45年間もの人体計測を続けた集大成、ワコールが「若い時の体型を維持する秘訣」を本邦初公開
本日4月15日(木)、ワコールが45年もの歳月をかけて研究した結果を発表する「ワコール人間科学研究所 最新研究 記者発表会」を行い、女性が若い時の体型を維持するための秘訣を公開しました。
4歳~69歳までの女性、合計4万人ものデータを取るなどして長い時間をかけて行われた研究の結果、さまざまな事実が明らかになりました。女性の体型変化については早送りで見せるスライドなどを交えて発表され、その変化が如実に分かるものとなっていました。
詳細は以下から。(PDF)からだのエイジング(加齢による体型変化)について一定の法則を発見 若い時の体型を維持する秘訣は、食事・運動と「からだの変化に合った下着選び」~日本初!日本人女性の45 年間におよぶ4万人のデータ 集大成~
東京ミッドタウンホールに到着。
備え付けのスクリーンに最新研究の記者発表会だということが表示されていました。
発表会が始まりました。
真摯に研究を続けてきた結果が本日の発表だと語る塚本能交代表取締役社長。
続いて、取締役執行役員であり、人間科学研究所長の篠崎彰大さんからあいさつが。
下着会社のワコールというイメージが強いということで、今回発表される内容の研究を行った人間科学研究所という機関の簡単な説明が。人間を科学することで新しい知識を得て、商品開発やコンサルティングに行かしてくための機関であり、ワコールの「縁の下の力持ち」だということです。
1964年から世界基準の「マルチン計測」を採用。1人あたり少なくとも100カ所から多くて158カ所を計測するそうです。
5秒という速さでレーザーで人体をスキャンし、立体的に解析できる装置も。初代は30秒くらいスキャンにかかっていたものが改良を加えられたということ。かなりのハイテクぶりです。
下着の設計用ダミーの制作も行っています。年代ごとにデータを取り、各年代について、約100名の被験者のデータについて平均をとって作られるということ。
ロビーに展示してあったのですが、このダミーはかなり本物に近くできていて、ふにょりとやわらかでした。
このダミーを使い、ブラジャーの立体裁断を行っていきます。
各年代のダミーとそれに合わせて作った製品。ダミーがしっかりできていないと製品の出来にもろに影響します。
人体計測の結果をもとにダミーを作り、下着着用をモニターにお願いするという方法を採ってきたとのこと。データ収集はなんと4万人もの女性から、試着モニターは1000人からとかなり大規模な調査を行っているようです。
今回発表されるデータの分析対象者が表を使って説明されています。四角の中の数字は測定した年代を表します。1950年代生まれの人の25年間を追いかけてからだつきの変化を追いかけたということになります。
さらにこの中から、100名の同一人物のからだつきを5年~10年ごとに測定して絞り込みをかけていったとのこと。
この成果を発表することで、「加齢を案外楽しく過ごせるはず」と笑顔で締めくくります。
ここでバトンタッチが行われ、実際に研究にあたった人間科学研究所研究員の上家倫子さんによって、この後の発表を行いました。
2人の被験者の20代から50代までの体型写真を並べたもの。エイジング(加齢による体型変化)の研究です。
1950年代生まれの女性の時系列変化をグラフにしたもの。45年間人体計測を続けてきた結果、このようなデータを集めることが可能になったということです。「ウエストとおなかの変化が最も大きく、50歳を過ぎると腹部はバストと同じ太さになる傾向」にあるという分析結果は文字にするとなかなか衝撃的です。
こうした変化には個人差があり、変化の大きい人から小さい人までさまざま。しかし、すべての人に共通して同じ順序を経て体型変化をしていくとのこと。
ヒップの形の変化。ステップを踏むごとにヒップの頂点が下がり、内側に肉が移動していきます。変化が始まる年齢は異なり、20代でもステップ2の人もいれば、40代でもステップ0の人もいるようです。しかしながら、一度変化したら元には戻らないという一言が重い。
加齢変化をモーショングラフィックで見てみるとすごい迫力。
