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北朝鮮がロケット発射、世界でこの件はどのように報じられたのか?


今日の午前11時30分頃、北朝鮮が「人工衛星の打ち上げだ」として日本上空を通過するルートで飛翔体(というかロケット)を発射しました。1段目ロケットは秋田県の西およそ280キロの日本海に落下したと推測され、2段目のロケットは日本の東およそ2100キロ以内では落下が確認されなかったとのこと。

なお、つい先ほどのNHKの報道によると、アメリカのNORADが最新情報を発表し、北朝鮮の今回のロケット発射について、「軌道には何も乗らなかった」としています。どうやら太平洋にそのまま落ちてしまった、つまり「失敗」らしい。

で、世界各地ではどのように今回の件がネット上で報じられているのか、調べてみました。AP通信、ロイター、ニューヨークタイムズ、ウォールストリート・ジャーナル、ワシントンポストなど、それぞれ日本のメディアと同じように報じているわけですが、少しずつ違っており、なかなか興味深いことになっています。詳細は以下から。
North Korea missile test puts world on edge; U.S., Japan and South Korea deploy warships


日本とほぼ同じような内容。アメリカが北朝鮮を警戒して高々度U-2偵察機を使っていることに対して北朝鮮が苦情を言い、偵察機が撃ち落とされるだろうと警告していた、という内容も。読者からのコメントの内容が割と秀逸で、アメリカの人々がこの件に対してあまり興味を持っていないことに対して「人々はゴシップの方により注意を払っている、残念だ」とか、イランと比較して「実際に核兵器を持っている国(=北朝鮮)が、アメリカまで届くミサイルを保有することになったということが、いかに危険かをもっと報道すべきだ」などという意見が書かれています。

North Korea launches rocket over Japan


元ソースはAP通信となっており、発信元はなぜか日本の東京ではなく、韓国のソウルですが、2ページに渡るかなり長い内容。オバマ大統領が今回の件について、この動きがさらに北朝鮮を孤立させるだろうと警告したことを伝え、国連安全保障理事会が発射の数分後に来た日本からの要請に続いて、ニューヨークで日曜午後の緊急集会を承認したとしています。また、今回の北朝鮮のミサイルではなく人工衛星の発射だと主張している件については「大胆な反抗的行為」だとしており、国連では既に核開発計画と長距離ミサイルのテストについて北朝鮮に対する既存の制裁を支持する方法について議論し始めているものの、北朝鮮への新たな制裁案については中国とロシアから反発があると予想されるとしています。

North Korea rocket launch provokes global outcry | Reuters


東京とソウルのロイターをソースとして報じられたイギリスのロイター通信の場合、北朝鮮の公認メディアによると衛星が軌道に打ち上げられ、北朝鮮の革命の歌(NHKによると「キム・イルソン将軍の歌」と「キム・ジョンイル将軍の歌」)が送信されているとして、これらの件を受けてアメリカのオバマ大統領が「この挑発的行動で北朝鮮は国際的な義務を無視し、制約の明白な要請を拒絶した。国家の集団からさらに離れていくだろう」と声明を出し、ホワイトハウスでは、オバマ大統領がプラハで行われるスピーチでは包括的核実験禁止条約を実施し、この条約を破る国に対して厳しい罰を求めることを約束するとしています。また、北京のRenmin大学で国際的なセキュリティを専門とするShi Yinhong教授の意見として、「アメリカと日本が国連で新しい決議および新たな制裁を主張すれば、中国は恐らくその拒否権を行使するでしょう」「中国の根本方針は最も極端な場合に国連の制裁を単に支援することです。発射は重大でしたが、それは核実験ほど非常に重大ではありませんでした」としています。さらに、対北朝鮮のための特別外交官であるスティーヴン・ボスワース氏は発射に先立って先週、「一旦「騒ぎ」がおさまったならば、会談に北朝鮮は戻るのを望むだろう」としています。

North Koreans Launch Rocket Over the Pacific - NYTimes.com


ニューヨークタイムズはかなり詳細に今回の件を分析しており、北朝鮮のミサイルの主な顧客はイラン、シリア、パキスタンなどが主な顧客であるとして、この長距離の弾道テストが成功して終了すれば、このミサイルの設計は国際的なブラック・マーケットではるかに魅力的になるだろうとしています。また、1957年のスプートニク以降、世界の大陸間弾道ミサイルのうちのほとんどは人工衛星発射ロケットから始まっているとしています。

North Korea Launches Rocket - WSJ.com


ウォールストリート・ジャーナルは北朝鮮のロケットについて、北朝鮮の独裁主義体制が使用する高度な武器発展プログラムの最新のステップであるとしており、長距離ミサイルは米国の西海岸あるいは北朝鮮からの西ヨーロッパの数箇所に到着するように設計されているが、北朝鮮がそのようなミサイルに核などを装備させる能力に達したとは考えられないとしています。また、韓国の外務省によると、今回のロケット作成には北朝鮮の慢性的な食糧不足を解決することができるぐらい多額の費用がかかっているとしており、何人かのアナリストは、このロケットのために5億ドル(約500億円)かかったと推測しています。

Defiant N. Korea Launches Missile - washingtonpost.com


ワシントンポストは、北朝鮮が再三繰り返された国際的な警告を無視して長距離ミサイルを発射したとしており、韓国の外交問題についての大臣であるYu Myung-hwan氏が「私たちは、北朝鮮が直面している食糧不足にもかかわらずロケットを打ち上げることで、北朝鮮が喜んで莫大な額のお金を使っていることに対し、非常に失望しています」と言っていることを伝え、オバマ大統領が先週金曜日に、北朝鮮が核兵器を放棄するプログラムについて「巨大な負荷をかけるだろう」としており、さらに「他の国々の安全性およびセキュリティを脅迫することができないことを北朝鮮に知らせる適切なステップを取るだろう」としており、北朝鮮は「新たな国連の制裁が行われるようであれば会談はしない」と言っています。

なお、9日に北朝鮮は最高人民会議を行う予定だそうです。

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in メモ, Posted by darkhorse

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