ハードウェア

Bitcoinのマイニング施設に建物全体を使った水冷システムが登場


インターネット上の仮想通貨である「Bitcoin(ビットコイン)」では、専用プログラムを使って「マイニング」を行うことで新たなコインを"採掘"できるため、マシンスペックを高めてできるだけ多くのビットコインを採掘する状況はまさに軍拡競争と言っても差し支えないレベルに達しています。そんなBitcoinマイニングの最先端は、もはや素人がお遊びで参入する次元のものではなくなっています。

Visit of ASICMINER's Immersion Cooling Mining Facility
https://bitcointalk.org/index.php?PHPSESSID=fbvnjss0tjorsv8rda728g0vn2&topic=346134.0;all

こちらはXiaogang Caoさん。中国版クラウドファンディングサイトのDreamChinaを運営しており、今回は特別にビットコイン専用のハードウェアを開発するASICMiner社のCEOであるFriedcat氏から、同社の設備への取材を許可されたとのこと。


マシンルーム内はこんな感じ。マシンラックが並んでいるのは通常のルームとあまり違いがありませんが、よく見るとラックは上下に3分割され、それぞれに乳白色をした箱状のものが収められていることがわかります。


実はこの箱は水槽になっており、ビットコイン専用の基板が高速でマイニング演算を行う際に発生する熱を冷却水で液体冷却するタンクになっています。


こちらがタンク内に沈められるボードの例。1つのタンクごとに、専用のASICチップを搭載したBlade Erupter Bladeを92枚搭載したユニットが収められます。この「Blade Erupter Blade」の処理能力は1枚あたり約12.8GH/s(1秒あたり12ギガハッシュ)なので、ユニット1台では約1.18TH/sとなります。


タンクに収まった姿がこちら。各ボードが連結用のケーブルでつながれています。


タンクには3M社製の冷却水が使われています。非常に高価な冷却水が使われており、水温はほぼ37度で一定しているとのこと。


ボードのあいだからは、熱によって発生した泡が浮かんできています。


各ラックには冷却水を供給する配管がめぐらされ、さながら工場か研究施設のような風景です。水冷化されているために、稼働音は非常に少なくて静かとのこと。ラック1本あたりの重量は200kgに達しています。


建物の屋上には、こちらも専用の冷却設備まで据え付けられているという大規模なもの。この設備は香港の工業地帯の一角に存在しているもので、今年8月から11月頃にかけて建設されたそうです。


このシステムは今でも開発が続けられており、将来的には移動式のものにも転向が可能とのこと。トラックに載せて移動させ、電源とネットワークに接続するだけで稼働できるシステム化が考えられており、寒冷地においては発熱を利用して暖房にも使えるという斜め上な使い方も想定されているそうです。

このように、ビットコイン発掘に関して言えばもはや素人が軽い気持ちで始めても到底追いつけないレベルにまで達している現状がよくわかります。流通可能なビットコインの総量は2100万枚と定められており、2013年11月末時点で発掘されたコインの枚数は約1200万枚。残りが少なくなるにつれ発掘のハードルは上がるシステムになっているため、残された約900万枚のビットコイン発掘競争はさらに勢いを増し、ハードウェアに求められる性能も増加の一途をたどることは想像に難くない状況です。

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in ネットサービス,   ハードウェア, Posted by darkhorse_log

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