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カプコンの謎のサイト「カプペディア」の真意をカプコンの担当者に聞いてみた


2011年度には5本ものミリオンタイトルを叩き出し、世界展開を順調に進めて勢いに乗るカプコンが、エフェクトデザイナーの募集を開始しました。

カプコンでは、エフェクトデザイナーのほか、プロデューサーなど各種職種も募集していますが、今回の募集ではなぜかエフェクトデザイナーだけ別に「カプペディア」というかなり変わった特設ページが設けられています。この特設ページには一体どんな意図があるのか、カプコンの担当者に聞いてみました。

株式会社カプコン:カプペディア フリー百科事典|未確認発光体
http://effect-hakken.capcom.co.jp/



エフェクトデザイナー募集の特設サイト「カプペディア」は、Web百科事典のウィキペディアを模したデザインで、「未確認発光体」と呼ばれる存在について様々な情報が掲載されています。


下のムービーは「カプペディア」冒頭に掲載されている映像。「未確認発光体」を目撃した女性にインタビューをするという内容です。

CAP NEWS SPECIAL REPORT_1 - YouTube


レポ―ターが登場し、不思議な現象に出会った人にインタビューするという、海外のニュース風の構成。


未確認発光物体を目撃したというHimawari Toumaさん。


「未確認飛行物体」について語ったのち、突然日本語で「ウソヤナイカラ」と言い放ち、インタビューが終わります。


「NO EFFECT NO GAME」「NEEDS EFFECT DESIGNER」と、エフェクトデザイナーを募集している告知が入ります。


映像はもうひとつ掲載されており、こちらでは関西弁の外国人男性が「未確認発光物体」について語っています。

CAP NEWS SPECIAL REPORT_2 - YouTube


レポーター背後の山ではなぜか巨大な爆発が起こっています。


「ここだけの話なんやけど、ホンマにすごい」としゃべっていますが、字幕は「私は1980年代の後半より、その爆発に似たような物体を見始めたのですが」となっています。


「誰にも言わんといて、怒られるから」


「ホンマにいいもんができてるから、見といたほうがいい」


「ウソヤナイカラ」と言って、インタビューは終わります。


さらにカプペディアでは、これまでに目撃された「未確認発光物体」を掲載しています。これは1996年から97年に確認されたもの。「血しぶき型-I」には見覚えがある人も多いのではないでしょうか。


こちらは2005年に確認されたもの。ハードの進化による発展が見られます。


2006年のものは、数々のゲーム大賞を受賞した名作を思い出させます。


最近の発見事例では、2010年頃から「基礎となるエンジンが進化したため」様々な形状の発光体が発見されているようです。


カプコンの歴史の分だけ未確認発光体の歴史もあり、どの未確認発光体がどのタイトルに出現するかは明示されていませんが、見ただけでどれがどのタイトルのものかすべて分かる人はかなりのカプコンファンと思われます。


一見すると採用のためのサイトとは思えないような内容になっているカプペディアですが、どうしてこの特設サイトを作るに至ったのか、今回のエフェクトデザイナー募集の担当者にその意図を聞いてみました。

◆特設サイトについて

GIGAZINE(以下、G):
現在、カプコンでは様々な開発職の募集を行っていますが、エフェクト・デザイナーの募集について「カプペディア」という特設サイトを設け、あえてほかの職種と違う形態を取っているのはなぜなのでしょうか。

カプコン エフェクトデザイナー募集担当(以下、担当):
エフェクトに特化したデザイナーというのは、かなりニッチな分野の職種です。もともとその技術を持った人の絶対数が少ないのに加えて、ほかの募集と同じような形では、そもそもゲーム業界の求人を探している人にしかリーチしない可能性が高いと考えました。

今回は、むしろゲームとまったく関わりの無い、例えば映画でVFXを扱ってきたような人たちにも、ゲームの現場に来て欲しいと考えています。そのために、話題を作って、普段ゲームの求人を見ない人にも知ってもらいたいという想いから、通常の募集とは少し違った方法を採っています。

G:
カプペディア冒頭のCAP NEWSに登場する人たちは、カプコンの開発の人たちなのでしょうか?

担当:
ローカライズ担当で、日本語の分かるスタッフに出演してもらいました。

G:
サイトURLや映像の中にも登場する「ウソヤナイカラ」というフレーズには、どんな意味があるのでしょうか?

