取材

ドップラー効果を利用して目的地へ誘導する「スマフォスウィング」、近距離に強い位置情報案内アプリ


GPSによって移動中の現在地が手軽に分かるようになってきましたが、近距離の精度についてはまだ正確さに欠ける部分があるのも事実。KDDIが現在開発中の技術「スマフォスウィング」は、GPSがカバーしきれない近距離範囲に特化した、コンパスのように目的の方向指し示してくれるアプリで、ワイヤレスジャパン2011会場にて展示されていました。

距離の測定はスマートフォンから音を発して、相対的な速度によって音の高さが変化する「ドップラー効果」を利用して解析します。スマートフォン自体に組み込まれた無線アンテナなどを利用してアプリを稼働させるため外付け機器は必要なく、市販のスマートフォンにダウンロードするだけですぐ使えるようになるとのこと。

図書館での本探しなど、身の周りの探し物に使える「スマフォスウィング」の詳細については以下から。KDDIブースの「スマフォスウィング」実演コーナー。


スマートフォン本体を左右にゆっくりと振りながら音波を送信することで、探索対象の音波受信時刻を記録。探索側のスマートフォンにBluetoothを使って音波受信時刻を通知、それと端末の向きから方向を推定するという仕組み。このアプリを使うには、無線アンテナ(Bluetooth)とスピーカー、マイク、地磁気センサーを搭載している必要があるとのこと。


会場では「図書館で本を探している」という想定でデモを行っており、ブースの片隅に本棚を描いたパネルがはられていて、そこが目的の本のありかとして反応するよう機器がセッティングされています。


甲高い「キュンキュン」という音がスマートフォンから発せられ、目的地の位置を測定します。

YouTube - スマホ本体を振って位置情報をつかむ「スマフォスウィング」デモ


利用イメージとしては、花火大会でピザを配達する際、人ごみの中でどの人に商品を渡せばいいのか迷ってしまった配達員が「スマフォスウィング」で注文者を特定する……というような状況が挙げられています。ややニッチな例ではありますが、GPSでは追えない近距離での使用を想定していることは分かります。


また、モジュール化することによって図書館や本屋での本探しや、大型駐車場での車探しに使うことも考えられているようです。こちらの方が身近な例なのでイメージがわきやすいかもしれません。


商用化および商用化時期は未定とのことですが、身の回りの探し物にはなかなか便利そうなアプリなので、実用化が期待されるところです。

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in 取材,   モバイル,   ソフトウェア, Posted by darkhorse_log

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