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「4号機で8m四方の穴が北西側に2ヶ所開いていた」、原子力安全・保安院質疑応答まとめ


16時から18時30分にかけて原子力安全・保安院による会見と質疑応答が行われました。

この中で本日6:14に発生した爆発音について、東京電力からの報告は「4号機の方から爆発音がしたので確認したところ8m四方の穴が北西側の壁に2ヶ所開いていた」というものだったことが明らかとなったほか、正確な情報が迅速に出てこない状況が浮き彫りとなっています。

会見内容は以下から。全質疑応答をカバーしているわけではありませんが、テレビではカットされている部分でどのような質問が行われているのかがわかるのではないでしょうか。
保安院:
1号機と3号機では水素爆発があったが、2号機はブローアウトパネルが開いているから水素が溜まりにくいのかも知れない。枝野官房長官が会見で発表した数字(400ミリシーベルトを観測した件)については、建屋の低いところで測定したものだと聞いている。モニタリングポストは敷地近くのものでも炉から900~1000mぐらい離れているので、発表と数値が違う。

記者からの質問(以下、Q):
4号機ではどれぐらい燃料棒が水に浸かっているのか?

保安院の回答(以下、A):
放射線量が高くて確認できていない。

Q:
4号機の火災はどのように確認したのか?本当に鎮火したのか?

A:
火災発生、鎮火いずれも外観からの目視確認。少なくとも今は煙などは出ていない。

Q:
気を取られていた間に1号機、2号機、3号機でトラブルが発生したわけだが、4号機の監視はどうやっていたのか?

A:
監視態勢については、水の温度を確認していた。

Q:
なぜ14日以降の(4号機使用済み燃料プールの水温)データがないのか?どのような方法で監視していたのか?

A:
それについては確認する。

Q:
2号機の圧力はどうなっているのか?

A:
2号機の圧力は上下しているが、基本的には水がポンプで押し込まれているということで冷却されていると思っている。

Q:
昨晩は圧力コントロールが難しくて注入ができていないと聞いた。今も資料を見ると圧が高くコントロールが難しいのではないか?と思うのだが、今は順調にできているのか?

A:
できていると考えているが、今後も注視していく必要があると考える。

Q:
圧以外に異常はないのか?バルブが閉まっているなどないのか?

A:
午後1時段階ではない。

Q:
4号機への注水はどのような手段が考えられるのか?

A:
具体的な水の入れ方については現在検討しているとのことだ。4号機の壁の穴というのは格納容器か?という質問があったが、これは建屋。

Q:
穴が開くほどのことが起きたのであれば。外側の壁が損傷することで使用済み燃料プールへのダメージがあったりするのではないかと考えるが?

A:
プールに何らかの影響があったかなかったか、現時点では確認が出来ていない

Q:
再臨界の危険については?

A:
使用済み燃料はラックに入れ、距離を置いて管理しているので、再臨界が起こる危険性はないと考える。水が無くてもラックに入っている限りは問題ないであろうと。むしろ一般的には水があった方が再臨界しやすい。プールの水の有無、水温データはないが運転員が現場でプール水があるという情報を確認したという情報がある。本日の13時(のちほど訂正、3月14日4時の確認が最後だとのこと)。

Q:
水は燃料が埋まるほどあるのですか?

A:
以前から巡視している状況と変わらない、とのことだ。

Q:
水がなければ発熱するわけだが、巡視したら水がたっぷりあったという。使用済み燃料が4号機の火災の原因ではないということか?

A:
火災発生状況などの詳しい情報は把握していないが、巡視時には確認しているので、それなりの安全性が確保されていると考える。何かあれば保安院に連絡がある。

Q:
4号機は水素が発生しているわけではないと考えて良いのか。

A:
そう考えたい。今日の13時の時点ではそういうことはない。火災の原因は究明されていないので、この場で断言することは出来ない。

Q:
なぜこの事象はこんなに長引いているのか?

