NASAがアポロ計画などの歴史的な音声ファイルの無料公開をSoundCloud公式アカウントで開始

人類の宇宙開発をリードするNASA(アメリカ航空宇宙局)は、音声ファイル共有サービスのSoundCloudに公式アカウントを開設し、現在までに記録されてきた宇宙開発にまつわる音声の公開を開始しました。その中にはスペースシャトル計画など主なミッションにまつわるものや、映画でも有名になったアポロ13号の「ヒューストン、問題が起こったようだ」などの貴重な音声を聞くことができます。

NASA’s stream on SoundCloud - Hear the world’s sounds
https://soundcloud.com/nasa

SoundCloudでは、「アポロ計画」「ロケットエンジン」など7つのプレイリストに分類された62個の音声ファイルが公開されており、それぞれダウンロードすることも可能になっています。以下ではプレイリストごとの内容を簡単にまとめてみました。

◆「Rocket Engine Sounds(ロケットエンジン音)」

このプレイリストでは、ロケットに使用されているエンジンの音が集められています。以下の音はNASAが今後活用を予定している「SLS(スペース・ローンチ・システム)」の試験燃焼の様子を録音したもの。


◆「Solar System & Beyond Sounds(太陽系とその外側の音)」

ここでは、人工衛星が捉えた電波音やそれらにまつわる交信の音声などが公開されています。以下の音は土星探査機「カッシーニ」が捉えた土星から発せられる電波の音。


惑星「KIC7671081B」の光度曲線を音に変換したのがこちら。


◆「Space Shuttle Mission Sounds(スペースシャトル計画)」

NASAの代名詞の一つといえるスペースシャトルに関連したリストでは、2011年に行われたスペースシャトル最後のフライト「STS-135」の打ち上げカウントダウンの音声などが収録されています。


着陸に向け、スペースシャトルの車輪を出す時の音というマニアックなサウンドも。


◆「Mercury Sounds(マーキュリー計画)」

1960年代に進められた「マーキュリー計画」にまつわるものがこちら。打ち上げの瞬間に「Clock is started(時計が動き始めた)」と宇宙飛行士とみられる声を聴くことができます。


◆「President Kennedy Sounds(ケネディ大統領)」

宇宙開発を推進したジョン・F・ケネディ大統領の音声なども集められています。以下の音声では大統領が演説した「われわれは10年以内に月へ行くことを選び、それ以外のことをも行う。それは簡単だからではない。実現が困難な計画だからである」という有名な一節が収められています。


◆「Apollo Sounds(アポロ計画)」

アポロ計画関連では11個のファイルが公開されています。映画にもなった「アポロ13号」で船体の一部が爆発した際の有名な交信「OK Houston, we've had a problem here.(ヒューストン、問題が発生したようだ)」の音声はコレ。


また、以下のファイルでは、アポロ11号で月に降り立ったアームストロング船長の言葉「これは一人の人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては偉大な飛躍である。(That's one small step for a man, one giant leap for mankind.)」を聴くことができます。


◆「Space Shuttle Discovery Sounds(スペースシャトル・ディスカバリー号)」

向井千秋氏や若田光一氏など多くの日本人宇宙飛行士を乗せて宇宙へ行ったディスカバリー号にまつわるリストも公開しており、無線交信の短い音声ファイルが17個アップされていました。