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政府内での「Windows 8」使用禁止を中国が決定、その理由とは?

By Vernon Chan

Windows 8は高すぎる」としてWindows XPを使い続ける予定であることを明かしていた中国政府ですが、ついに政府のPCにWindows 8をインストールして使用することを禁止しました。

China bans use of Microsoft's Windows 8 on government computers | Reuters
http://www.reuters.com/article/2014/05/20/us-microsoft-china-idUSBREA4J07Q20140520


U.S. announces first charges against foreign country in connection with cyberspying - The Washington Post
http://www.washingtonpost.com/world/national-security/us-to-announce-first-criminal-charges-against-foreign-country-for-cyberspying/2014/05/19/586c9992-df45-11e3-810f-764fe508b82d_story.html


中国の中央政府調達局は、Windows 8のインストールされたPCの中国政府内での使用を禁止する通達をウェブサイト上で公開しました。中国の国営通信社である新華社通信は、中国政府がWindows 8の使用を禁止した裏には「サポートが完全終了したWindows XPは中国で広く使用されているOSであり、これのセキュリティ面を保証してもらう」という意図があるのではとしています。

しかし、中国政府が通達を出す1日前、アメリカ司法省が中国人民解放軍の「61398部隊」がアメリカ企業6社に対するハッキングや産業スパイ行為を行ったとして、部隊に所属する5人の将校を産業スパイなどの罪で起訴しています。

FBI ? Cyber’s Most Wanted
http://www.fbi.gov/wanted/cyber


人民解放軍によるハッキングを受けたとされるのは、アメリカ最大の製鋼業者であるU.S. Steel、アメリカ最大のアルミニウム製造業者Alcoa、原子力発電所メーカーのWestinghouse Electric、金属製造業者のAllegheny Technologies、オレゴン州ヒルズボロにて太陽光関連の製品を製造するSolarWorld、そして中国との貿易に反対する合衆国鉄鋼労働者組合という6つの企業・団体。これらの企業・団体からライバル企業に当たる中国国営企業に特に有利になるような情報を盗んでいった、とのこと。

By Daniel Patman

このことから、中国政府の行った「Windows 8使用禁止措置」はハッキング行為を告発されたことに対する一種の報復措置と考えられます。

Windows 8の使用禁止措置でとばっちりを受ける形となったMicrosoftは、「我々は中国政府のWindows 8に関する通達を知って非常に驚いています。Microsoftはこれまで中国の中央政府調達局やその他政府機関と良好な関係を築いてきました。今後も我々は中国政府にWindows 7を継続的に供給していくつもりですが、それと同時にWindows 8の評価を正しいものにするべく取り組んでいきます」という声明を出しています。

なお、長年の悩みの種となっていた中国政府とハッカーとのつながりをついに起訴したアメリカ政府ですが、5月に入ってからWi-Fiルーターなどのコンピューターネットワーク機器に盗聴用のツールを仕込んでいることを暴露されたばかりであり、一方的な被害者というわけではないという点に留意しておく必要があります。

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in ソフトウェア, Posted by logu_ii

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