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空飛ぶ車のプロトタイプが連邦航空局から耐空証明書を取得


カリフォルニアのスタートアップであるAlef Automotiveが開発した空飛ぶ電気自動車「Model A」が、アメリカ連邦航空局(FAA)による耐空証明を受けたことが明らかになりました。空も飛べ、道路も走れる電気自動車が認可を受けたのはこれが初めてのことです。

Flying car prototype approved by FAA
https://tucson.com/life-entertainment/nation-world/technology/flying-electric-car-test-approved/article_08cc87f4-1473-5a0c-b6bf-e8d61f6a7799.html

Alef Reveals Prototypes For A Flying Car That’s Really A Flying Car
https://www.forbes.com/sites/bradtempleton/2022/10/19/alef-reveals-prototypes-for-a-flying-car-thats-really-a-flying-car/f

モデルAは全体がメッシュ構造になっており、中がスケスケ。天井の中央には8枚のローターからなる上昇機構が付いており、これを使って空を飛ぶことができるそうです。ローターを傾けることで飛行の方向を変えることができ、垂直離着陸をしたり、車体を90度横に向けた状態にしたりすることが可能。飛行中、定員1~2名のコックピットは軸に沿って回転するので、中の人間は飛行中でも常に前を向くことができるそうです。


垂直離着陸が可能な機構を生かし、道路をふさいだ事故車両を回避するなどの利用方法が想定されています。

Alef Automotiveの空飛ぶ車「モデルA」が想定する飛行シーンはこんな感じ - YouTube


Alef Automotiveによると、モデルAの航続距離は200マイル(約322km)、飛行距離は110マイル(約177km)になるとのこと。同社はこの車を1台30万ドル(約4300万円)という価格で2025年末に発売する予定です。

数多くの企業が完全に電気で動くVTOL(垂直離着陸機)の開発に取り組んでおり、FAAから耐空証明を受けた全電動VTOLも少なくないそうですが、車のような見た目で陸も空も移動できるという機体が耐空証明を受けたのは初めてのことだそうです。


Alef Automotiveのジム・ドゥホフニーCEOによると、この車は映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」に触発されて開発したものだとのこと。ドゥホフニー氏は「FAAから認証を受けたことに興奮しています。これにより、環境に優しくより速い通勤手段を人々に提供し、人々の時間を節約する手助けをすることができます」と述べています。

耐空証明を得たことによりAlef Automotiveが行える研究開発の幅が広がるとのことですが、実際に公道を走るにはさらなる承認が必要となります。ドゥホフニー氏は「これは飛行機にとっては小さな一歩であり、自動車にとっては大きな一歩です」と語りました。

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in 乗り物, Posted by log1p_kr

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