担当:
字幕と実際にしゃべっていることが違って、スタッフが実際に話していることの中身は、カプコンの開発環境や、エフェクトの制作物がスゴイということなんです。開発環境や作ったエフェクトがスゴイというのは「ウソじゃない」という意味で、「ウソヤナイカラ」と言っています。

◆エフェクトデザインについて


G:
カプペディアには1984年ころの作品のエフェクトも紹介されていますが、ファミコン時代からエフェクトのデザインを専門に行う人というのは存在したのでしょうか。

担当:
ファミコンのころは兼業で作成されることが多かったようです。しかし、現在ではエフェクトを作る技術も専門化が進み、ある程度映像のスキルを持った人間でなくては開発できないようになっています。

下のムービーは、1988年発売のファミコン用ソフト「ロックマン2」のエアーマンステージ。ファミコン時代のエフェクトは、数枚の絵を組み合わせて作られており、デザインも他の部分のデザイナーが兼業していたようです。

ロックマン2「エアーマン」 - YouTube


そして下のムービーは、1994年のスーパーファミコン用ソフト「ロックマンX2」のカウンターハンターステージ。ロックマンのチャージショットは威力の高さが体感できるエフェクトで、爆発の表現も大幅に変わっています。

ロックマンX2 カウンターハンターステージ1 - YouTube


G:
現在のカプコン社内には、エフェクトデザインを専門に担当する人がいるのですか?

担当:
もちろんいます。ただ、現在開発しているタイトル数との比率で言うと、引く手あまたという状態なので、今回新たに募集という形になりました。

G:
カプペディアの「最近の発見事例」では、「基礎となるエンジンが進化した」と書かれていますが、これはカプコンの自社製ゲームエンジン「MTフレームワーク 2.0」の登場によるものということですか?

担当:
ええ、「MTフレームワーク 2.0」の時期と重なります。タイトルとしては「ロストプラネット2」の時期です。

G:
ゲーム開発におけるゲームエンジンの重要性について、近年注目されつつありますが、まだ一般ユーザーには具体的に「ゲームエンジンがあると何ができるのか」が伝わっていないように思われます。例えばエフェクトのデザインで言うと、ゲームエンジンを利用することで、どんなメリットが得られるのでしょうか。

担当:
ゲームの開発には、どんなタイトルであっても必ず必要になる共通した部分があります。ゲームエンジンが使われるようになるまでは、新しいタイトルを作るたびにそこもイチから作り直していました。ゲームエンジンでは、そこをあらかじめ共通のものとして作っておき、開発の効率を高めています。

エフェクトの制作で言うと、ユーザーとしてプレイしているだけだと見えて来ない部分ですが、ゲームエンジンの進化によって、ゲームの画面で実際にエフェクトを動かしながら調整することが出来るようになりました。

これは実はかなり大きな進化なんです。以前は敵を配置するにも、敵を配置するためのプログラムが必要で、プレイして少ないと思ったら、一度開発に持ち帰って増やす、という手順が必要でした。エフェクトでも、まずエフェクト自体を何も無いところで作り、それを実際の画面に被せてみる、という手順を繰り返して作っていました。これが現在では、実際の画面で検証しながら制作と調整を行うことが出来るようになっています。

G:
個人的な印象で構いませんので、特にエフェクトのデザインが優れており、ゲーム全体の雰囲気を大きく左右したと感じられるタイトルなどがあれば教えてください。

担当:
例えば、バイオハザードシリーズではこれまで暗闇での恐怖を表現してきましたが、「バイオハザード5」では、そこから一歩進んで、明るい場所に存在する暗がりや、砂漠での酷熱などによる恐怖を、砂塵や光源によって表現しています。これまでの作品とは違った意味での恐怖演出に、エフェクトが大きな役割を果たしていると思います。

下のムービーは2009年発売のPS3、Xbox 360用ソフト「バイオハザード5」のオープニング。強い日差しと巻き上がる砂ぼこり、暗闇に浮かび上がる人々の姿などが、エフェクトによって効果的に表現されています。

バイオハザード5 - YouTube


下のムービーは、1996年発売のプレイステーション用ソフト「バイオハザード」のエンディング。血しぶき、爆発などのエフェクトに、ハードの進化の過程が感じられます。

PS版バイオハザード1残虐ED - YouTube


担当:
エフェクトデザイナーというと、爆発ばかり作っているイメージがあるかもしれませんが、実際の業務範囲には、光の当て方や、砂塵の巻き上がり方など、ゲームの雰囲気を大きく左右する領域が含まれているんです。

そうした意味では今回の採用でも、細かな技術より映像的なセンスを持った人を取り入れたいと考えています。映画や映像に携わる人は、ゲームの開発に対して、なにか特殊な技術が必要と考えているかも知れませんが、映像効果を作るための基本的な知識さえしっかりと持っていれば、ゲームを作るのに特殊な知識は必要ありません。ぜひまずは応募してみて欲しいと思います。

◆採用について

G:
カプコンの開発陣の平均年齢はどのくらいなのでしょうか?

