「バシリスク」を真似て4本足で水上を走るロボット
生物の動きや仕組みを真似てロボットを作るという試みについては、例えば犬の動きを真似て作られたロボットや、アメンボが水面の表面張力を用いて水に浮かぶのを真似たロボットなど過去から様々なものがありますが、二本足で水上を走ることができるトカゲとして有名な「バシリスク」の動きを真似して水上走行するロボットをカーネギーメロン大学のナノロボティクス研究所が開発しました。
詳細は以下。
NanoRobotics Laboratory
(PDFファイル)A Novel Water Running Robot Inspired by Basilisk Lizards
これが水上走行ロボット「Water Runner」。極限まで軽くするためにほぼすべてのパーツが樹脂で作られているのがわかります。実証モデルのため外部からワイヤーで電源が供給される仕組み。
このロボットはトカゲの一種「バシリスク」が水上を走る原理を解析してその動きを真似た物。
YouTube - Jesus Christ Lizard
バシリスクの足の動きを解析した図。水を叩く、かく、足を上げる、前にだすというバシリスクの一連の動きを一回あたり0.12秒という速さで行うことで水の上を走ります
それでは実際に走っているところを見てみましょう
Water runner with off board power in small pool
画像だとばちゃばちゃしていて見づらいかもしれませんが、動画だときちんと走っているとことが分かると思います。電源用のワイヤーがついていますが、たるんでいるので上から引っ張って浮かせているということもありません。
高速度撮影によるスローモーション動画
High speed video of water runner in small pool
骨格上の限界があるバジリスクよりも効率が上がるように、動きを最適化してあるとのこと。つまり効率だけで言えば生き物を超えているということです
電源を搭載した実験機。ただし万が一止まったり、方向転換が必要になった時のためにヒモがついています。
Water runner with on board power running on open water
左右にバランスをとるためのフロート状のものがついていますが、水に触れるのは一瞬なので、これで浮力を稼いでいるわけではないようです。
将来開発される二足歩行タイプのものの想像図。ワイヤレスでコントロールされるそうです。
現在はまっすぐ走るだけの機能しかないのですが、将来的には水上で方向を転換したり水陸両用能力を持たせる予定とのこと。また、より重量を軽減することで命綱なしでも自立運用できるようにしたいと考えているそうです。格闘マンガ「グラップラー刃牙」の作中に登場人物烈海王が水の上を走る……というシーンがありましたが現在開発が進められていると噂の軍用強化外骨格、いわゆる「パワードスーツ」にこの機構を組み込むことができたら面白いかもしれません。
・関連記事
驚異のバランス感覚、絶対に転ばない犬型ロボット - GIGAZINE
奇妙な動きをする3本足のロボット「STriDER」 - GIGAZINE
カニの足の動きがリアルに再現されてしまったロボットおもちゃ「HEX BUG Crab(ヘクス バグ クラブ)」起動ムービー - GIGAZINE
ルービックキューブを自動で揃えてくれるロボットのムービー - GIGAZINE
・関連コンテンツ