デザイン

「iOSとエイリアンのアイコンが酷似している」など、映画「エイリアン」の文字&アイコンを徹底分析してわかったこと


タイポグラフィとは書体やレイアウトなどのデザイン全般を示す言葉で、そこら中で使用される文字を効果的に見せるため、古くから研究が行われています。そのタイポグラフィーについて、Appleで編集の仕事をしているDave Addey氏が映画「エイリアン」に登場する文字やアイコンを徹底分析したところ、興味深い事実が浮き彫りになりました。

Alien | Typeset In The Future
http://typesetinthefuture.com/alien/

エイリアンのオープニングでは、タイトルの文字が一部ずつじわじわと浮かび上がる演出が採用されました。


線が3本……


4本と浮かび上がり……


タイトルを形成しますが、この時点では何かわかりません。


一番左に線が2本表示されると、ようやく左端が「Aかも?」と予想できますが、「W」である可能性も残されています。


一番左の文字をクローズアップ。


もう少し寄ると、右の内側が膨れ上がっているので、この文字が「A」に変化しようとしているのがわかるというわけ。


最終的には下記のような感じでタイトルが表示されます。


Addeyさんによると、タイトルのフォントや表示演出は未来的な美しさを感じられますが、その直後に表示される宇宙貨物船ノストロモ号の詳細説明は、ちょっとぼやけた感じのヘルベチカが使われていて残念とのこと。


タイトルの次はノストロモ号の艦内で使用されているフォントや、施設の詳細を表わすイコノグラフィーを見ていきます。


ノストロモ号の艦内で使用されているアイコンは、アメリカ人のRon Cobb氏が1981年に貨物列車や貨物宇宙船向けに考案したものを採用。


コーヒーを表わすアイコンは、見方によってはベッドにも見えそう。


Cobb氏が考案したアイコンには角の丸まっている四角形が使われていて、どことなくiOSのアイコンに似ています。というのも、iOSのアイコンはThe Iconfactoryという企業がCobb氏の作成したアイコンを元にデザインしたものなので、エイリアンに登場するアイコンとよく似ているわけです。


ノストロモ号のPCが起動したときの画面に使用されているアイコンの種類は不明。


クルーが吸っていたタバコは「BALAJI Imperial」という名前で、おそらくエイリアンのスーツを着て演じたボラジ・バデジョ氏にちなんで付けられた可能性があります。


見えにくいですが、マグカップにはノストロモ号を所有するウェイランド・ユタニ社の緑色のロゴが入っています。


ウェイランド・ユタニ社のロゴは艦内のほぼ全てのアイテムに入っており、唯一入っていないのがBALAJI Imperialです。


クルーが飲んでいるビール「Aspen Beer」もウェイランド・ユタニ社の商品。


ダラス船長の服の「NOSTROMO」という文字にはPump Demi Bold LETというフォントを使用。Pump Demi Bold LETは最も70年代ぽいフォントとして業界で知られているとのことです。


Pump Demi Bold LETは、クルーが寝泊まりするキャビンのネームプレートにも使用されていました。


リプリーがノストロモ号から脱出するために使用したシャトルの画面に表示された「PURGE(削除する)」の文字。


全く同じデザインの画面がエイリアンを監督したリドリー・スコット氏の映画「ブレードランナー」に登場するのはあまり知られていません。


下記はリプリーがノストロモ号の自爆コードを入力するときに使用していた変わったデザインのキーボード。


リプリーが最初に入力したのが「PRANIC LIFT 777」と書かれたキーで、「Prana(プラーナ)」はサンスクリット語という古代から中世にかけてインドや南アジアで使用されていた言語で呼吸や息吹などを意味します。


「PADME」というキーもサンスクリット語で、ハスの花を意味する「Padma」から名前が付けられているかもしれないとのこと。


「LINGHA」は、サンスクリット語でヒンドゥー教の最高神の1人であり、破壊をつかさどるシヴァ神。


キーボードの中で最も奇妙なのが「AGARIC FLY」というキー。


Agaric Flyは日本語でベニテングタケというキノコの一種を意味します。


ベニテングタケは食べると強烈な幻覚症状をおこすことがあり、「AGARIC FLY」の横には「麻薬で幻覚症状を起こす」という意味を持つ単語「Trip」が記載されたキーがあります。なお、エイリアンの監督であるスコット氏がベニテングタケについて詳しかったどうかはわかりません。

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
ロゴデザインやタイポグラフィのセンスを街中で磨く方法 - GIGAZINE

意外とそっくり?映画「アバター」と「エイリアン2」の似ているところを比較 - GIGAZINE

NASAのマニュアルに学ぶ読みやすいタイポグラフィを作る11個のルール - GIGAZINE

黄金律を使ってデザイン性の高いウェブサイトを作る方法 - GIGAZINE

英文フォントの美しさやレイアウトデザインを押し出した雰囲気のあるタイポグラフィ壁紙いろいろ - GIGAZINE

60秒で「エイリアン2」のすべてが大体わかるアニメーション「Speedrun: Aliens in 60 seconds」 - GIGAZINE

Photoshopを使いこなすための印象的なチュートリアルいろいろ - GIGAZINE

ドライブスルーで突如としてエイリアンが腹を突き破って出てきたらどうなるのか? - GIGAZINE

in 映画,   デザイン, Posted by darkhorse_log

You can read the machine translated English article here.