AppleとIBMがタッグを組んで生まれたサービス「IBM MobileFirst for iOS」で何ができるのか？

2014年7月にAppleとIBMは電撃的な提携を発表しましたが、ついにその成果となるアプリ「IBM MobileFirst for iOS」がリリースされました。IBM MobileFirst for iOSは、すでにIBMが企業向けに提供しているモバイルアプリ「IBM MobileFirst」のApple協力バージョンで、iPhoneを知り尽くしたAppleとビッグデータを知り尽くしたIBMの強力タッグがいかんなく発揮されているサービスとなっています。

Apple - Business - Mobile Enterprise Apps
https://www.apple.com/business/mobile-enterprise-apps/

IBM MobileFirst - Mobile Enterprise - United States
http://www.ibm.com/mobilefirst/us/en/mobilefirst-for-ios.html

Apple - Press Info - Apple and IBM Deliver First Wave of IBM MobileFirst for iOS Apps
https://www.apple.com/pr/library/2014/12/10Apple-and-IBM-Deliver-First-Wave-of-IBM-MobileFirst-for-iOS-Apps.html

IBM MobileFirst for iOSはAppleの持つiOSに関するソフトウェア技術とIBMのもつビッグデータ解析などのクラウドサービス技術を組み合わせてできるソフトウェア(アプリ)で、専用アプリがiPad・iPhoneなどのiOS端末に提供されるもので、主に企業向けサービスとしてビジネスユーザーがターゲットとなっています。

・金融
より早くより正確な情報が求められる金融サービスにおいて、作業できる場所を問わないモバイル端末の利用は重要度を増してきています。例えば銀行やディーラーはIBM MobileFirst for iOSを使えば世界中のどこにいてもiPad・iPhoneで情報を得ることができます。

また、オンラインで専門的なアドバイスをクライアントに提供するニーズも重要性を増しています。例えば地方銀行が中小企業にオンラインで財務アドバイスをしたり、機関投資家が専門家に意見を求めたりすることが可能です。

さらに保険会社がオンラインで顧客に保険のプランを提案することも可能。ビッグデータによる分析を、オンラインを通じてリアルタイムで提供することでサービスの質を向上させられるというわけです。

・航空会社
IBM MobileFirst for iOSを使えば機内のサービス向上にも利用できます。例えばキャビンアテンダントは席が空いていることを確認してすぐにキャンセル待ちの客を機内へ案内することが可能。もちろんキャンセル待ちをする客にはメールでeチケットが送信されるのでわざわざ呼びに行く必要はありません。

またパイロットに向けて正確な運航情報を提供することも可能。さらに常時、燃料の残量をチェックすることで、次のフライトに燃料補給が必要かどうかを正確に決定することもできます。

・小売店
小さなショップでもIBM MobileFirst for iOSは活用できます。アパレル店で顧客対応しているときに、商品の情報を調べたり在庫状況をその場でチェックしたりすることも可能。

またiBeaconを利用すれば、目当ての商品が売り場のどこにあるのかが一目瞭然です。

さらに、過去の売れ行きと店舗の在庫状況からどの商品をどのタイミングでどれだけ発注するべきか、という情報がビッグデータ解析からはじき出されます。

・政府関連機関
IBM MobileFirst for iOSは政府関係機関も顧客ターゲットにしています。例えば、警察官が緊急時にお互いの位置情報をiPhoneのマップ上でリアルタイムで共有することが可能。もちろん犯罪履歴など必要な情報を適宜、配信してもらえるため捜査が大いにはかどるというわけです。

IBM MobileFirst for iOSは以上のような専用アプリが合計10本リリースされており、今後は企業に合わせてカスタマイズされたアプリが続々登場する予定。ビジネスの現場にもよりモバイル化の波が押し寄せることが予想される中で、iPhoneを有するAppleとビッグデータ解析技術を有するIBMの二大巨人のコラボサービスは大いに威力を発揮しそうです。