A:
今回の事故は津波による影響を受け、多くの機器が使用できなくなった。特に電源設備、外部電源(送電線からの電源)、非常用の電源……海水を汲み上げていろいろなものを冷やすという機能が停止している。そういった機能の電源を回復することをやっていく必要がある。しかし福島第一原発については多くの設備がまだ被害を受けており、そういったものの回復には至っていない。炉心の冷却を注視しながら続けていくと言うことになる

Q:
IAEAの専門家が来て事故に対応するとのことだが。

A:
現時点でオファーをもらっているとのことだが我々では把握していない。合同本部で世界中の知恵を集めていけるのであれば、それも当然のことだと考えている。その中で最善の道を探っている。今後海外の知見、設備に依存するところもあるかもしれないが、いま「こういうことで助けてもらっている」というのは現時点では正確には承知していない。現状、中の状況が詳しく分からないが、燃料は破損しているがメルトダウンしているかどうかはわからない。

Q:
午前11時に出た「40万マイクロシーベルト(400ミリシーベルト)」は4号機からのものか?3号機の爆発のあとでこの数値になっており、その前のもともとの数値は低かったと聞いているので、

A:
おそらく原因は爆発で飛散物質が出たのではないかと。

Q:
2号機と4号機で爆発音という話だが、両方爆発したのか?

A:
2号機だけだと認識している。4号機は煙を確認したところから始まっている。

Q:
ではなぜ4号機の屋根は破損しているのか?2号機の爆発で破損したのか?

A:
2号機の爆発後に情報が入り、それを2号機の時間訂正だと思ったのがあったが、実際は2回前後して爆発音があったようで、2号機で爆発があり、4号機でもあったということらしい。2号機の爆発は本日の6:10で、6:14には4号機の壁が凹んでいると報告を受けた

Q:
壁が凹んでいるのか?東電の発表では5階の屋根だとのことだが?

A:
我々は東電から壁が凹んでいると報告を受けている、屋根のことはわからない。

Q:
この時間、僕らは朝7時すぎにレクを受けたわけだが、2号機のことは聞いたが4号機のことについて色々証言があったのに教えて頂けなかったのか?

A:
我々の情報伝達ミスで、受け取ったものが4号機のことと思わずに2号機爆発の時間修正だと思った。

Q:
東電はちゃんと報告したが保安院が解釈ミスをしたということか?

A:
そういうことです。

Q:
結局、2号機の圧力抑制室は破損しているのか?朝の状態と変化していないのか?

A:
プラントパラメーターにはさほど大きな変動がないので、サプレッションチェンバーの圧力は低いまま、ほかのデータには変化が出ないのでそこはまだはっきりしないところです。

Q:
朝の段階と発表内容は変わっていないということか

A:
→そうです

Q:
「東電の報告によると」というのが数多く出てくるが、保安院は現地に検査官など派遣しているはずだ。そういう人たちは何をしているのか?現場には行かないのか?

A:
発電所内には緊急時対策室という東電の人も多数いるところがあり、そこと中央制御室を中心に運営を成されるのが現状です。対策室には、数日前の知識では、保安院の検査官4名が駐在して、そこでの活動について規制当局としてのチェックをしている。

Q:
保安院が直接取った情報がほとんどないが?

A:
原子力は直接運営するのは事業者にやってもらうということだし、それ以上のことは規制当局が運転のところに行くわけにもいかないのでやむを得ないことだと思います。

Q:
昨日が3号機の爆発、今日の朝が2号機爆発と4号機建屋火災があって、今日の10:22に400ミリシーベルトが観測された。この数値が「時系列で考えて3号機の影響」というのは納得がいかないのですが。

A:
当初はそのように考えていたが、確かに時系列にしてみると隣(2号機など)でも事象が発生しているので、断定できないかも知れない。3号機の隣で数値が高かったことを考え、3号機が原因ではないかと思っていた。

Q:
じゃあ、時系列じゃないですよね

A:
仰るとおりです。

Q:
国民は2号機の格納容器が破損したということで放射線の影響を心配しているが、海村で高い数値が検出されたものについても2号機からの影響と考えて良いのか?

