メキシコ湾原油流出事故によりBPが失った9兆円でいったい何ができるのか分かる画像
by fibonacciblue
2010年4月20日からメキシコ湾で流出した原油は1日に5560キロリットルから9530キロリットル、総計70万キロリットルと言われており、その被害総額は既に天文学的な数字となっています。さらに沿岸の環境を元に戻すのに使われる費用や、なにより「失われた信用」を回復するのにかかるコストは一体いくらになるのか見当もつきません。
ところで、BPはこれまでに企業の信用の指標となる株の市場価格の合計、いわゆる時価総額で計1000億ドル(約9兆円)を失ったわけですが、これだけのお金があればいったい何ができるのでしょうか?
詳細は以下。
What BP Could Have Bought With All the Money They Lost |
表示されている価格は基本的には購入にのみかかるコストの模様。ソースを見たところでは輸送料や事務手続き費、関税など購入以外のコストについては除外しているようです。
88億4千万ドル(約7720億円) - 水不足に悩む8億8千400万人のための飲料水10年分。
481億2千500万ドル(約4兆2千億円) - ハリケーン「カトリーナ」で被害を受けた27万5千軒の家をすべて建て直すことが可能。
33億9千500万ドル(約2968億円) - 全人類分のアイスクリーム。
200億6900万ドル(約1兆7500億円) - ヤフー・アメリカ法人全部。
19億6800万ドル(約1720億円) - BPの従業員9万2000人全員にトヨタのプリウスを支給可能。
9億2200万ドル(約806億円) - 73歳の父親の含蓄にあふれたセリフをツイッターに掲載し、それをまとめた「Shit My Dad」の単行本をツイッターユーザー全員にプレゼント。
10億ドル(約876億円) - ツイッターそのものも買収可能です。
3330万ドル(約29億円) - 6.4kmの海岸線が素敵なバハマ諸島のLighthouse Cay丸ごと。
6億2千100万ドル(約544億円) - アメリカのすべての小学生にホッピングを買ってあげられます。
845万ドル(約7億4000万円) - アメリカのティーンエイジャー全員に3つずつコンドームを支給可能。
83億ドル(約7300億円) - アメリカのすべての大学生がiPadを使えるようになります。
30億ドル(約2600億円) - 合衆国上院議員全員に宇宙旅行をプレゼント可能。
2億6400万ドル(約231億円) - 貧困層の100万人の子どもを支援することができる。
34億3200万ドル(約3000億円) - なぜかインターネットで人気のあるThree Wolf Moon Tシャツをアメリカ人全員分。
1700万ドル(約15億円) - 同じTシャツをさらにもう1枚、アイダホ州全員に。
計1000億ドル(約9兆円) - これが、メキシコ湾の原油流出以来、BPが失った株価の総額となります。これに現在も続いている流出を防ぐための費用約35億ドル(約3000億円)が加わります。もちろんこの費用はふくらみ続け最終的にいくらになるのかまだ分かりません。
9兆円というのは日本の平成22年度の一般会計予算、いわゆる国家予算の92兆2992億円の約1割、あるいは行政刷新会議の「事業仕分け」によって削減できた(PDFファイル)歳出9692億円の約10倍という額となっています。
日本の予算とBPの処理費用に直接の関連はないのですが、このような事故でがんばって節約した分が吹っ飛んでしまうのを見るとやりきれない気分になってしまいますね……。
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