ムービー

アクション・カメラの代名詞「GoPro」誕生秘話が創業者へのインタビュー映像で明らかに


断崖絶壁をムササビのように飛び回るムービーやアウディRS6アバントとパルクールの名手による対決シーン、そしてマルチコプターによるナイアガラの滝の空撮シーン子猫を火災から救出して蘇生するシーンを収めたムービーなど、以前では実現が難しかったシーンを撮影できるようになったのは、小型で高画質なムービーを撮影できるGoProなどのアクションカメラの登場によるものが大きいといえます。そんなGoProを開発したアメリカ人、ニック・ウッドマンさんがGoPro誕生からその理想を語ったムービーが公開されています。

GoPro's video revolution - 60 Minutes - CBS News
http://www.cbsnews.com/video/watch/?id=50158867n


こちらがGoPro社のCEOであるニック・ウッドマンさん。サーファーでもあるウッドマンさんは12年前の2001年、波に乗る様子を捉えるために防水型のムービーカメラを開発しました。「GoPro」と名付けられたカメラは世界的大ヒットを記録し、ウッドマンさんは大成功を収めました。


ヘルメットにGoProを装着してアルプスの山岳を滑り降りるスキーヤー。斜面を滑降するその次には……


崖から飛び出し、空中を舞います。


「あの崖の上から降りてきたんだぜ!」とテンション上がりまくりのプロスキーヤー、Matthias Giraudさん。


単体で録画することが可能なGoProはどこにでも取り付けることができるので……


海の中、波のチューブの中、そして雪山や空中であろうと、場所を選ばずムービーを撮ることができるのです。


「GoProは、サーファーが自分たちの写真やムービーを撮るためのものとして開発しました。いい画が撮れるとまるでプロのように見えるので、そこから『GoPro(プロになる)』という名前を付けることにしました」とウッドマンさんは語ります。「まだGoProが無かったころ、自分のアクティビティを記録して残すためには、カメラ本体とそれを操作する人が必要でした。そして作品の質を上げるためには、より高い技術を持ったオペレーターが必要だったのです。結果として、自分の記録を残せた人はほとんどいませんでした」


GoProの登場で、すべてが変わりました。サメと泳ぐ姿やカヤック、変わったところではフラフープに装着したり、野生の動物と一緒に空を飛ばすといった使い方が可能になったのです。


広角レンズを装着しているGoProはHDムービー撮影以外にも、写真撮影、タイムラプス動画、スーパースロームービーの撮影などもこなします。


2012年には、138人のスカイダイバーが集まって、ある記録に挑戦しました。


体を垂直にしたまま落下する「ヴァーティカル・スカイダイビング」と呼ばれる、一風変わったダイビング世界記録への挑戦を記録したのもGoProでした。


フィラデルフィアに住むバイクメッセンジャーは自転車にGoProを取り付け、ネコの「助手」と一緒に配達する姿を撮影したりしています。


想定外とも言えるさまざまな使いかたを目にして、ウッドマンさんは「いまだに、思いもしなかったGoProの使われ方に驚かされることがあります。イギリスのティーンエイジャーだったジェイムズ・トロッシュ君が気球にオモチャのロボットとGoProを取り付け、高度約3万メートルまで飛ばしたYouTube動画を見た時には、思わず『これだよ!』と声にだしてしまいました」と興奮して語ります。


2002年に26歳という若さでGoProをスタートしたウッドマンさん。実はそのときすでに、事業での失敗を経験していました。24歳の時に400万ドル(当時のレートで約5億円)の資金を集めてオンラインゲーム・ベンチャー企業「funBug.com」を起業したものの、わずか2年で廃業していたのです。その時の経験から、GoProを立ち上げた際には自分の貯金と家族から借り入れた26万ドル(当時のレートで約3000万円)だけを元手に会社をスタートさせました。


最初のモデルは、手首に装着する防水タイプのフィルム式カメラでした。


自分でワゴンを運転し、カリフォルニアのサーフショップに営業に出かけたりもしました。


その後、小型化に成功したデジタル式のGoProが開発されていきました。このときはまだ手首に装着するタイプのままです。


売上は好調で、レーシングカースクールに通う余裕すら生まれたウッドマンさん、そこでは新しいGoProの使い道を知ることになりました。


自分のドライビングを研究するための車載カメラをレンタルする費用は30分で約1万円という高額なもの。これに驚いたウッドマンさんは、GoProのリストバンドを外してレーシングカーの車体に直接装着しました。周りの受講生からの「どこで売ってるんだ?」という質問に対し、「僕が作ったんだよ!」と答えた時のことをよく覚えているそうです。


セッション後に撮影したムービーを見て、ウッドマンさんは「これはすごい、GoProにはこんな使い方もあるのか」と大きなひらめきを得ることに。


「手首カメラ」の会社から「どこでもカメラ」の会社になったGoPro社。子供やペットを撮影するユーザーも増え、誰にでも楽しめるムービー撮影に使われるようになっていきました。


それでもGoProの本当の役目は、スポーツアクションのムービー撮影から変わりありません。GoPro社はアスリートをスポンサーすることで、自社ブランドをプロモーションしていきました。


ベースジャンパーのジェブ・コーリスさんもGoProからスポンサーを受ける一人です。ジャンプを行う際にはGoProのカメラを装着してその様子を記録しています。


プロサーファーのケリー・スレーターさんもその一人。カメラのテクニックにも優れているスレーターさんにより、サーフィンビデオのクオリティは格段の進化を遂げることになりました。


「サーフィンをする人なら誰でもケリー・スレーターのようにライドしたいと思うものです。ケリーはGoProを口にくわえたまま沖まで出ていき、波をキャッチすると同時に手に持ち替えて自分のライドをムービーに収めてくれます」