担当:
35~36歳あたりが現在の開発のメインになっていると思います。ハードで言えば、初代プレイステーションのゲーム開発から取り組んでいる世代ですね。

G:
勤務地が大阪と東京と書かれていますが、大阪・東京間を行ったり来たりするような形になるのでしょうか?

担当:
基本的には、採用時に大阪勤務か東京勤務かが決まり、そこから頻繁に動くようなことはありません。カプコンは東京、大阪の両方に開発拠点があるので、どちらでも採用可能です。

G:
勤務形態は裁量労働制ということですが、一般的な出社時間と定時など、基本的な就業時間は何時から何時ですか?

担当:
カプコンでは、大体9時半に出社して、18時くらいまでが一般的な就業時間です。もちろん裁量労働制なので変動はありますが、多くの社員が就業している時間という意味では、9時半~18時ですね。

G:
今回の募集で採用されたエフェクトデザイナーは、どんなタイトルでの開発に参加することになるのでしょうか。

担当:
具体的なタイトルは決まっていません。社内でもエフェクトデザイナーの需要は非常に高く、いろいろなプロジェクトに、次々と参加することになると思います。逆に、ひとつのタイトルの開発に最初から最後までずっとついて回るということはあまり無い職種です。

G:
XSI、Maya、MAX、RealFlow、particle Illusion、After Effectsなどのソフトウェアを使用した実務経験が必要とのことですが、ソフトウェアについては幅広く使えたほうが望ましいのでしょうか。ひとつしか使ったことがないという場合も応募は可能ですか?

担当:
ソフトを多く使えるのはいいことですが、必須ではありません。もちろんひとつしか使ったことが無くても応募可能です。いつも決まったソフトを使っていても、映像を作るための知識がしっかりとしていれば問題はありません。

G:
業界経験不問ということですが、例えば映画のVFXを作ってきた人などで、ゲーム開発の現場をまったく見たことがなくても問題はないのでしょうか。

担当:
ゲーム業界経験者は勿論ですが、業界外の方からも応募してきてほしいと思っています。ゲームの世界だけを見てきた人とは違った視点を導入できる可能性があります。

今回の募集では、ゲーム開発の知識よりも、映像に関する広い知見やセンスを求めています。研修環境もしっかり整っているので、入社時点では特定のソフトが使えなくてもちゃんと覚えてもらえるようになっています。ゲームが嫌いと言われると困ってしまいますが、ゲームをやりこんでいたり、ゲーム開発の事情に詳しかったりする必要はありません。

G:
提出するエフェクト作品は、どんなものでも構わないのでしょうか。

担当:
どんなものでも構いませんが、テーマがはっきりと見えるものを持ってきて欲しいと思います。そのエフェクトで何が表現したいのか、それが分かるようなものが望ましいですね。何か分からないけどすごい感じがする、というエフェクトを持って来てもらっても、実際の業務では何か表現して欲しいものがあるわけですから、意図したものを意図の通りに表現できるのかと言う部分で、判断に困るわけです。

G:
エフェクトデザイナーを採用する上で、最も重視する資質はどんなところでしょうか。

担当:
映像に対して、常に新しいものを取り入れようと努めていて、映像に対する向上心と熱い魂を持った人を求めています。その人と一緒にゲームを作ることで、よりよい作品にできるような人を採用したいと思います。

G:
記事を見て、応募を考えている人になにかメッセージをお願いします。

担当:
エフェクトデザイナーというのは、ゲームの雰囲気を左右する非常に重要な役割ですが、ゲーム業界の外で働いている人たちにはあまり馴染みがないかも知れません。映像の知識と情熱さえあれば、ゲームに関する特殊な技能は必要ないので、興味を持った人はぜひ応募してください。

G:
ありがとうございました。

株式会社カプコン:カプペディア フリー百科事典|未確認発光体
http://effect-hakken.capcom.co.jp/

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in インタビュー,   動画,   ゲーム,   広告, Posted by darkhorse_log

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