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「いじくるつくーる」作者がウイルスバスターのブロックに激怒、トレンドマイクロが対応するまで更新停止を決定

By JSmith Photo

4月~5月に最初に発生したウイルスバスターが「いじくるつくーる」のダウンロードを誤検知してブロックする問題について、「オンライン詐欺に関係している」と警告メッセージを出される側となったINASOFTの矢吹拓也さんはトレンドマイクロと再発防止策について話し合いを続けてきましたが、提案された再発防止策は矢吹さんが継続的出費を求められるものであり、しかも解除されたはずのブロックが7月8日に再発。もはや開発のモチベーションを保てないということで、「いじくるつくーる」と「すっきり!!デフラグ」の2ソフトについて、更新停止宣言が出されました。

INASOFT
http://www.inasoft.org/

「いじくるつくーる」と「すっきり!! デフラグ」の当面の更新停止について



この件については、矢吹さん自身がページで発生当初からの経緯をまとめています。最初にウイルスバスターで「いじくるつくーる」のダウンロードをしようとするとブロックされるという内容が報告されたのは5月のこと。実際にブロックがいつから発生していたのかは不明ですが、矢吹さんはこれを誤検知だとトレンドマイクロに通知、5月中旬に一度ブロックは全解除されます。

しかし、5月末に「いじくるつくーる ver.7.73.09」を公開したところ、ブロックが再発。二度目の誤検知であったことから、矢吹さんはトレンドマイクロに対してこういったことが二度と起こらないようにして欲しいと対応を依頼しました。矢吹さんとトレンドマイクロは6月28日に直接話し合い、30日に公開可能な形での文章がまとめられました。これによると、

原因について…今回、誤検知の発生したブロックのアルゴリズムは、通常の検索(パターンファイルによるもの)と異なり、より積極的な(通常の検索とは異なる)検出技術を利用し、調査・判定を自動判定している。今回、この積極的な検出技術により、誤ってブロックされる現象が発生してしまった。
再発防止策について…クローリング活動の検出技術の強化、精度向上を図り、同じような問題が発生しないよう取り組む。また、プログラム公開前に弊社で確認をし、正規ファイルに対する誤判定の発生を未然に防ぐよう取り組んでいく。

ということで、積極検出によって誤検出・ブロックが行われたということだったようです。

ところが、この再発防止策というのは、矢吹さんが今後継続的に出費・手間がかかるものであったため受け入れられず、トレンドマイクロに再考を依頼。そうこうしている間の7月8日にダウンロードブロックが再発。この状況とソフトの更新停止について、以下のように記しています。
「いじくるつくーる」と「すっきり!! デフラグ」の更新の停止について - INASOFT 管理人のひとこと

今の心情は、ストーカーがナイフを持って、後ろからついてきているような状態です。過去に、もう、何回かそのナイフで刺されていますが、一昨日もそれで刺されました。
次はいつ刺されるんでしょう。とても怖いです。
この怖い状態を維持したまま、当該ソフトの更新なんて、とてもできる状態ではありません。
(中略)
追記 7/10 朝】
現時点では、
http://park21.wakwak.com/~ayacy/inasoft/dls/sdfr4.78.15_setup.exe
のブロックが解決していないことを確認しています。
また、さらに
http://www.inasoft.org/dls/sdfr4.78.15_setup.exe
がブロックされるようになってしまいました。
解決されるどころか、状況が悪化しています。
トレンドマイクロ社へは、状況解決を進める努力をしているのか、再度問い合わせています。


実際に、現在もブロックされているということを矢吹さん自身がスクリーンショットをアップロードして証明しています。以下2枚はそれぞれ別のURLですが、いずれも「オンライン詐欺に関係していることが確認されています」ということでブロックされています。


状況が悪化したことに、矢吹さんは「本件の解決への誠意が全く見られないことに怒りを感じる。」と記しています。

ブロックを一度解除したのにまたブロックしているというのは、「誤って」ではない、なんらかの原因があるはずなのですが、わずか2ヶ月ほどの間に何度も発生しながらいまだに原因が不明というところが恐ろしいところ……。

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in ソフトウェア, Posted by logc_nt

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