サイエンス

新型コロナ治療で目が青色に変わる事例が報告されている


「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の治療中に目が青色に変わった」という事例が複数件報告されています。目が青色に変色した2件の事例では抗ウイルス薬「ファビピラビル(アビガン)」が使われていたほか、ファビピラビルの投与後に爪や髪の毛が蛍光を示した事例も報告されていますが、体の一部が変色する詳細な原因は明らかになっていません。

Infant's dark-brown eyes suddenly turn indigo blue after COVID-19 antiviral treatment. But why? | Live Science
https://www.livescience.com/health/medicine-drugs/infants-dark-brown-eyes-suddenly-turn-indigo-blue-after-covid-19-antiviral-treatment-but-why

◆目が青色に変色した事例その1
「ファビピラビル投与後に目が青く変色した最初の事例」として報告されているのが、2021年12月にインドで発生した事例です。目が青く変色したのは、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に感染した20歳の男性で、男性はSARS-CoV-2陽性と診断された後に「ビタミンC」「亜鉛」「ビタミンA」「ビタミンD」「イベルメクチン」を2日間投与されたものの、症状が改善しなかったとのこと。そこで、ファビピラビルの投与に切り替えた結果、ファビピラビル投与開始から2日目に目が青色に変色しました。


目の検査を実施した結果、角膜が青く変色していることが確認されました。一方で、水晶体などに異常は確認されず、皮膚や爪、口腔(こうくう)は変色していませんでした。医師は目の変色の原因がファビピラビルの投与にある可能性を考慮してファビピラビルの投与を中止。男性の目の色は投与中止後に元に戻りました。


◆目が青色に変色した事例その2
2023年4月には、SARS-CoV-2に感染した生後6カ月の男児で目の色の変色が確認されました。男児にはファビピラビルの錠剤とシロップが投与されており、投与開始から18時間後に目が青色に変色したことが確認されました。


目が変色した後もCOVID-19の症状がやわらぐまでファビピラビルの投与は続けられました。ファビピラビルの投与は3日間続き、投与停止から5日目に目の色が正常に戻ったことが確認されました。


◆目と爪が蛍光を示した事例
「ファビピラビル投与後に目が青色に変色した事例」は2021年12月の報告が最初とされていますが、2021年7月には「ファビピラビル投与後に目が蛍光を示した事例」が報告されていました。目の蛍光が確認されたのは20歳の写真家の男性で、男性はSARS-CoV-2に感染してファビピラビルを投与された後、自宅で撮影用機材の紫外線ライトを使っている際に「目が蛍光している」ことに気付いたとのこと。男性は比較のために紫外線ライトを浴びながら両親と自撮り写真を撮影し、病院に持ち込みました。

以下の写真の右側に写っているのが症状を報告した男性です。左側に写る男性の母親と比べると、目が白く光っていることが分かります。


男性の父親(右)と一緒に撮影した写真が以下。やはり男性(左)の目だけが白く光っています。


以下の画像は写真Aが「ファビピラビルの錠剤に紫外線ライトを照射した様子」で、写真Bが「ファビピラビル錠剤を割ったものに紫外線ライトを照射した様子」、写真Cが「ファビピラビル錠剤を水に溶解したものと男性の手に紫外線ライトを照射した様子」です。写真Cを見ると、男性の手とファビピラビル水溶液が同様に白く光っていることが分かります。


◆爪と髪の毛が蛍光を示した事例
ファビピラビル投与後に紫外線ライトを照射して蛍光を確認した事例は2021年6月にも報告されています。この事例ではSARS-CoV-2感染後にファビピラビルを投与された4人の女性に紫外線ライトを照射した結果、爪と髪の毛が蛍光を示しました。


上記の通りSARS-CoV-2感染後にファビピラビルを投与して体の一部が変色した事例は複数報告されていますが、詳細な原因は明らかになっていません。

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in サイエンス, Posted by log1o_hf

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