A:
可能性があるという段階だが、3号機なのか2号機なのかを特定するのはなかなか難しい。

Q:
東海村到着の時間を考えると前日のものか今日のものか推測できるのでは?

A:
風向きなどを計算すると特定できると思う、到達するおおよその時間を勘案すると。2号機は今朝なので、東海村まで到達する可能性は低いのではないかと……。そこまでこのメンバーでは知見を持ち合わせていない。

Q:
4号機の(火災などの)発見が遅れたのは人手が足りなかったのか?

A:
4号機のプールの温度が高いというのも踏まえて計画を作っていたが、原子炉への水の注入が難しくなるなど、そのとき最も重要なものに注力していて、結果として十分早めに(プールへの水の)注入が出来ていないと考えている。

Q:
温度が測れていなかったのではないのか?

A:
14日の時点で84℃と把握していて、これは通常と比べるとだいぶ上がっていると把握している。

Q:
間に合わなかったのは把握不足なのか、計画と異なって手が回らなかったのか?

A:
厳しい事象の展開があるのでいろいろと計画は立てているが、結果としてはできなかったということになっている。

Q:
人手が足りていない、人員を増員すべきだという考えはお持ちではないのか?それはなぜなのか?

A:
早め早めに資材調達や人材確保はつねづね東京電力には求めている。実際問題ポンプが機能しないなどもあり、対応はなんとか取っているが、いずれの事象もそういうことに至ったということだ

Q:
人出の問題なのか、もともと技術者が足りないからなのか、監督官庁としてどうお考えなのか?

A:
日々東電の行動をチェックしている中で、優先順位をつける、優れた手法を採るといことでは必要なことは申している。今回は事態の進展が早いこともあり、それに対して精一杯の努力で挑んでいるところです。人数については現場の状況や当たれる要員からしてやむを得ないところもあるが、我々として申し上げることがないのかは検討したい。

Q:
規制当局として東電に要員増強を求めるのではなく、他の電力会社に派遣を求めるとか、保安院として能動的に動く計画はないのか?

A:
それも含めて、総理が発表した合同本部ができたので、その中で検討されて必要な指示が発せられると思う

Q:
輸送力が足りないのか技術者が足りないのか?当局としてはどのように把握しているのか?それがわかっていたら対策ができますよね?

A:
現状、ここにいるこういう人をもってくればいい、こういう手段を取ればいいという、すぐにあるものはないということです。すぐにあれば我々も指示をする、ということです。

Q:
プールの温度が高いというのは、通常では何度ぐらいなのか?

A:
→40~50℃ぐらいだと思います。

Q:
枝野長官の会見では5号機、6号機でも温度が高いということだったが、データはあるか?

A:
今は持っていないので用意します。水温が高くなる傾向にあるとのことだが、4号機が最も厳しい状況にあるということは想定している。4号機はシュラウド交換の工事をしていて、炉心にある燃料を全てプールに入れている。通常はプールに入れる燃料は1/3~1/4で、相対的に温度が上がりやすいだろうということは想定している。ただ、ほか(5号機・6号機)が何度かということまではデータを持ち合わせていない。また、1号機、2号機、3号機(のプール)は確認していない。

Q:
4号機~6号機が定期検診中ということだったが、4号だけが全燃料をうつし、5号6号は一部だけだったのか?

A:
→通常全燃料をすべて出すことはないのだが、4号は中身のシュラウドという施設を交換するところだったので、燃料全てをプールに出していた。

Q:
5号6号は一部を残していたが、4号は残していた。特別な状態にあったということか?東京電力も気をつけねばならないことは分かっていたはずですね?

A:
そのように考える。温度管理の重要性は認識をしていて14日までは計っていて、本日は実際に水面等を確認できていない。

Q:
水位の確認は1日1回程度なのか?

A:
それは確認します

Q:
使用済み燃料プールは通常はモニターカメラついてますよね?

A:
今は電気が全部ないので……。

Q:
それでわからないということですよね。普段は真水ですが、これから入れるというのは何を使うんですか?

