芸術家を目指す少女の葛藤を描いた幻想的な漫画「BORN LIKE AN ARTIST」
作品を投稿し議論を行う芸術家のためのコミュニティサイト「deviantART」では、毎年コミュニティ参加者による漫画コンテスト「Yuumei-Contest」が行われています。
2011年のお題は「Like an artist」。お題に沿って自由に漫画作品を描き、サイトに投稿することでエントリーできます。下に掲載するのは、2011年のコンテスト優勝作品「BORN LIKE AN ARTIST」です。
JellyVampire on deviantART
http://www.jellyvampire.deviantart.com/
物語は、おもちゃで遊んでいた少女に、一枚の紙とクレヨンが渡されるところから始まります。
絵を描く少女に一匹の動物が近づいてきます。「君は誰?」と聞く少女。
「僕は君の芸術的な魂が形になったものだよ」
少女は素直に動物を受け入れ、絵を描き続けます。
場面は変わり、少女が友達の横で絵を描いています。「いいね、それ!」と褒められて、絵を描くことの喜びをまたひとつ知る少女。
絵を描いていると、母親らしき大人の女性から「芸術家になりたいの?」と聞かれ、「分からない。多分そうなんじゃないかな?」と答えます。
女性は「芸術家になるのはとても大変なの。才能だけじゃなく、運も必要。だから、違う道も考えておくべきでしょうね」と、厳しい言葉を投げかけます。
悩む少女にあの動物が語りかけます。
「彼女は正しいよ」
「たしかに芸術家になるのは大変だ。でも、それは努力するのをやめろってことじゃない」
それに少女は「いえ、やめるべきだわ。私が芸術家になるなんて無理だもの。数百万もの人が同じ夢を抱いていて、私の技術なんて成功には遠く及ばないもの」と答えます。
「多くの人達の中から飛び抜けるにはどうしたらいいの?」と自問する少女。
「秘密を教えてあげる」
そして漫画の枠の中から連れ出される少女。「ここに描けばいいよ」と動物が促します。
そして自由に描き始める少女。
しかし成長した少女は再び壁にぶつかり、動物が「今度はどうしたの?」と問いかけます。
「分からない……。ただ、何の意味も無いように感じるの。絵を描くことに」
「私の技術の限界を感じるわ」
そんな少女に動物は「いいものを見せてあげる」と答えます。
「僕の背中に乗って」
「しっかりつかまっていて」
すると動物に翼が生え、地面から飛び立っていきました。
「下を見ちゃダメだよ」
「何か見えるかい?」
「限界の無い世界が見える」と答える少女。そして作品は「BLOOM LIKE AN ARTIST(芸術家としての開花)」という言葉で結ばれます。
作者のJellyVampireさんは、「この作品の制作はとっても楽しかったです。私はいつも、どちらかと言えばユーモラスな方向からアプローチする方法を選ぶのですが、この作品は違って、シリアスなものを選んでみました」と語っています。
JellyVampireさんの他の作品は、下のアカウントから見ることができます。
JellyVampire on deviantART
また、「Yuumei-Conntest」の他の入賞作品については、下のアカウントから見ることができます。
#Yuumei-Fan-Base Blog on deviantART: Winners of the Like an Artist Contest!
・関連記事
20歳の青年が鉛筆とスケッチブックで描く凄まじいクオリティの立体画の世界 - GIGAZINE
ミキサーとくだものたちの悲しい出会いと別れを描いた5コマ漫画 - GIGAZINE
ピカソやゴッホなど、著名なアーティストの作風を全裸のモデルで再現 - GIGAZINE
写真と見分けがつかない狼の絵を独学で描く女性アーティスト - GIGAZINE
部屋作りの参考になるかもしれない、著名なアーティストたちの個性がにじみ出ている自宅の写真集 - GIGAZINE
・関連コンテンツ