東芝が次世代大容量HDDを開発する「HDD先行技術センター」などを設立
2004年に「垂直磁気記録方式」を世界で初めてHDDに採用し、大容量化に踏み切った東芝が、次世代技術の採用によってさらなる大容量化を実現するために、「HDD先行技術センター」などを設立することを発表しました。
東芝:ニュースリリース (2011-07-07):次世代高密度磁気記録技術の開発に向けHDD技術センターを設立
東芝のプレスリリースによると、現在HDDの記録方式として主流となっている「垂直磁気記録方式」はそれまでの「水平式磁気記録方式」と比較して大幅な大容量化が可能となったものの、記録密度は1平方ミリメートルあたり1.6Gbit程度が限界だそうです。
さらなる高密度化については新たな技術開発が必要とされており、現在HDDメーカー各社は磁気記録を行う際にエネルギーを付加して記録しやすくする「熱アシスト記録」や「高周波アシスト記録」、信号を記録する磁性材をディスク上に島状に配置して、読み取り時に周りからのノイズを抑える「ビットパターン記録」などが具体的な候補として挙げられています。
そして東芝は次世代高密度磁気記録を実現する革新的技術の開発を加速するために、HDDにおける技術開発拠点として新たに「HDD先行技術センター」と「HDD製造技術センター」を設立。磁気ヘッドメーカーのTDKと磁気ディスクメーカーの昭和電工の技術協力を得た上で、両センターを拠点として、次世代高密度磁気記録技術の開発の加速や、先行技術を搭載したHDDをいち早く投入するために、製造技術の強化を図るとのこと。
一連の買収劇で、HDDメーカーはWestern DigitalとSeagate、そして東芝の3社に集約されることとなりましたが、競合2社を相手にノートパソコン用の小型HDDなどで強みを持つ東芝が最新技術でどのようにして太刀打ちするのかに注目が集まりそうです。
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