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遷都2000年祭のSFラブコメ、ガン=カタするマジンガー、新生.hack、「ANIME FES. “VS”」試写会レポート


11月27日から新宿バルト9ほか全国5劇場にて「ANIME FES. “VS”(アニメフェス バーサス)」というイベント上映が行われます。これはOVA作品を販売に先駆けて劇場公開しようという試みで、上映されるのは「コイ☆セント」「マジンカイザーSKL」「.hack//Quantum」「ノラゲキ!」の4作品です。

上映は3つの期間に分かれており、その第1弾は「コイ☆セント」「マジンカイザーSKL 第1話」「.hack//Quantum 第1話」の3本立て。11月9日にこの第1弾のブロガー試写会が都内で行われたので、こっそりと参加してきました。3本セットでアニメを見るなんて「東映まんがまつり」みたいな感覚ですが、どのような作品が登場するのでしょうか。

レポートは以下から。
会場はココ、シアターN渋谷と同じ建物です。


コイ☆セント



1本目は「コイ☆セント」。今から700年後、遷都2000年祭が行われている奈良を舞台に、修学旅行で奈良を訪れた高校2年生のシンイチは謎の美少女トトと出会います。

アニメーションを制作したのはサンライズ荻窪スタジオで、監督は「FREEDOM」の森田修平、スタッフも「FREEDOM」のメンバーが数多く再集結しています。映像はCGに2Dシェーダをかけて2Dっぽく見せており、「FREEDOM」で培われた技術を余すことなく投入した作品となっています。

ヒロインのトトを演じているのは寿美菜子さんで、同時に作品のオープニング、エンディング、挿入歌もすべて担当しています。これは「歌姫の話を、人気声優でやりたい」ということからで、シンイチ役の小野賢章さんの声との相性なども考えた結果、多くの候補の中から寿さんが選ばれたそうです。


なぜ奈良を舞台にしたのかというと、現在遷都1300年祭で盛り上がっているということもありますが、監督が奈良出身だったというのも大きいようです。「1300年祭の未来の話をやってみたらどうだろう?」というアイデアが出たことで、このような作品にまとまったとのこと。

1話25分完結という、ちょっと珍しいスタイルのOVAですが、2700年代という近未来の、現代から極度に変わりすぎていないテクノロジー具合などがかなりツボを突いてきます。もしトトみたいな子がいるのなら、今すぐにでも奈良に行きたいですね。

マジンカイザーSKL



2本目は「マジンカイザーSKL」。全3話のうち第1話が上映されました。兜甲児や剣鉄也といった、これまでのマジンガーサーガを引っ張ってきたキャラクターが出てこない全く新しいマジンガーの物語となっており、ロボットのデザインも今までのマジンガーよりもより永井豪的な悪魔っぽいデザインになっています。一方で、本作の二人の主人公は、永井豪ファンならピンと来る二人組で、これまでのマジンガーを知らない人も、永井豪作品のファンも楽しめるような作品です。

バイオレンスな要素もかなり出ており、個人的な印象としてはかなり新ゲッターロボなどに近い印象。また、マジンガーには新しいギミックが搭載され、アクションに関してはガン=カタが取り入れられました。これは「1体のマジンガーが何百体ものロボットを倒すものを、マジンガー無双を」ということでやったものだそうで、あの重厚なマジンガーのガン=カタアクションにはきっと驚かされるはず。武器は二丁拳銃と大剣で、わかりやすく面白い作品です。

プロデューサーによると、これまでのロボットアニメでは暗黙の了解としてやらないことになっていた「コクピットへの攻撃」「踏みつぶす」という2点をあえてやっていてるそうです。しかし、残虐に見せるためではなく、さらっと流しておくことで「僕らにタブーはないぞ」という意思表示をしているのだとか。この点について、「技の名前を叫ぶのがロボットアニメでは?」というツッコミが入り、「マジンガー無双では技名を叫んでいる余裕がないが、タイマンバトルではそういったシーンも出てくるので、楽しみにしていて欲しい」と次回以降にお楽しみがあることを示唆していました。

.hack//Quantum



累計300万本を売り上げるゲーム「.hack」シリーズを原作としたOVAで、これまでにテレビシリーズやOVAが何作か制作されていますが、本作は今年3月に発売されたPSP用ゲームソフト「.hack//Link」と世界観を同一にしており、時系列ではゲームの続編にあたります。

