ポニーテールは無しだがリーゼントは有り、イラン政府公認の男性髪型ガイド
「西洋風の退廃的な髪型」を排除する取り組みとして、イランで文化省お墨付きの髪型を提案する男性用ヘア・カタログが発表されました。
このカタログではポニーテールや襟足だけを伸ばしたマレット、整髪料でツンツンと立てたスパイクは「不適切」とされているのですが、七三分けやエルヴィス・プレスリー風のもみあげの太いリーゼント、80年代風の長い前髪などは「イスラムらしき髪型」として推奨されているようです。
詳細は以下から。Iran presents 'Islamic haircut catalogue' - Israel News, Ynetnews
Iran government issues style guide for men's hair - Telegraph
このヘア・カタログは「不適切な髪型を避けイスラム文化を促進する」ことを目指しテヘラン大学と地元の理髪店組合により共同で開発され、イラン文化省の公認を受けたのち、今月後半に開催される「Modesty and Veil Festival(慎みとベールの祭典)」に先駆けて7月5日(月)に省庁職員による記者会見で発表されました。
ジェルなどの整髪料を使うのはOKですが、使いすぎはよくないとされています。
髪型の説明をする政府関係者。これらのヘアスタイルは「イラン人の肌の色、文化と宗教、そしてイスラム法に触発されたもの」とのこと。
「適切な」ヘアカットの実演を行うテヘランの理髪師。イランでは近年西洋風なヘアスタイルを提供していた複数の理容室が取り締まられ、「指導」を受けているそうです。
イランでは1979年のホメイニ師によるイラン革命以来シャリーアを法として運用するイスラム共和制が樹立され、女性はヒジャブと呼ばれるベールで頭を覆うことが義務づけられています。そのため今回発表されたヘア・カタログは当然男性用の髪型のみを紹介しているというわけです。男性では「不適切な髪型」のほかショートパンツやネクタイも「西洋的退廃」の象徴として禁止されているとのこと。
イラン警察は服装の取り締まりを随時行っていて、短いコートや薄いベールの女性、タイトなジーンズやいわゆる「腰パン」の男性も逮捕されているそうです。
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