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AMDのZen 2採用APU「Ryzen 4000」シリーズのベンチマークが公開、モバイルでもIntelの脅威となるか?

by AMD

世界最大級の技術見本市CES 2020でAMDが発表した、モバイル端末向けAPU「Ryzen 4000」シリーズの性能を、IT系ニュースサイト「PCWorld」の編集者であるGordon Mah Ung氏が公開しています。

Ryzen 4000 Review: AMD's 7nm Ryzen 9 offers game-changing performance for laptops | PCWorld
https://www.pcworld.com/article/3534769/ryzen-4000-review-amds-7nm-ryzen-9-offers-game-changing-performance-for-laptops.html

Ryzen 4000シリーズは7nmプロセスのZen 2アーキテクチャを採用しており、Ryzen 4000シリーズのハイエンドモデル「Ryzen 9 4900HS」は、ベースクロックが3GHz、ブースト時のクロックが4.3GHzの8コア・16スレッドCPUを搭載し、GPUとしてRadeon Vegaコアを8コア搭載したAPUです。テストに使用するのはASUSのゲーミング用ノートPC「ROG Zephyrus G14」で、dGPUにNVIDIA「GeForce RTX 2060 Max-Q」を搭載したモデル。ノートPCはデスクトップPCのようにCPU以外の条件を完全にそろえることが難しいため、比較するノートPCのサイズと重量をスコアとともに考慮する必要があるとのこと。

まずは「Cinebench R15」でマルチスレッド性能をテストすると、モバイル向けCPUの中ではRyzen 9 4900HSが最もスコアが高い結果に。ノートPCに搭載されているため、性能をすべて発揮できないことは考慮に入れる必要がありますが、デスクトップ向けCPUである「Core i9 9900K」にもスコアで肉薄しており、AMDの前世代デスクトップCPU「Ryzen 7 2700」を大きく引き離しています。


Cinema 4DAVX命令セットなど、新しい要素に対応した「Cinebench R20」でマルチスレッド性能を再度比較してみると、やはりR15でのテストと同じく、他のモバイル向けCPUを大きく引き離すスコアを記録しています。


R15におけるシングルスレッド性能を比較すると、搭載されているノートPCのサイズが大きく冷却面で有利であり、高クロックなIntel製CPUに遅れをとっていますが……


R20のシングルスレッドテストでは、なんとトップのスコアをたたき出しました。最新のソフトウェアのほうがRyzen 9 4900HSの性能を引き出せていることがわかります。


動画のエンコード性能を比較するため、HandBrakeで容量が30GBの1080p動画をエンコードするのにかかった時間を比較した結果がこれ。搭載されているノートPC自体の大きさが比較的小さく、冷却面で不利であるにもかかわらず、モバイル向けCPUの中では第2位と健闘しています。


続いてベンチマークソフト「3DMark」のTime Spy CPUのスコアから、ゲームにおけるCPU性能を見ていきます。ノートPCのサイズが大きい上位2機種のスコアには及びませんが、Ryzen 9 4900HSを搭載したROG Zephyrus G14よりも重量が重いMSI「GE65 Raider」に搭載された「Core i9 9880H」を大きく引き離しています。


最後に4Kビデオを再生し、バッテリーの持続時間を確認。バッテリー持続時間はCPUの他に、ノートPCが搭載するGPUやバッテリーのサイズにも影響されやすい項目のため、単純な比較は難しいですが、Ryzen 9 4900HSを搭載したROG Zephyrus G14のバッテリー持ちは良好であるということは言えそうです。


Ryzen 4000シリーズは第3世代のPCIe x8レーンしか使用できないため、PCIe x16レーンを必要とするデバイスは使用できません。しかし、一般向けの用途でPCIe x16レーンの性能が必要になることはほぼないため、問題にならないとGordon氏は語っています。


テストを終えたGordon氏は、熱と電力の制約が厳しい中、優れたパフォーマンスを発揮したRyzen 9 4900HSに驚いており、「AMDの50年の歴史の中で、モバイル向けCPUの分野でIntelを打ち負かしたことはないが、Ryzen 4000シリーズはその状況を変える」と語っています。

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in ハードウェア, Posted by darkhorse_log

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