信念のために命を落とした6人
歴史を紐解いてみると科学や宗教など、自分の信念のために命をなげうった人が数多くいることがわかります。しかし、歴史に残る人々ばかりがいるわけではなく、多くの人にとっては重要ではなかったことに命を捧げた人々もいます。たとえば、ある者はエッフェル塔から飛び降り、ある者はフグの肝臓を食べ、ある者は高層ビルのガラスに体当たりし、またある者はハイスコアに挑戦し、さらにある者は水を大量に飲み、そしてある者は大自然で暮らしました。彼らは一体なぜそのようなことをしたのでしょうか。
6名の勇者達の記録は以下から。
6 People Who Died In Order To Prove A (Stupid) Point | Cracked.com
http://www.cracked.com/article_16760_6-people-who-died-in-order-to-prove-retarded-point.html
◆フランツ・ライヒェルト(Franz Reichelt)
ライト兄弟がライトフライヤー号で動力飛行を成功させてから7年後の1910年、洋服の小売りをしていたライヒェルトは、航空機から落ちても安全に着地できるパラシュートのようなものを考え出しました。ライヒェルトが思いついたのはトレンチコートなどを用いた「コートパラシュート」で、機能としては現代のパラシュートと同じものでした。
1912年、発明の最後のテストとして彼は実際にコートパラシュートを身につけてエッフェル塔から飛び降りました。しかし、残念ながらパラシュートは効果を発揮せず、彼は転落死を遂げました。
このエッフェル塔から飛び降りる様子は記録映画として残される予定だったようで、ライヒェルトが準備をして飛び降りるまでの一部始終が映像として残されています。
YouTube - Franz Reichelt - Eiffel Tower
by Nemo's great uncle creative commons
重要無形文化財(人間国宝)にも指定された歌舞伎の名優・八代目坂東三津五郎は1975年1月16日、友人らと京都の料理屋で「トラフグの肝臓」を4つ注文して食べ、7時間後に亡くなりました。トラフグの肝臓や卵巣にはテトロドトキシンという毒があることは有名で、なぜそんな品が提供されたのか、4皿も食べたのかはわかりませんが、元記事では三津五郎が毒に免疫のあるところを見せようとしたのではないか、あるいは友人と賭けをしたのではないかと推測しています。
◆ガリー・ホイ(Garry Hoy)
トロントの弁護士だったガリー・ホイは、トロント・ドミニオン・センターの24階で「高層ビルのガラスは割れない」ということを証明するためにガラスに向かって体当たりしましたが、そのままガラスごと転落して死亡しました。ホイは以前にも同じことをして、無事だった経験があるとのこと。ホイが転落死したときも、彼が「ガラスは割れない」と言っていたとおりにガラスは割れませんでしたが、窓は枠ごと外れてしまいました。
◆ジェイ・デイリー(Jeff Dailey)、ピーター・ブルコウスキ(Peter Burkowski)
by bradsearles creative commons
デイリーは19歳、ブルコウスキは18歳の熱心なゲーマーでした。当時、ゲームセンターではステージ上にいるロボットをすべて破壊して次に進んでいく「ベルセルク」というゲームが人気を集めており、デイリーは1981年にこのハイスコアに挑戦し、1万6600点というとてつもないスコアをたたき出しました。しかし、その後心臓発作で亡くなってしまいました。ブルコウスキは1年後、同じように「ベルセルク」のハイスコアを2度記録したあと、心臓発作で亡くなりました。
なお、2005年には「StarCraft」を50時間プレイし続けたイ・スンソプという28歳の韓国人男性が死亡する事故も起きています。
◆ジェニファー・ストレンジ(Jennifer Strange)
ストレンジさんはカリフォルニアに住む28歳の女性で、3人の子どもがいました。あるとき、KDND-FMというラジオ局が「トイレを我慢しつつ水をどれだけ大量に飲めるか」というイベントを企画。景品がおしっこ(幼児語でWee-wee(ウィーウィー))とかけて任天堂のWiiだったので、子どもにプレゼントすべく、ストレンジさんはこの企画に挑戦。残念ながら優勝を逃して帰宅し、その後水中毒で亡くなりました。
Wii景品の水飲み大会で死亡女性、米裁判所が15億円の賠償金支払い判決 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News
http://www.afpbb.com/articles/-/2658772
Wiiをかけた「水の大飲み大会」で参加者の女性が亡くなる - iNSIDE
http://www.inside-games.jp/news/198/19866.html
◆クリストファー・マッカンドレス(Christopher McCandless)
by v i p e z
アメリカ文化の物質主義に絶望したマッカンドレスは、わずかな装備と食料だけを持って1990年、家族の元を離れました。アメリカやカナダを旅したのち、1992年5月にアラスカの荒野へ到達。それから4ヶ月後の9月に、生活していた廃バスの中で腐乱死体で発見されました。解剖結果から、7月ごろに餓死したとみられています。アラスカのパークレンジャーであるピーター・クリスチャン氏はマッカンドレスの行動を「大自然の中での暮らし方をわずかしか学んでおらず、大胆なのではなくただ愚か」「本質的には、彼は自殺したようなものだ」と語っています。
マッカンドレスの行動は雑誌編集者・登山家のジョン・クラカワーが1997年にノンフィクション「Into the Wild」にまとめ、日本では佐宗鈴夫が翻訳を行い「荒野へ」のタイトルで出版されています。
この本をもとに、2008年にはショーン・ペンが監督・脚本、マッカンドレス役をエミール・ハーシュが演じたノンフィクション映画「イントゥ・ザ・ワイルド」が公開されました。
追記:
元記事へのリンクが抜けていたので追加しました。
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