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Google画像検索にある「クリエイティブ・コモンズ ライセンス」の絞り込み機能は壊れているとの指摘


Google検索では特定のワードに関連する画像を検索することが可能であり、その中にはクリエイティブ・コモンズで再利用が許可されている画像を検索する機能も搭載されています。ところが、「Google画像検索のクリエイティブ・コモンズ絞り込み機能は壊れており、ライセンスが付与されているはずの画像がほとんど見つからない」と、ブロガーのAlan Levine氏が報告しています。

Google Broke Image Search for Creative Commons and Hardly Anyone Noticed/Cares – CogDogBlog
https://cogdogblog.com/2022/09/google-broke-cc-image-search/

Googleで画像検索をすると、無料で使用できる画像もそうではない画像も混在して表示されます。しかし、2020年のアップデートで「クリエイティブ・コモンズ ライセンス」や「商用およびその他のライセンス」で簡単に検索結果を絞り込める機能が追加されました。

無料で使える画像をGoogle画像検索で簡単に探せる機能がアップデートで追加される - GIGAZINE


クリエイティブ・コモンズまたは商用およびその他のライセンスで画像検索結果を絞り込みたい場合は、画像検索を行った後に検索フォーム右下の「ツール」をクリックし、開いたメニューから「ライセンス」を選択します。


すると、「すべて」「クリエイティブ・コモンズ ライセンス」「商用およびその他のライセンス」の中から、表示する画像を絞り込めるとされています。


Levine氏はある日、「Front Door(正面玄関)」という単語を含むブログ記事を執筆しました。この際、トップ画像に使う「Door(扉)」の画像を探すためにGoogle画像検索を利用したとのこと。実際にLevine氏が「Door」でGoogle画像検索を行い、「クリエイティブ・コモンズ ライセンス」で絞り込んだ結果が以下。たったの7枚しか表示されておらず、明らかにクリエイティブ・コモンズのライセンスが付与されている「Door」の画像を網羅できていません。


実際、Levine氏は画像共有サイトのFlickrにオープンライセンスの画像をいくつか投稿しており、その中には「Door」の画像も440枚含まれていますが、いずれもGoogle画像検索では表示されませんでした。もちろん、Levine氏が撮影した画像以外にもクリエイティブ・コモンズのライセンスが付与された「Door」の画像は大量に存在しますが、Google画像検索を使っていては見つけることができないというわけです。


また、Levine氏が「dog(犬)」の画像検索で「クリエイティブ・コモンズ ライセンス」による絞り込みを行ったところ、たった3枚の画像しか表示されませんでした。同様の事態は「cat(猫)」などその他の単語でも発生したとのことですが、インターネット上でこれに気づいて声を上げていた人は見つからなかったとLevine氏は述べています。


試しに編集部員のPCを使って「dog」というワードで画像検索し、「クリエイティブ・コモンズ ライセンス」による絞り込みを行った結果がこれ。赤枠で囲んだライセンスが付与された画像は4枚しか表示されず、そもそもライセンス情報がない広告らしき画像も表示されています。


なお、日本語の「犬」で検索して「クリエイティブ・コモンズ ライセンス」による絞り込みを行うと、画像が1枚も表示されませんでした。


Levine氏は、Google画像検索の「クリエイティブ・コモンズ ライセンス」による絞り込みが失敗している理由について調べ、URLのパラメーターに問題があることを発見しました。一般的に、Google画像検索で「dog」と検索して「クリエイティブ・コモンズ ライセンス」で絞り込むと、以下のようなURLで検索結果が表示されます。

https://www.google.com/search?q=dog&tbm=isch&tbs=il:cl

このうち、「q=dog」は検索ワードを表しており、「tbm=isch」は画像検索であることを示す部分で、「tbs=il:cl」がクリエイティブ・コモンズ ライセンスのみを結果として返すことを意味しています。しかし、実際にはこのURLだとうまく画像検索ができません。


Levine氏がクリエイティブ・コモンズの関係者にもこの件を相談したところ、以下のURLで正しい「dog」「画像検索」「クリエイティブ・コモンズ ライセンス」という3要素を満たす結果が表示されるという報告が寄せられたとのこと。

https://www.google.com/search?q=dog&tbm=isch&tbs=sur:fmc,il:cl

試しに、日本語の「犬」で画像検索を行って「クリエイティブ・コモンズ ライセンス」で絞り込んだURL「sur:fmc,」を挿入すると、以下のようにクリエイティブ・コモンズのライセンスが付与された画像がずらっと表示されました。


以上の結果から、URLに含まれる「tbs=sur:fmc」という部分が、「クリエイティブ・コモンズ ライセンス」の絞り込みにおいて重要な役割を果たしていることがうかがえます。しかし、いちいちすべてのURLに「tbs=sur:fmc」を付与するのは面倒であり、あくまで裏技的にしか使えません。

Levine氏は今回見つかった欠陥について、Googleがどこかの時点で検索ツールに変更を加えた際に問題が生じたものの、それ以来ずっと放置されているのだろうと考えています。「Googleが壊れているのを見つけましたが、誰もこれを気にしていないようです」「Google画像検索は骨抜きにされているので、私はあまり使用していません」とLevine氏は述べ、クリエイティブ・コモンズの画像を探したい時はオープンソースコンテンツの検索ツール「OpenVerse」を使うことを推奨しています。

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in ネットサービス, Posted by log1h_ik

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