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最前線のドーナツ屋、カナダ政府から勲章をうけることに


湾岸戦争における補給システムについて書かれたW.G.パゴニス元中将の「山・動く」では、いかに戦場における補給が兵士の士気を上げるかについて触れられています。このような戦場での支援について、アフガニスタンの前線基地にあるドーナツチェーン店がこの度、カナダ政府から叙勲の対象となることが明らかになりました。

詳細は以下。
Tim Hortons staff eligible for Afghan war medals

A Medal for Canada’s Frontline Donut-Vendors? | Danger Room | Wired.com

今回叙勲の対象となるのは、カンダハル空港基地内にあるドーナツチェーン「ティムホートンズ」の従業員。カナダ政府では近頃、叙勲規定の改訂が行なわれた結果、直接戦闘に参加している軍人だけでなく近隣国の基地に展開している軍人、戦闘地域で軍のサポートを行なう民間人も叙勲対象となりました。

授与されるのは「General Service Medal」と呼ばれるもので、武装した敵勢力との戦闘への支援に対し与えられるもの。受勲基準も引き下げられ、以前は90日間戦闘地域にとどまるのが条件だったのが、30日間に短縮。また複数回の受勲も可能となり、180日ごとに、勲章にとりつけるためのカエデの葉をあしらった追加の金属章が与えられます。

これが「いつも新鮮・ティムホートンズ」アフガニスタン店。


第2次世界大戦中にも救世軍、コロンブス騎士会、カナダ退役軍人会、そしてYMCAといった団体が戦場での働きを認められて受勲しており、防衛省の広報担当アンドレ・レベスク氏は「派遣されているすべての人々は国防を担う一員であり、全員が賞賛に値する。今回の改訂によって多くの兵士が満足することを確信している」とコメントしています。

この決定に対して、退役軍人からは「簡単に受勲できるようにすることは勲章の価値を下げる」と批判的な声もあります。カナダ防衛・外交研究所のジャック・グラナットシュタイン氏は「確かに、慈善団体が受勲した例はあるが、これらに対して『ティム・ホートンズ』は営利企業だ。金儲けのために行っている人々に叙勲するのは、手放しで賞賛できない」とコメントしています。


先日、アメリカ軍は「戦場は遊園地ではない」と、アフガニスタンの基地内にあるファーストフードチェーンの閉店や新作映画の上映を中止、兵士が戦闘に集中し補給部隊が必要な物資をより効率よく輸送できるよう決定しました。

今回のカナダ政府の決定はこれと真逆の対応ですが、歴史的に苦戦している軍隊ほど気合いを入れ直したり褒章をたくさん出したりするもの。アフガニスタンの混乱はまだまだ続きそうです。

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in メモ, Posted by darkhorse_log

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