A:
それも含めて今は検討中です。選択肢として(海水は)あると思います。

Q:
海水を入れても悪い方向に行くというのはないということですか。不都合はないと。

A:
炉に入れる(注水する)のと同じように熱を取ることはできるので、それ自体が大きく悪さをすることはないと考える。

Q:
使用済みだから大丈夫だと考えて良いわけですよね。

A:
使用済みプールに塩分が入ることによる影響はあると思う。

Q:
4号機の報告について、どういったものを聞いたのか。

A:
東京電力から報告があった内容については、6:14で4号機の方から爆発音を聞いた。現場に確認に行ったところ、建屋北西に8m四方の壁の落下が二箇所みられた、穴が開いていたという報告があった。

Q:
2号機との時間の勘違いはあるかもしれないが、これは会見中に紙を入れたのだからそのときにあったはず。なぜ壁の落下について説明をしなかったのか。

A:
これについては2号機の説明であるということで、4号機のことが抜けていた。申し訳ない。

Q:
建屋のどの部分なのか?

A:
北西ということで聞いている。

Q:
9:38に火災があったあと、穴から煙が見えたという報告を受けたということか?

A:
9:38に煙が出ていて、それは穴からだという認識が出来たというように報告を受けている。

Q:
穴をみたときには煙は出ていなかったということか

A:
9:38の火災の時には穴から煙が見えていた。

Q:
6時の時点では火や煙はなかった?

A:
6時の時点では確認されておりません。

Q:
穴が開いていたのか、壁が落下したのか?

A:
「穴が開いていた」です。

Q:
もうちょっと更新された情報・報告はないんですか?

A:
情報がないということではなく、3階あるいは4階のあたりで火災の報告があり、11時の段階で火災が消えていたという報告があった。

Q:
大事なことだと思うが、建屋に穴が開いている、プールに水が入っているかも確認できないということは、使用済み核燃料が剥き出しでそこにあるという解釈で良いのか?

A:
水に入っていないかどうかはきちんとした情報がない。

Q:
外部に剥き出しの可能性はあるのか?

A:
それはわかりません。

Q
わからないとはどういうことですか?可能性が否定できないということか?

A:
情報がないということです。

Q:
プールにふたはあるのか?

A:
プールにフタはありません

Q:
なぜ400ミリシーベルトが3号機爆発だと断定できるのか、断定するようなことをいうのか?穴が開いている、剥き出しで燃料があるわけでしょ?

A:
剥き出しというと表現がオーバーですが……

Q:
そもそも、外気に触れていていいものなんですか?

A:
触れていない方がいいですが……どうなんだ?(隣にきく)
通常は燃料の上に10mぐらい水深があり、水遮蔽によってプールサイドの人が被曝しないようにということを配慮している。

Q:
水がないとどれぐらいの放射線量になるのか?

A:
それはわからないです。

Q:
なぜ壁は吹っ飛んだのか?原因は何だと考えられるのか?水素爆発なのか?
そもそも線量が高くて近づけなくて計測できないのであれば、それは中の線量が高いということを端的に示しているのでは?それをわからないといわれるとより不安を煽るだけだ。

A:
壁にダメージがあったというのは前に申し上げたとおりだが、はっきりした原因が何かということはわかりません

Q:
北西側というのは3号機に面しているのか?

A:
確認します。

Q:
INESの評価については?

A:
今は評価4として考えるというのを案としているが、まずは自体を落ち着かせた後でどういう燃料の状態なのかの確認をしてからとなると思う
現状は暫定で4という評価をした、理由としては評価した段階においてはどのような被害なのかがわからない段階での暫定評価だから。正式評価までに事態の内容がはっきりわかることになった段階で評価をすることを考えている。

Q:
4と判断したのはいつですか?

A:
土曜日か日曜日、定かではない。今後どのような被害状況になっているのかわかってきた段階において、暫定評価が変わる可能性は十分ある。

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in メモ, Posted by logc_nt

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