Quantumを制作するにあたり注意した点は、3人の女の子を主人公にしたところ。これまでの.hackを知らない人でも見られるようにとハードルを下げ、「誰でも見やすい.hackを」ということで作られたそうです。一方で、旧来からのファンにも喜んでもらえるように「未帰還者」「PK」といったテレビシリーズからのモチーフも表現していくとのこと。ちなみに、制作がこれまで担当してきたビィートレイン&真下耕一監督からシネマキトラス&橘正紀監督に代わりましたが、今回の制作にあたって真下さんに相談したところ、新しいことをやるんだったら「.hack//SIGN」や「.hack//Roots」の流れとは違うのだから、若い人が挑戦してみたらいいんじゃないか?ということで、真下監督の弟子筋にあたる橘監督が担当することになったそうです。

商品構成は特に変わっているポイントで、劇場ではCDドラマをつけたDVDとBDを発売。また、Amazon.co.jpやアニメイトでは法人別に内容の異なるCDドラマがついてくるそうです(こちらはBDのみでDVDにはつかない)。例えば、劇場版では3人のキャラクター性を補完するという意味で、内容は詳しく言えないものの、超有名RPGっぽいドット絵世界に入って遊ぶようなストーリー、Amazon.co.jp版ではThe World(作品に登場するMMORPG)の中でAmazonに行くというシチュエーション、アニメイト版も同様にThe World内でアニメイトに行くというものになっており、CDを聞くだけでも笑えるような構成にしてあるそうです。

タイトルの「Quantum」には「量子」という意味があり、今後、量子力学が作品の裏テーマとして出てくるので、濃いSFファンでも見ていて楽しめる作品になっているとのこと。

こちらもマジンカイザーSKLと同じく全3話構成なので、第1話にあたる本エピソードはとても良いところで終わっています。これから1ヶ月待たされるというのは、かなりムズムズしますね……。

ちなみに、第3弾での上映作品である「ノラゲキ!」は「スチームボーイ」や「鉄コン筋クリート」でCGI監督を務めた安藤裕章さんの監督作品。脚本は「交響詩篇エウレカセブン」の佐藤大さん。キャラクターデザインはゴツボ☆マサルさん。タイトルは「野良猫と5人の脱出劇」を略したものだそうで、「コイ☆セント」と同じくサンライズ荻窪スタジオが制作します。

OVAとしての「.hack//Quantum」と「マジンカイザーSKL」は1月から3ヶ月にわたって発売、「コイ☆セント」は2月、「ノラゲキ!」は発売時期未発表とのことなので、映画館では発売よりも約2ヶ月先行して映像を見られるということになります。

11月27日(土)と11月28日(日)には上映5劇場で監督&キャストによる舞台挨拶も予定されています。この舞台挨拶回のチケットは専用のもの(全席指定2500円)をチケットぴあのみで販売するとのこと。舞台挨拶スケジュールは以下の通り。

11月27日登壇者
沢城みゆき&橘正紀監督(.hack//Quantum)、浅沼晋太郎&川越淳監督(マジンカイザーSKL)、寿美菜子&森田修平(コイ☆セント)
横浜ブルク13 9:00上映後、11:20上映前
新宿バルト9 12:30上映後、14:40上映前

11月28日登壇者
花澤香菜&橘正紀(.hack//Quantum)、浅沼晋太郎&川越淳監督(マジンカイザーSKL)、寿美菜子&森田修平(コイ☆セント)
梅田ブルク7 10:40上映後、12:55上映前
T・ジョイ京都 14:25上映後
伏見ミリオン座 17:00上映後

また、上映5劇場では9月1日から特別鑑賞券スペシャルチケットが発売されています。前売料金は4000円でスペシャルイラスト仕様となっており、.hack//Quantum柄のものはオリジナルB2ポスター、マジンカイザーSKL柄のものはオリジナルポストカード3枚組が特典となっています。さらに、12月25日から公開される「ANIME FES. "VS"」バトル2の特別鑑賞券も10月16日から発売中。こちらは前売料金1000円で、オリジナルミニポスター(.hack//QuantumかマジンカイザーSKLを選択)の特典付きです。

ANIME FES. “VS”(アニメフェス バーサス)公式サイト

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in アニメ, Posted by logc_nt

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