取材

タミヤ・オープンハウスで展示された「第38回人形改造コンテスト」出展作品


タミヤの人気シリーズに「1/35ミリタリーミニチュアシリーズ」というものがあり、戦場での1コマを切り取ったかのような豊かな表現で人気を博しています。

このシリーズに含まれる兵士のフィギュアを使用した「人形改造コンテスト」をタミヤは毎年開催しているわけですが、タミヤ本社で行なわれているタミヤ・オープンハウスではその展示が行なわれ、全国の参加者による緻密な工作や意外な見せ方などアイディアいっぱいの作品が並びました。

詳細は以下。
人形改造コンテスト

会場の様子。


紹介ボード。


作り方の解説もされていました。


このコンテストのルールは「おもにタミヤの1/35ミリタリーミニチュアシリーズ、AFVシリーズの兵隊人形を使用したもの」とかなり幅を持たせたもの。その分応募者のアイディアが物をいうものとなっており、かなりフリーダムな戦いが繰り広げられたようです。

まずはベーシックな情景描写。腕の角度を変えたり細かくマーキングを施すなどして雰囲気を高めたミリタリーフィギュアでストーリーを感じさせるジオラマを作り上げます。なお、文中では敬称略とさせていただきます。

銅賞受賞作品の田中良彦「パリ解放 65周年」。1945年のパリ奪還のお祭り騒ぎを表現。


ストーリー賞を受賞した鈴木光夫「今助けるぞ」。足を撃たれた兵士に衛生兵が駆け寄る緊迫した1コマ。


鈴木光夫「準備いいか」。移動を開始する歩兵部隊の様子。


鈴木光夫「水だよ」。水筒の水を分け与える兵士。後ろのバイクの表現もかなり細かい。


戎井聖貴「フラッグアタック!」。サバイバルゲームのルールの1つ、旗取り戦の決定的瞬間。


渡辺昇「LOOK!」敵の航空機を見つけ大声を上げる兵士。砂煙の表現が動きを感じさせます。


佐藤大介「撃墜王 坂井三郎」。日本が誇る零戦のエースを再現。


粕谷一仁「ドイツ空軍将校」。襟章やバッジの表現が細かい。


小只理太「恐怖」。おそるおそる壁の向こうをのぞき見るドイツ兵。


戎井大貴「はやく起きてよ!」。眠りこけた兵士を起こそうとする犬がかわいい。


同じ情景描写でも、兵士フィギュアを改造してごく普通の人々を描いたものもあります。

金賞受賞作品の白津修一「アンデスの風『コンドルは飛んで行く』」


吉川強「優勝呼んだ超ファインプレー」。フライをキャッチする瞬間をストップモーション風に複数のフィギュアで表現した物。


藤原靖幸「あのころ」。古いファミコンにブラウン管のテレビ、ラジカセとノスタルジックなアイテムが詰まっています。


もちろん神話をモチーフにしたものや現実にはありえない超シュールな情景描写もOK。アイディアが光ります。

佳作受賞の増田啓・恵美子「画文帯神獣鏡の神仙世界」。邪馬台国の神獣鏡をモチーフにした作品。


横山健大「馬がトラウマ?"ドイツ軍"」。乗馬トレーナーで訓練する旧ドイツ軍の兵士。


江田光司「1/300の改造人形を製作する1/150の人を製作している1/35の作者の姿」。メタ構造をもった作品です。


奥山潔「ホーンテッド・マンション」。水晶球の中の首やベースの端を持ち上げて出てこようとする亡者が不気味。


もちろんフィギュアをそのまま使う必要はなく、例え手首だけでもパーツを利用していれば参加可能なのでこんな作品もOK。

高崎時彦「宇宙大作戦」。なんとなく懐かしい感じのするフラットウッズ・モンスター


本間俊文「ナスビーキッド(パーフェクトバージョン)」。足の部分だけを利用。


山本俊明「ガンプ」。こちらも宇宙生物風。


永島江里子「ロールちゃんのともだち」。ここまでくると何がどのパーツなのか分かりません……。


映画のドラマ性をうまく利用した作品も数多く出品されていました。

銀賞受賞作品の奥山潔「"I have a bad feeling about this."」映画「スター・ウォーズ」で登場キャラクターが必ず口にするセリフからフィギュアに。


佳作受賞の首藤秀利「少年メリケンサック」。表情豊かなバンドのメンバー。


努力賞を受賞した佐藤邦彦「RED CLIFF」。ものすごい数の矢が苦労を偲ばせます。


榊原弘「七人の侍~ニセ侍」。偽の侍・菊千代が盗んだ家系図を見せているシーン。


首藤理恵「パコと魔法の絵本」。


中井晴彦「エリザベス」。銀魂に登場する謎の宇宙生物。オバQとはクチビルの形や髪の毛の生え具合が違いますね。


瀬川修「TERMINATOR SALVATION」。邦題「ターミネーター4」から殺人機械のしつこさを再現。


井上雅庸「ターミネーター T-600」こちらも同じく「ターミネーター4」から。


首藤秀利「ガイラ出現」。「フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ」から海魔 大ダコとガイラの戦い。


萩原満「一つ目巨人の襲撃」古き良き特撮の世界の雰囲気です。


話題賞受賞の佐藤史一「20世紀少年 最終章」


こちらも同作品からANTHONY 大須賀「ケンヂ君遊びましょ 映画20世紀少年1」


様子をうかがう史上最悪の双子、ヤン坊・マー坊。


そしてフクベエ。


吉超琢磨「SINGIN' IN THE RAIN」。ミュージカル映画「雨に唄えば」のダンスシーンから。


長内太郎「HARRY POTTER」。


台座もかなり凝ったもの。


実在の人物をテーマにしたものは時事問題を扱ったものから歴史的な瞬間を切り取ったものまで様々です。

小畑恵司「チェンジ!」。歴史的な変化を象徴する鳩山総理とオバマ大統領。


近藤一義「剛&地デジカ」。


小久保健司「Napoleon Bonaparte」。有名な「アルプス超え」がテーマ。


首藤秀利「アンナと植村直己」冒険家の植村直己とその愛犬で犬ぞりの先頭を走ったアンナ。


長田和也「A giant small step」。アポロ11号による人類初の月面着陸のワンシーン。


「こちら『きぼう』」。ISSモジュールの若田光一宇宙飛行士。


本田幹雄「アニソンの星"アニキ&ミッチ"」。水木一郎堀江美都子のコラボレーション。


佳作受賞の美里衣人「MICAEL JACKSON "THRILLER"」。先日無くなった歌手マイケル・ジャクソンをテーマにしたものもいくつか出品されていました。


渡辺昇「KING OF POP」。


徳永晃「"キング・オブ・ポップ" マイケル・ジャクソン『スリラー』」


ジュニア賞受賞の永吉陽乃「珍獣ハンター・イモト」


曲楽「チーター VS イモト」。小スケールでも眉毛が目立ちます。


なお、ここで紹介した以外のすべての作品は、以下のPDFファイルで紹介されています。
(PDFファイル)■第38回 人形改造コンテスト・作品パンフレット(約6.5MB)

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in 取材,   デザイン,   アート, Posted by darkhorse_log

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