さらし姿の男衆が100kgのたいまつをエッサホイサ、がんがら火レポート前編
重さ100kg、長さ4mの巨大なたいまつに火をともし、祭り衣装に身を包んだ男性たちの力だけで全行程3kmの道のりを練り歩くという迫力ある祭りが、大阪・池田市の伝統行事「がんがら火祭り」。市中を練り歩くたいまつに同行する鐘の音に由来してその名がついた「がんがら火」の起源は1644年(正保元年)と古く、350年以上ずっと続けられた歴史ある祭りです。そんな「がんがら火祭り」にわく池田市に行き、勇猛果敢な祭り男たちの勇姿や燃えさかるたいまつを最初から最後まで追いかけてみました。
大阪池田のがんがら火 公式ホームページ
阪急池田駅に到着。
大阪府池田市は日清食品の博物館「インスタントラーメン発明記念館」の所在地で、インスタントラーメン発祥の地です。「インスタントラーメンのまち池田」の逆側には「卓球のまち池田」と書かれています。
さらに「世界一信号を守る町」でもあるらしい。
「植木のまち」でもあるらしく、もはや何でもアリの様子。さまざまな町の魅力を駅前の看板でアピールしまくっています。
屋台は主に駅前広場に集中しているため、たいまつを追いかけたい場合は先に物色しておくのが吉。
がんがら火祭りの開催中は通行規制も行われます。
開始時刻にかなり余裕を持って訪れたのですが、町にはのぼりや提灯など、お祭りらしい飾り付けがすでに施されていました。
のぼりにはがんがら火祭りの物以外にも落語に関する物もありましたが、同時開催で社会人落語をやったり、町に「落語みゅーじあむ」を作るくらいに熱を入れているようです。
その隣には、古い呉服店の建物を再利用したと思われる飲食店が。
巨大たいまつのスタート地点は、駅前の「サカエマチ1番街」をそのまま突き進んだ先にあります。進んでいくと途中で「2番街」に接続していますが、とにかくまっすぐ進めばOK。
お祭りのために作られた灯籠もつるされています。
商店街の中にあったポストの上には謎の銅像。像の足元にはられていたプレートによると、町にある五月山動物園にちなんで飾ってある物で、この動物は姉妹都市のオーストラリア・ローンセストン市から贈られたウォンバットなのだとか。
スタート地点には、祭りの中心となる大きなたいまつが置かれていました。
松の木をぎゅっと寄せ集めて作られています。
2本1組で練り歩くため、これは2組分のたいまつになります。
辺りがいよいよ暗くなってきて、祭りの主役となる男衆も姿を見せ、いよいよスタートの時が近づいてきました。
子どもたちは小さなたいまつを持って別ルートを練り歩きます。
そんな子どもたちを見守るたくましい男性
この場所はかなり細い道で、通行人は祭りの待機列の横をすり抜けていかなくてはならないのですが、子どもたちが鐘をガンガンと鳴らしていて、3分もたたない内に耳がキーンとしてきます。
鳴らしている子どもたちが平気な顔をしているのは、近年は耳がやられないように耳栓をしているため。かなり遠慮無くガンガンやっているので、お祭りとはいえ頭痛持ちの人にはつらいものがあるかもしれません。
たいまつを後ろから見守りつつ追いかけていく台車が登場。
そしてここがたいまつの撮影スポット。一眼レフを持ったカメラマンたちがかなりの数つめかけています。
たいまつに火がともされ、辺りが一気に明るくなります。
その瞬間、撮影スポットはとんでもないありさまに。たかれるフラッシュの数が多すぎて、たいまつとは別の光源ができあがる場面も。
【2011がんがら火祭り】異様な熱気に包まれるスタート地点 - YouTube
火のついた大たいまつをかついで運び始めました。火のついている部分にかなり近いところをかつぐなど、最初かならかなり体当たりな場面が繰り広げられていきます。
【2011がんがら火祭り】たいまつを持ち上げてついにスタート - YouTube
たいまつの位置が定まりました。
そして2本1組のたいまつを垂直に立ち上げていきます。
セッティングをしている間に火が回ってきて、火力は強くなっています。
たいまつを数人がかりで担ぎ、火のついている部分同士をドッキングさせます。
