オリンピックで使われたカメラの歴史がわかる「スポーツの感動を伝えたカメラと時代」
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ソチオリンピック開催中ということで、CP+2014の日本カメラ博物館ブースでは「スポーツの感動を伝えたカメラと時代」と題した展示企画が行われています。
ブース全景はこんな感じ
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いきなりドンと巨大な望遠レンズが現れました
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これは「タクマー 800mm F4」。旭光学工業(現:リコーイメージング)が製造したレンズで、60mm×70mmの画面が撮影できる大型望遠レンズ。
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隣の細長いヤツは「キヤノンレンズ 800mm F8」
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ミラーボックスを併用してピント調節と構図確認を行う方式の長焦点レンズだとのこと。
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いかにも「撃つぞ!」というスタイルのコレは名前もそのまま「フェド+KMZフォトスナイパーFS-2」、製造はキヤノンカメラ(現:キヤノン)。
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ガンタイプのレフレックスハウジングとストック、装着しているレンズは300mm F4.5。
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「ニコンF2+スピードマグニー」。高感度インスタントフィルムを使用し、大型画面を迅速に撮影することができます。日本経済新聞社が使っていたものを展示しており、撮影した画像はすぐに原稿に使われていたそうです。
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いきなりハトが出てきて、なんのことやらさっぱりですが……
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かつては伝書鳩の脚に取り付けた送管にフィルムや印画を入れて搬送していました。
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やがて電話線を通じて写真を「電送」することができるようになり、カメラマンは現場に撮影用機材とともに電送機を持ち込むことに。これは「AP LEAFAX 35」。
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このレンズはソビエト製(メーカー不明)の「MTO 100cm F10」。マクストフ望遠鏡の発明者であるドミトリー・マクストフが設計した反射望遠レンズで、西側諸国にも輸出されました。
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「ニッコール T 350mm F4.5」はゼンザブロニカS用の望遠レンズ。展示されているものは共同通信社が使用していたもの。
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「ニコンF2 250バックMF-1付」は長尺フィルムを装填することで250枚の撮影が可能になるモデルです。
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装着しているレンズは「ニッコール P オート 600mm F5.6」。東京オリンピックが開催された1964年製造のレンズで、ニコンFマウントの望遠レンズはこの年から一気に増加。
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全体を見るとこんな感じ。展示品は写真家の富山治夫さんが使用した品だとのこと。
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ニコンがオリンピックをきっかけに数多くの望遠レンズを出したように、カメラメーカーの中にはオリンピックに合わせた機種を出すところもありました。ここに並んでいるのはライカやキヤノンなどの「オリンピックモデル」。
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「オリンピック記念フィルム」なども作られました。
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これは「リコー オートショット 東京オリンピック ゴール判定記録カメラ」。
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名前にある通り、リコーが東京オリンピックの時にゴール判定用として製造したカメラです。
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オリンピックの各種目を撮影するにはスピードも必要、ということで生まれた「スピードカメラ」。左は1955年製造の「ペースメーカー スピードグラフィック」。愛称は「スピグラ」で、一般撮影だけではなく接写・複写まで1台でこなせたのでプレスカメラマンに好まれたそうです。右は1928年製造の「プレ・アニバーサリー スピードグラフィック」、スピグラの基礎型になったモデルです。メーカーはイーストマン・コダック。
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こういったカメラを作ってきたメーカーは合併・独立・事業停止などがあって、当時のメーカー名と今の名前が違ったりすることも多々ありますが、このブースの端にある「日本の主要カメラメーカー変遷」を見ると、どういう流れがあったのか一目瞭然。
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創業が古い順に並んでいるので、一番上は小西屋六兵衛店~コニカ~コニカミノルタの流れ。現在、コニカミノルタのカメラ事業はソニーが受け継いでいます。
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中段辺りにはニコン、パナソニック、リコーなどが登場。
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このあたりにキヤノンが登場。
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しかし、新しいといってもコシナやシグマも1960年代には誕生しており、安原製作所だけが飛び抜けて若い企業であることがわかります。
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このほか、著名カメラマンが撮影したオリンピックの写真なども展示されており、カメラとオリンピックの歴史を振り返ることのできるブースとなっていました。
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in 取材, ハードウェア, Posted by logc_nt
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