コラム

Web2.0の条件4つ


・Web2.0の条件その1:自動化
・Web2.0の条件その2:双方向性
・Web2.0の条件その3:敷居を下げる
・Web2.0の条件その4:無料


前回はWeb2.0について「Web2.0とは結局、一体、何なのか?」ということで具体例を出してみました。

今回はそんなWeb2.0に分類されるための「条件」みたいなものを覚えることにします。
条件については諸説ありますが、私見では「自動化」というのが第一の条件です。次が「双方向性」と「敷居を下げる」という点。そして最後が「無料」。この4つを含んでいるネット上のサービスをひとくくりにして「Web2.0」と呼んでいるわけです。以下、各条件について見ていきましょう。

・Web2.0の条件その1:自動化
Googleは自動で巡回し、結果も自動的に並んでいます。コンテンツ連動型広告は自動的にページの内容を解析して表示する広告を決めます。ブログは文字さえ入力すれば自動的に整形して表示してくれます。コメントやトラックバックも自動的に表示されます。その他のWeb2.0として分類されるサービスもことごとくが自動化されている、あるいは自動的に構成される、自動的に分類される、自動的に生成されるなどの仕組みを持っています。

技術的には以下のような技術・モノを使っていることが多いです。

AJAX(えいじゃっくす)
DHTML
オープンソース

これらの技術をベースに技術を駆使し、様々な自動化(全自動・半自動・ちょっとだけ自動)されたサービスを提供することが「Web2.0」というわけです。

・Web2.0の条件その2:双方向性
いわゆるユーザー参加型というものです。例えばブログは各記事にコメントを付けたり、トラックバックを送ることで、見ている側が積極的に参加することが可能です。見ているページそのものを自由に編集できる場合が最も極端な例です。例えばフリーな百科事典を作るプロジェクト「Wikipedia」(うぃきぺでぃあ)など。

Wikipedia

Wikipedia:ガイドブック 執筆する - Wikipedia

Wikipediaの各項目は「編集」をクリックすれば誰でも自由に書き加えたり、削除したりすることができます。つまり、「見る・読む」という一方通行の受け身的な利用だけではなく、「書く・編集する・コメントする」というようにこちらから能動的にアプローチして変えることができる、そうやって情報発信者だけでなく読者やユーザー同士で交流可能になる、そういう双方向性を提供することが「Web2.0」というわけです。

・Web2.0の条件その3:敷居を下げる
いくら技術を駆使して全自動化されていようが、双方向性が確保されていようが、利用のしやすさ、つまり敷居が下がっていなければ「Web2.0」とは言えません。

例えばブログの場合、一度設定すれば後は文字を書くだけで更新できます。専門的な知識が無くても更新できるというのがポイント。蛇口をひねれば、あるいはレバーを押せば水が出るのと同じくらい簡単であればいいわけです。


また、直感的な操作ができることも敷居を下げることにつながります。「自動化」の項目で触れたような技術、例えばAJAX(えいじゃっくす)は操作しやすくすることでサービスを利用する敷居を下げています。以下の2つの地図サイトを比べてみましょう。

AJAXを使っていない地図サイト「MapFan Web」

AJAXを使いまくっている地図サイト「Google マップ」

地図の上で移動する場合、「MapFan Web」は上下左右の端っこをクリックしますが、「Google マップ」の場合はマウスでドラッグすれば移動可能となります。要するに、通常のソフトウェアのような感覚でネットサービスを利用できるようにする技術、これがAJAXの本質です。

結果、AJAXを駆使すると以下のようなことが可能になります。

オンラインでPhotoshop級の画像加工ができる「nexImage」 - GIGAZINE

無料タスク管理サービス「Remember The Milk」日本語版の使い方 - GIGAZINE

ドラッグ&ドロップできるAJAXフォルダツリー - GIGAZINE

こうやってソフトウェアっぽく操作できるようにして敷居を下げ、さらに専門的な知識不要で利用できるようにすることでもっと敷居を下げてサービスを提供すること、これが「Web2.0」というわけです。

・Web2.0の条件その4:無料
自動化するための技術を使うことで、ユーザー自身による双方向性を確保したコンテンツ作成が可能となり、結果、常に新鮮なコンテンツを提供するサイトが以前に比べると低い維持コストで実現可能となりました。

例えばWiki系サービスの場合、見ている人が編集するので、サービス提供側はコンテンツを作る必要性がないわけです。見ている人にお任せという感じ。あとは訪問者が増えれば必然的に中身は充実していきます。コンテンツ連動型広告を付ければサーバ維持費なども捻出できるので、結果として利用者には無料でサービスを提供できます。無料で提供すれば敷居は当然ながら低くなります。

このサービスを無料で提供するというのはWeb2.0を支える各種技術のベースとなっている各オープンソースソフト自体が無料であることにも起因しています。維持コスト以外に開発コストなどが以前よりも格段に低くなっていること、それによって参加者が増え、テクニックに関する知識の共有などが進んだことも関連しています。さらにブログやWikiが普及し、Googleなどの優秀な検索エンジンの出現によって、以前以上にこれらの知識の集約と共有、昇華が可能となりました。Web2.0それ自体がWeb2.0を低コストで生み出しているというわけ。

また、これによって今まで有料だったようなサービスが、低コストな技術を駆使し、無料で提供することも可能になりました。逆に、本来有料であるべきものを広告によって無料で提供することもできるようになっており、これもまた「Web2.0」というわけです。

特に、最後にもちょっと触れたWeb2.0がさらにWeb2.0を生み出していくというのは重要な点です。各サービスを連携させることでさらに利便性が増していくことになります。各個のサービスで完結せず、それぞれがネットを経由して連携することでさらにいろいろなことが可能になる、これがWeb2.0の最も画期的な点になります。

こうやって見てみると、Web2.0の概念や特徴のすべてはGoogle、そしてGoogleの提供する各種サービスに集約されています。

Googleのサービス

Googleの各種サービスの中から好きなもの使うことによって、より実体験として「Web2.0」が理解できるようになるはずです。

次回はWeb2.0を理解するための最後の概念にして、一般的なWeb2.0の解説で根本的に抜け落ちている場合が多い要素、「Web2.0のビジネスモデル」について解説します。

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in ネットサービス,   コラム, Posted by darkhorse_log

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