3分でコミュニケーションの大切さがわかるタイの感動ムービー「Giving」

無償で人助けを行い続けることは誰にでもできることではありません。1人の男性が見返りを求めずに、困っている人に小さな優しさを与え続けたことで、自分だけでなく家族の運命まで変えてしまうという、3分で人助けの大切さを描いたタイの感動ムービー「Giving」がYouTubeで公開されています。

ทรูมูฟ เอช " การให้ คือการสื่อสารที่ดีที่สุด " TrueMove H : Giving - YouTube


「こっちに来な！泥棒め！」と怒鳴られながら引っ張られてくる少年。

頭をはたかれながら、何を盗んだのか問い詰められています。

ポケットから出てきたのはいくつかの薬。

「こんなもん盗んでどうするつもりだい！答えな！」と頭を再度たたかれています。

少年は震える声で、「お母さんにあげようと……」と告白。

それでも怒りが収らない女性とのやりとりを見ていた1人の男性が仲裁に入ります。

男性は「お前のお母ちゃん、病気なのか？」と少年に尋ねます。

無言でこっくりとうなずく少年。

すると男性はポケットからお札を取り出して……

女性から薬を買い上げました。

「もうするんじゃないよ！」と帰って行く女性。少年はしょんぼりとしたまま動きません。

すると、男性は娘に向かって野菜スープを持ってくるように言いつけました。

「やれやれ」とあきれたようなの表情の娘。

袋に野菜スープをつめて持ってきました。

その袋に先ほどの薬も入れて、何も言わず少年に手渡します。

少年は、袋を奪うように受け取り……

そのまま走り去ってしまいました。

「30年後……」

時がたっても変わらずに食堂を切り盛りする男性。

すると娘が「パパ！」と来客を示したのは……

無言で両手を合わせる物乞い。

「お待ちどう！」と袋に食べ物をつめて渡してあげる男性。

深々と感謝して受け取りました。男性は30年たってもお人好しなままのようです。

「よし！次の注文だ！」と仕事に戻ります。

しかし、男性の様子に異変が起き……

突然その場に倒れ込んでしまいます。

飛び散る調味料の瓶。

娘は慌てて駆け寄りますが……

どうやら重い病にかかっていたようで、病院に運ばれても意識は戻りません。

どこかへ電話しながらも娘の顔には涙があふれます。

そんなところへ看護師さんから手渡されたのは……

治療に必要な医療費が、79万2000バーツ(約250万円)と書かれた請求書。

お店に戻り、医療費や、これからのことを考えますが、そんな大金を払える見込みはありません。

長年、父親と切り盛りしてきた食堂ですが……

手放してしまうことに。

しかし、泣き疲れてお父さんのそばで眠っていた娘が目を覚ますと……

何かの封筒が置かれていました。

開封して中身を確認。

中から出てきたのは、父の医療費が全額精算された請求書。

驚いた娘は、手紙をよく読んでみると……

「全ての費用は、30年前にいただいています」

あの時の光景がフラッシュバックし始めます。

「3本の痛み止めと……」

「袋につめてくれた野菜スープによって」と、書かれていました。

なんと、入院先の医師はあの時に父親が助けた少年だったのです。

彼は立派に大きくなって医師として活躍していました。

支払いのサインには医師の名前。

当時は薬を奪うように受け取って逃げ去ってしまいましたが……

受けた恩はひとときも忘れていませんでした。

ようやくあの時の恩返しを果たすことができたのです。

「Giving is best communication(与えることは、最高のコミュニケーション)」

見返りを求めずに人に優しさを与え続けた父親は、最終的に自分だけでなく、家族の運命を変えるほどの恩返しを受けることができた、というわけです。

なお、このムービーは、タイの携帯通信会社であるTrueMove H社が制作したCMとなっており、人と人とのコミュニケーションの大切さを伝える内容になっています。YouTubeで公開されてから3カ月ですが、世界中で反響を呼び、記事執筆時点で約1450万回再生されています。