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オンライン暗殺マーケットでのオバマ大統領の懸賞金はBitcoin40枚

By David

乱高下を繰り返しながら史上最高値を更新し続ける仮想通貨「Bitcoin(ビットコイン)」は、さまざまなオンラインサイトでの決済ツールとして急速に普及し仮想通貨の代名詞となりつつあります。そんなビットコインは、高い匿名性を持つことから違法薬物売買サイトで活発に利用されるなど、アングラサイトでの使用率が高いと指摘されていますが、闇の「オンライン暗殺マーケット」でも流通通貨として幅をきかせているようです。

Meet The 'Assassination Market' Creator Who's Crowdfunding Murder With Bitcoins - Forbes
http://www.forbes.com/sites/andygreenberg/2013/11/18/meet-the-assassination-market-creator-whos-crowdfunding-murder-with-bitcoins/

Fox, Chernin Set Dennis Lehane To Adapt 'Silk Road' - Deadline.com
http://www.deadline.com/2013/10/fox-sets-dennis-lehane-to-adapt-silk-road/

Forbesのアンディ・グリーンバーグ記者は、匿名で寄せられたメールでオンライン暗殺マーケットの存在を知ることになりました。この暗殺マーケットでは、政府高官の首に懸賞金がかけられており、暗殺を支持するサイト閲覧者は、匿名でビットコインを寄付することができ、実際に寄付期限内に暗殺が実行された場合には暗殺者の元に懸賞金のビットコインが送金されるという仕組みで、さながら暗殺のクラウドファンディングサイトといった感じです。

グリーンバーグ記者がメールのやりとりを行ったのは「Kuwabata Sanjuro」と名乗る謎の人物で、暗殺マーケットの管理を行っているとのこと。「Kuwabata Sanjuro」というネーミングは黒澤明監督の映画「用心棒」で三船敏郎演じる主人公「桑畑三十郎」からとったもので、ビットコインを発明した「中本哲史」なる謎の人物に敬意を表する意味も込められているということです。

By Jon k Artetxe

暗殺マーケットでは、暗殺対象はサイト利用者によって設定されており、現在、バラク・オバマアメリカ大統領や連邦準備制度理事会(FRB)のベン・バーナンキ議長を含む6人がターゲットにされています。なお、懸賞金として集まった額は、アメリカ国家安全保障局(NSA)のキース・アレキサンダー行政官が10BTC(ビットコイン10枚)、オバマ大統領が40BTCで、最高額はバーナンキ議長の124.14BTCとなっています。


Sanjuroによると、賞金首を狙うヒットマンは、暗殺を実行する日を設定し事前にサイトに宣告することで「死の日付」が刻印されたハッシュの発行を受けることができ、実際にターゲットの暗殺が遂行された後にハッシュをサイトに提出し宣告との同一性が確認されると、懸賞金として集められたビットコインが送金されるという仕組みであり、Sanjuroは懸賞金の1%を手数料として徴収するということです。

暗殺マーケットは、匿名性の高いTorネットワークで運営されており、管理者であるSanjuroはもちろん、暗殺プロジェクトに出資するユーザーや暗殺者が特定されるのを防いでいます。そして、Sanjuroによると、自身・出資者・暗殺者を保護すべく匿名性を追求した結果、懸賞金としてはビットコイン以外の他の通貨を用いる気はないそうです。

By Antana

暗殺市場の概念はSanjuroが初めて考案したものではなく、1990年代中頃のCypherpunk(サイファーパンク)運動での発案に遡ることができます。サイファーパンクでは、公権力を弱体化させ個人に力を与える暗号化ツールの未来像が描かれており、元インテルのエンジニアでサイファーパンク・メーリングリストの創立者であるティム・メイ氏は、1992年に公開した「The Crypto Anarchist Manifesto」の中で、「解読不能な暗号メッセージと追跡不可能なデジタル通貨の登場により、暗殺市場が実現する」と記していましたが、その暗号メッセージとしてTorが、デジタル通貨としてビットコインがそれぞれ出現し暗殺市場の土壌が整うことに。また、同じく元インテル・エンジニアのジム・ベル氏はメイ氏の予言から数年後、「暗号化された匿名の寄付金を通じて暗殺プロジェクトに出資するシステム」をエッセイの中に記しており、Sanjuroは、20年の時を経てサイファーパンクによって提案された暗殺市場構想を実現させたというわけです。

Sanjuroの暗殺マーケット以外にも、匿名性の極めて高い仮想通貨ビットコインを使って殺人を請負うサイトはこれまでも存在しました。例えば、違法薬物の売買サイトとして知られ2013年にアメリカ連邦捜査局(FBI)によって閉鎖されたシルクロードでは、薬物以外にも殺人依頼に対してビットコインが支払われるといった取引があり、実際にシルクロードで依頼を受けて殺人を実行した少年をモデルとした映画が、人気作家のデニス・レハーン氏の脚本で20世紀FOXにより製作される予定です。

By cenz

グリーンバーグ記者とのメールでのやりとりの中で、Sanjuroは、暗殺マーケットの創設は、元CIA職員のエドワード・スノーデン氏が暴露したNSAによる通信傍受の実態報道がきっかけであったことを明らかにした上で、「私は質素な生活ながら快適に毎日暮らしていますが、個人のプライバシーに対する攻撃だけが唯一、真に私を痛めつけるものです。プライバシーはお金では買えません。ですから私にはお金は必要ではありません。私が望んでいるのは、暗殺プロジェクトの成功であり政治家の死です」と語ったとのことです。なお、グリーンバーグ記者は、オバマ大統領の護衛を務めるシークレットサービスやFBIに、暗殺マーケットに対する調査を行っているかを尋ねたところ、いずれの機関もコメントを拒否したということです。

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in メモ, Posted by darkhorse_log

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