ネットサービス

DoorDashが「iPhoneユーザーの料金だけ高い」と起訴される、理由は「Androidユーザーより高収入だから」との主張

by Focal Foto

フードデリバリー大手のDoorDashが、iPhoneユーザーからの注文に対し、場合によっては同様の注文をしたAndroidユーザーの2倍以上の配送料金を課すなどして割増の料金を取っていたとして、集団訴訟を起こされたことが分かりました。

Lawsuit accuses DoorDash of charging iPhone users more for identical orders | Ars Technica
https://arstechnica.com/gadgets/2023/05/lawsuit-accuses-doordash-of-charging-iphone-users-more-for-identical-orders/

2023年5月5日付でメリーランド州連邦地方裁判所に提出された訴状の中で原告は、DoorDashがユーザーの誤解を招きやすい料金システムとして「範囲延長手数料(Expanded Range Fee)」を使用していたと主張しています。フードデリバリーの仕組み上、レストランとユーザーの距離が長い場合にこのような料金が高くなるのは自然なように思えますが、実は距離とは無関係でレストランとの契約や需要などによって変動する料金だと原告は指摘しました。

そして、最も問題なのがDoorDashの料金が「その他の要因」によって変動しており、iPhoneアプリのユーザーは同じ注文をしてもAndroidユーザーより常に高い料金を請求されているという原告の主張です。これを証明するために、原告とその法律事務所らは、複数のアカウントを作って、同じレストランから同じ料理を同時刻に注文し、同じ住所に配達させてDoorDashの料金体系を調べました。

以下は、原告が訴状に掲載したDoorDashの料金明細のスクリーンショットで、左がiPhoneユーザー、右がAndroidユーザーのものです。確かに、iPhoneユーザーの料金にはAndroidユーザーにはない0.99ドル(約137円)の「範囲延長手数料(Expanded Range Fee)」が追加されています。


また別のケースでは、「配送料金(Delivery Fee)」が高い場合もありました。


「範囲延長手数料(Expanded Range Fee)」と「配送料金(Delivery Fee)」の合わせ技で料金が8%高くなるケースも。


さらに、以下のテストでは同じメニューを同じ住所に配達するよう注文したにもかかわらず、DoorDashはiPhoneユーザーの注文は近くの店舗に、Androidユーザーの注文は遠くの店舗に送りました。つまり、iPhoneユーザーの方が配達の距離が短かったことになりますが、それにもかかわらずiPhoneユーザーの「配送料金(Delivery Fee)」はAndroidユーザーの2倍以上になっており、これにより合計の料金が30%以上も高くなってしまいました。


原告は報告の中で、iPhoneユーザーとAndroidユーザーを比較したブログ記事を引用し、「DoorDashはiPhone ユーザーに対してより多くの料金を請求する可能性が高いです。なぜなら、iPhoneユーザーの方がAndroidユーザーよりも稼ぎが多いという調査結果があるからです」と結論付けました。

また、原告はこの料金体系の違いにより「DoorDashの違法な価格設定の餌食になった人々」を代表して、10億ドル(約1385億円)の損害賠償を請求すると訴えています。


DoorDashの広報担当者はIT系ニュースサイトのArs Technicaに対し、「訴状に記載された主張には根拠がなく、シンプルにメリットがありません。私たちは、各レストランの店舗ページやチェックアウトの前など、顧客体験の全体を通じて料金が開示されるようにしています。このような信頼関係の構築は欠かすことができないものであり、当社のプラットフォームにおける配達注文の大半がリピーターなのもこれが理由です。私たちは今後も、お客様にとってより良いプラットフォームとなるよう努力し、このような疑惑にはしっかりと対抗していきます」と話しました。

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
「ホワイトカラーを含む全従業員に配達などの仕事を行わせる」とデリバリーサービスが発表して社内から非難の声 - GIGAZINE

大学教授兼セックスワーカーの女性が「職業を理由にフードデリバリーのDoorDashからBANされた」と主張 - GIGAZINE

フードデリバリー業界に物価高騰と景気低迷のダブルパンチ、Uber EatsとDoorDashの次の一手は酒や日用品の配達 - GIGAZINE

Googleとフードデリバリーサービスが「広告」を使って地元のレストランから顧客を奪っているとの指摘 - GIGAZINE

「自分の店のピザを1枚注文するたびに900円丸もうけできる」という錬金術が爆誕、その原因とは? - GIGAZINE

Uber・Lyft・DoorDashらがドライバーへの最低収入保障や医療補助を開始、新法成立のカリフォルニア州で - GIGAZINE

in ネットサービス,   , Posted by log1l_ks

You can read the machine translated English article here.