「見たこともないような映像を見て、ファンはまるで自分がケリー・スレーターと一緒にチューブの中をライドしている気持ちになれるのです」


このような戦略のおかげで、GoProの売り上げは増加の一途をたどりました。2005年には35万ドル(当時のレートで約4200万円)だった売り上げは、2012年には5億ドル(約500億円)にまで達しました。2013年度も10億ドル(約1000億円)に達するペースで売り上げは伸びています。


「成長が速すぎて恐ろしくなったことは?」という質問に対し、ウッドマンさんは「今ではそのようなことはありません」と答えます。「普通なら好調な売り上げに浮かれてしまうような時でも、私は『準備ができていないうちに成功すると、ビジネスはダメになる』という言葉の意味を胸に、常に用心深くやってきました」


その例の一つが、2012年に発売されたモデル「GoPro HERO3」でした。

Amazon.co.jp: 【GoPro NIPPON国内正規品】 GoPro HERO3 ブラックエディション アドベンチャー CHDHX-301-JP: 家電・カメラ
http://www.amazon.co.jp/dp/B00BETADH6


ユーザーから「録画が途中でストップすることがある」という声が寄せられたのです。すぐに会社を挙げてトラブル対応にあたりました。「発売の段階ではソフトウェアに小さな問題が残ったまま出荷されてしまい、私たちもそれに気がついていなかったのです」積極的に対応に当たったおかげで、商品はすぐに改善されました。


GoProは、なんでも撮影して記録しないと気が済まない世代にとってはパーフェクトなカメラと言えるでしょう。メキシコにサーフィン旅行に出かけるウッドマンさん一行の姿です。かつての移動手段だったワゴン車は、いまやプライベートジェット機に変わりました。


旅の目的は、GoProの初期から一緒に働いてきた仲間たちとの遊びですが、新型カメラのテストを兼ねています。「実際のシチュエーションで使ってみないことには、問題をあぶり出すことはできません」と語るウッドマンさん。


GoProの特徴は、アマチュアとプロの両方が使える装置だということです。番組「60ミニッツ」でも、ポロのスティックに装着するという普通はあり得ない方法での撮影に使われたりしています。


世界中でGoProが使われているということは、それだけハプニングに遭遇する機会も多くなるということを意味しています。GoProを盗んだカモメが撮影したカンヌの空撮ムービーなど、非常に珍しいムービーが撮影されています。


また、バイクの列にSUV車が突っ込むというハプニングの瞬間を押さえたケースもありました。このときは、ヘルメットの上につけたカメラが事件の一部始終を記録していました。


自然の貴重な姿を収めることにもGoProは役立っています。カリフォルニアで海洋学の研究を行っているScripps Institution of Oceanographyは、映像を撮影するのにGoProを使用しています。


約4万円で市販されているGoProが、専用に開発された約3500万円の調査用ロボットに取り付けられて海に潜っていきます。


調査ロボットはHD画質で海底の様子を長時間にわたって撮影できるので、より広い範囲での調査を行うことが可能になったそうです。


また、小型・軽量のGoProは、クアッドコプターにカメラを取り付けて行う空撮を身近なものにしてくれました。


従来なら多額の予算が必要だった撮影が、工夫次第で10万円以下の予算で実現可能になったのです。


2012年8月には、カリフォルニアでマグロ釣りを楽しんでいた人が偶然撮影したムービーが話題になりました。


水の中の様子を探るためにGoProを海に沈めて撮影したところ、ボートと一緒に泳ぐイルカの姿が収められていたのです。これは撮影のプロによる作品ではなく、一般の釣り人が偶然撮影した光景なのです。後にこのムービーは、GoPro社のCMの素材として使われることになりました。


これが実際のムービー。

GoPro: Swimming with Dolphins TV Commercial - YouTube


「このように使われているGoProを見てとてもワクワクする」と語るウッドマンさん。それに対し、インタビュアーのクーパー氏は「これまでに、あなたのように『ワクワクする』という言葉を使うCEOは見たことがない」とツッコみます。


それに対し、ウッドマンさんは「みんな、自分自身に正直であるべきだと思うし、そうやって自分たちらしくやってきたのが現在のGoProの姿なのです。だから、今のところそれを変える理由はありませんね」と答えました。


世界一多彩なカメラ」と銘打たれたGoProですが、11月には最新モデルとなる「GoPro HERO3+」が発売される予定になっています。

GoPro NIPPON [GoProマスターディストリビューター(日本総代理店)]|ニュース
http://gopro-nippon.com/news/2013/1001_h3plus/


前モデルよりも20%の軽量化、連続撮影時間が25%アップされている新型には、ハイエンドモデルとなる「HERO3+ ブラックエディション」(4万3050円・税込)と通常モデルの「HERO3+ シルバーエディション」(3万3600円・税込)が用意されています。

これからもスポーツの瞬間から日常の一場面まで、貴重な見たこともない瞬間を収めるツールとして役立っていくはずです。

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
「GoPro Hero3」を分解したフォトレポート公開、4K画質の秘密はこんな感じ - GIGAZINE

GoProとクアッドコプターで砂漠に出現した架空都市ブラック・ロック・シティを上空から見るとこんな感じ - GIGAZINE

GoProシリーズを大量に揃えてバレットタイム撮影を実現 - GIGAZINE

ワシの視点で見たアルプスの氷河を実感できるムービーが再生回数300万回突破 - GIGAZINE

「軍艦島」をマルチコプター+ソニー製アクションカメラで縦横無尽に飛び回るとこう見える - GIGAZINE

マルチコプターを自由自在に動かしてナイアガラの滝を空撮するとこう見える - GIGAZINE

in ハードウェア,   動画, Posted by darkhorse_log

You can read the machine translated English article here.