メモ

「忘れ去るHDD」が登場へ、東芝がHDDを機器から取り外すだけで瞬時にデータを無効化する技術を開発


HDDの迅速なデータ消去や情報漏えいを防ぐための新技術として、HDDを機器から取り外すだけで瞬時に記録データを無効化する「忘れ去るHDD」技術を東芝が開発しました。

同社は2008年に火力や水力、原子力の発電制御システムの設計データなどが含まれていたHDDを盗まれていますが、今回開発された技術は、そのような事態に対する教訓も含まれているのかもしれません。

詳細は以下から。
東芝:ニュースリリース (2010-08-10):世界初、HDD本体を搭載機器から取りはずすだけで 記録データを瞬時に無効化する技術を開発

東芝のリリースによると、同社はHDDにおける暗号化技術を応用した情報漏えい防止の新技術として、世界で初めてHDDを取り外した時などに、記録データを自動で瞬時に無効化する技術を開発したそうです。


従来のHDD内のデータを無効化する方法としては、HDD自体の破壊や強力な外部磁界で磁気データを消去するといった物理的な方法や、HDDに他のデータを上書きするなどの方法がありましたが、専用設備や処理に長時間を要する上に、HDD盗難の場合にはデータの無効化ができないという問題がありました。

しかし今回開発された技術は、ディスク上に記録された暗号化データを解読するための「暗号鍵」について、搭載機器から取り外されるなどしてHDDへの電源供給が断たれた場合に自動で消去し、記録データを瞬時に解読不能とすることで無効化する技術であるため、HDD盗難に対しても情報漏えい防止が図れるようになるとのこと。

従来の技術と比較した新技術のメリット。迅速かつ確実なデータ削除が可能になるため、パソコンを廃棄するときやリース期間が終了した時などにも活躍します。


なお、HDD内の記録領域を複数に分割して、各領域について「電源OFF時にデータを無効化する」「電源OFFでもデータは無効化せず暗号化状態で保護する」といった設定も可能であるため、ユーザーのニーズに合わせたセキュリティを導入できることになります。

また、今回開発された新技術をはじめ、暗号化技術を応用したデータ無効化技術を東芝は「忘れ去るHDD」技術と総称しており、新たなHDDの情報セキュリティ技術として提供するとともに、よりユーザーのニーズに合わせた機能の実現に向けて、さらに開発を進めるとしています。

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
HDDの容量を飛躍的に向上させる新技術、実用化への道筋が示される - GIGAZINE

「RAIDを過信してはいけない」、データのバックアップやRAID復旧についてHDDのプロに聞いてみた - GIGAZINE

2TBモデルのHDD、すでに9000円を割り込む価格で販売中 - GIGAZINE

サンディスクが10年以上使える新型高速SSD「G4」などを正式発表、HDDと交換可能 - GIGAZINE

in メモ, Posted by darkhorse_log

You can read the machine translated English article here.