わずか15cmの物体を高度6000mから撮影できる高解像度の監視カメラ「ARGUS-IS」
アメリカの国防高等研究計画局(DARPA)が開発した高度6000mからわずか15cmほどの物体を認識できる1.8ギガピクセル監視カメラが「ARGUS-IS」。一度に捉えることができる範囲は25.9平方kmで、リアルタイムで配信される映像を自由にズームインし、動きのある物体をトラッキングすることも可能です。
DARPA shows off 1.8-gigapixel surveillance drone, can spot a terrorist from 20,000 feet | ExtremeTech
ムービーは以下から見ることが可能です。
1.8 gigapixel ARGUS-IS. World's highest resolution video surveillance platform by DARPA - YouTube
こちらはBAEシステムズのYIANNIS ANTONIADESさん。
ARGUS-ISは2010年の2月にUH-60 ブラックホークを使ったテスト飛行が成功していましたが、新たに詳細な情報が公開されました。
ARGUS-ISによって捉えられた映像は以下のような感じ。
アメリカのサイエンス番組Novaで公開された情報によると、ARGUS-ISは高度6000mから6インチ(約15cm)の物体が確認可能で、スクリーンに以下のような感じで表示されます。
ARGUS-ISは毎秒600ギガバイトの情報を生成し、リアルタイムで映像を地上に届けます。Persisticsというシステムを使用しており、映像の一部分を拡大することも可能。
別ウィンドウとして拡大された映像が表示されます。
動いている物体はカラーボックスでトラッキングされます。
これは高度約5330mから撮影したものですが、男性が腕を大きく広げている様子までしっかり確認可能です。
1度に最大65個のウィンドウを開くことができます。
コストダウンを図るため、ARGUS-ISは携帯電話に使われているカメラを使用。ANTONIADESさんが携帯電話を分解しはじめました。
取り出したカメラがこちら。ARGUS-ISのセンサーは4つのレンズと携帯電話に使われているこのような500万画素のカメラ368個のカメラを使用しています。
ARGUS-ISはプレデターなどの無人航空機に取り付けられる予定。
携帯電話のカメラ368個を1つにすることで、25.9平方kmの範囲を1.8ギガピクセルで撮影するカメラが完成するのです。
もともとARGUSはアフガニスタンで展開させる予定で作られたのですが、その目標は達成させられることなく、現在のところ将来的な用途は明らかではないとのことです。
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