片方のたいまつがバランスを崩してしまうアクシデントもありつつ、無事にドッキングは成功。
【2011がんがら火祭り】2本のたいまつをドッキング - YouTube
合わさった瞬間、ぱっと飛び散る火の粉。
そしてこの状態のまま、下からたいまつを持ち上げて担ぎ、運んでいきます。
喧噪の中、ずるずるとたいまつが進んでいく様子はムービーで見るとさらに迫力を感じることができます。
【2011がんがら火祭り】男衆がたいまつを抱えて住宅街を進んでいく - YouTube
狭い道を行くため、家同士をつなぐ送電線をかすめそうになっています。
民家の2階から顔を出している住民がいました。たいまつは目と鼻の先にあるので相当熱そう。
たいまつが移動し終えると、周囲を取り囲んでいた見物客たちが一気になだれこみ、細い路地は人でいっぱいに。
たいまつはさらに勢いを増して燃えさかりながら、町を突き進みます。
後ろをついていく台車にも鐘がついていて、男衆が鳴らしています。
「わっしょい、わっしょい」と勇ましいかけ声を上げながら進む男衆。
【2011がんがら火祭り】熱気の中、少しずつ住宅街を進む男衆 - YouTube
基本的には先端をくっつけて運ぶため、ドッキング作業が何度か繰り返されていました。
ふと後ろを振り返ると、そこには大文字が。この「がんがら火」祭りのもうひとつのイベントがこの大文字の点灯で、市内にある五月山に大文字と大一文字の2つの文字を点火します。たいまつ点火時間と同時に大文字も点火されるのですが、30分程度で消えてしまうとのことなので、今回は大一文字が見える猪名川の方面へ向かい、一旦たいまつの随行からは離脱。
先ほどは角度的にちょっと文字として認識しづらかったですが、猪名川の橋の上からはしっかり大一文字が見えました。このスポットは祭り開始前にスタート地点にいた男衆の方から教えてもらったのですが、祭りに参加していると毎年大文字は見られないと冗談めかしてぼやいていました。
【2011がんがら火祭り】ゆらゆらと燃えさかる大一文字のアップ - YouTube
逆サイドに燃える大文字もちらりと見えました。
【2011がんがら火祭り】左手に大一文字、右手に大文字 - YouTube
大文字を見たので、そのまま橋をわたらず駅の方向にまっすぐ戻ると休憩中のたいまつ一行と合流。横たえられたたいまつが燃えさかっていると危険なため、ホースの水をかけて火力が弱められていました。
そして再びたいまつを立てて進行再開。
ここまで進むのにもかなり体力を使っていると思われるのですが、相変わらず威勢のいいかけ声が町に響き渡ります。
【2011がんがら火祭り】大通りをワッショイワッショイと突き進む - YouTube
道の両端にのぼりが立てられている中を進んでいきます。
たいまつについていく人が心なしかスタート時よりも増えているような気がします。
ルート的には山方面からどんどん南下してきたのですが、ついに阪急池田駅前にたどりつきました。
駅の遊歩道などからその勇姿を見ようと待機していた見物客もいたため、人手はここで最大級に。
見渡す限り人だらけ。
上からたいまつを見下ろす人も。たいまつに随行している場合、階段まで見物客でみっしりと封鎖されてしまうため、後から上ってみようと思ってもそれは不可能。上から見たい場合はあらかじめ場所取りが必要となるようです。
【2011がんがら火祭り】池田駅前ロータリーを突き進むたいまつ - YouTube
駅につながる歩道の真下を通過することになるのですが、高さがかなりギリギリなためか、2組とも一旦停止。
それまでよりもまたひときわ大きなかけ声を上げ、一気に担いで駆け抜けていきました。
【2011がんがら火祭り】歩道橋をあぶりながら進行するたいまつ - YouTube
歩道の底はどうひいき目に見ても直火であぶられていますが大丈夫なのでしょうか……
続いて、駅前からゴール地点まで追いかけていきます。
・つづき
至近距離で燃えさかる炎と戦う男たち、がんがら火レポート後編
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