舞台に忍び寄る戦争と新たな生命の誕生を描いた自身の自伝的作品をモノクロ映像で表現しています。
ドイツのヴェルナー・ヘルツォークの「失われた一万年」は、1981年までジャングルの奥地に住んでいた未開民族「ウルイウ族」との接触を描いたドキュメンタリー。
ジム・ジャームッシュの「女優のブレイクタイム」は、10分間の女優の休憩時間をモノクロで描いた作品。
写真展「尾道への旅」を日本で開催したこともあるヴィム・ヴェンダースの「トローナからの12マイル」は、砂漠の中でバッドトリップを経験し、猛スピードで病院に向かう男のストーリー。
主人公の視界が時々ぼやける演出が入っています。
スパイク・リーの「ゴアVSブッシュ」は、2000年の大統領選挙の不正を描いたドキュメンタリームービー。
チェン・カイコーの「夢幻百花」は、北京のめまぐるしい変化についていけない男が主人公の話で、監督の北京に対する思いがアイロニックに描かれています。
この映画の「すべてが好み」という人はなかなかいなさそうですが、実績のある巨匠の作品をかいつまんで見ることができるので、15本の作品の中で気に入ったものがあればその監督の作品を借りてみるというのもいいかもしれません。
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