東芝がメタノールを燃料にして充電できるモバイル機器向け燃料電池「Dynario(ディナリオ)」を発表
ノートPCなどのモバイル機器を持ち歩くとき、もっとも心配なのが電池切れ。いつまでもつのか気にしながら使うのは大変なすとれすなのですが、そんな人にぴったりのメタノールを燃料として用いるモバイル向け小型燃料電池が東芝から発表されました。
燃料電池の製品化への期待が高まる中、今月上旬に開催された家電製品の見本市「CEATEC JAPAN 2009」でメタノールを利用して充電できる携帯電話の試作機を東芝が展示するなど、製品化への準備が着々と進んでいることが見てとれましたが、ようやくお目見えすることになります。
詳細は以下より。
東芝:ニュースリリース (2009-10-22):モバイル燃料電池「Dynario(ディナリオ)」の発売について
このプレスリリースによると、東芝からダイレクトメタノール方式を採用した、携帯電話などのモバイル機器向けの燃料電池「Dynario(ディナリオ)」が、直販サイトShop Toshiba(1048)で10月29日から3000台限定で販売されるそうです。
これまでも持ち歩き用外部バッテリーはたくさんありましたが、多少重たい上に使い切った後の充電に時間がかかるという欠点がありました。
このDynarioは専用の燃料カートリッジから燃料を注入することで発電するため再充電の手間がほとんどありません。注入時間は20秒ほどで、一回の補給で携帯電話を2回ほど充電できるそうです。
また、高濃度メタノールを使用することによって本体やカートリッジを小型化。少量のメタノールで発電できる独自のセル技術とともに、燃料をより均一に、かつ安定して発電部へ供給する機構、自社開発の内蔵マイコンによるきめ細かな制御を行うことによって、出力の安定化・信頼性の向上を図っているとのこと。
これがモバイル機器向け燃料電池「Dynario」。右側が本体で左側がカートリッジ。
本体に燃料の高濃度メタノールを注入しているところ。
充電中。
これまでに無い全く新しいタイプのモバイル電源ですが、今後このような方式の燃料電池は浸透するのでしょうか。
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