YouTube - 同一人物のヒップの加齢変化
実は年齢を経るごとにバストはどんどん柔らかくなっていくようです。20代からバストの下垂が始まっているという報告も。加齢で変化していくのはヒップと同様で、やはりいったん変化したら元に戻らないということです……
ヒップとバストの傾向をまとめるとこのような項目になります。ヒップは内側に、バストは反対に外側に流れていく傾向があり、ヒップよりバストの方が加齢による変化が大きいとのこと。そしてやはり、経年変化したからだを元に戻すのは不可能ということで、この事実は深くすべての女性にのしかかるものと思われます。
なぜヒップよりバストの方が変化しやすいかというと、バストを構成するものの中に筋肉がないから。運動などによって鍛えることもできないとのこと。
加齢によるさまざまな変化がバストの形状変化に影響してくるようです。特に、揺れがバストにダメージを与えるため、ブラジャーの着用には形状変化を防ぐ役割があります。以前記事にした、スポーツ時のスポーツブラ着用の必要性に関する同社の調査でも同じことが言われています。
ブラをしている場合としていない場合では、揺れ方が大きく異なります。
YouTube - ヌードとブラジャー着用時のバストの揺れ比較
ただし、しっかり自分のからだに合ったブラジャーでないと効果が低くなってしまいます。
YouTube - バストの下垂変化とブラジャーの関係
しかし、必ず採寸をしてからブラジャーを買うという人はたった14%にとどまります。そのためか、71%の女性が自分のサイズを勘違いしたまま、間違ったサイズのブラジャーを着用しているのが実情のようです。
かといってサイズさえ把握しておけばいいのかというとそういうことでもなく、トルソを年代別に作っていたことからも分かるように、同じサイズでも年代によってフィットするブラジャーの形状は異なります。20代向けのブラジャーを40代の人がつけるとカップが浮いてしまい、背中に下着が食い込んでしまいます。
加齢によって乳房の構成が変化するので、それによって変化した形や柔らかさに対応したブラジャーを選ばなくてはならないということです。
その年代に合ったブラジャーをつけることによって、しっかりとバストを支えることができます。
ここまで見てきた上で、「美の法則」と銘打ってキレイなからだを作る方法が説明されていきます。
何もつけない状態だとこんな感じですが……
からだにフィットしたブラジャーをつけるとしゃきっと体型が整います。
下着をつけることで、20代女性はしゃっきりとした立ち姿に。
40代女性はおなかがすっきりと。
60代女性は姿勢が美しく。
そして、体型を維持する秘訣が明らかに。
体型を維持している人とそうでない人の両群を比較。
両方のグループにこのような身体検査とインタビューを行ったそうです。
インタビューの結果、体型を維持している人は下着もしっかり自分のからだに合わせ、生活や食事も整えているようです。
事例1の方は出産を経験し、1児の母となった人。食事を調整し、毎日体重をチェックするなどかなり意識が高いようです。
事例2の方は3児の母となった人。階段を極力利用し、ガラスに映る自分の姿をチェックして姿勢を正しているそう。日常のちょっとした移動に気を配り、運動量を増やしているようです。
健康でいることと美しい体型をキープすることとは共通点がある可能性があるようです。
今日のまとめはこんな感じ。加齢でバストの「柔らかさ」が変わるというのが特に印象的でした。
ワコールの目標がどどんと表示され、終了となりました。体型維持に関しては特効薬はなく、自分に合った下着を使い、健康的な生活をするのがよいという模範的な結果が導き出されていました。現状、下着などは選ばなければ雑貨店などでも安価に手に入れられてしまうのも事実。一度起こった加齢変化は元に戻らないことを考えると、下着の身につけ方に対する常識から変えていくことが、女性が「美しいからだ」を保つためには必要なのではないかと感じました。
出典:ワコール人間科学研究所
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