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銀行が市場にお金を生み出す仕組みとはどういうものなのか?

by NikolayFrolochkin

銀行といえば「お金を預けるところ」といった風に考えている人は多いかもしれませんが、銀行の中でも中央銀行と呼ばれる国家の中枢を担う銀行では、市場にお金を生み出して経済を活性化させるという役割も担っています。そんな「銀行がお金を生み出す仕組み」について解説したムービーが、YouTubeで公開されています。

Money creation in the modern economy - Quarterly Bulletin article


リポーターの男性がインタビュー相手と向かい合っているのは、イギリスの中央銀行であるイングランド銀行の保管庫の中。


周囲には金の延べ棒が大量に保管されています。かつては金本位制が維持されていたイギリスですが、1931年には管理通貨制度に移行しています。レポーターの男性が「いったいどこからお金は生み出されているのでしょうか?」と尋ねる相手は……


イングランド銀行のRyland Thomas氏。Thomas氏によると、世の中のお金は通貨発行権を持つ中央銀行が発行する通貨と、中央銀行以外の金融機関が中央銀行へと預け入れる準備預金から構成されています。


中央銀行が持つ大きな役割として、「銀行の銀行」「政府の銀行」として機能するだけでなく、物価の安定や金融緩和といった国家の金融政策を司っているという点が挙げられます。経済が停滞している場合、中央銀行は市場に流通するお金の量を増やし、一般の銀行による企業や家計への融資を増やして経済の活性化を促すとのこと。


ではいったい、どのようにして中央銀行が市場に働きかけるのかというと……


通常は中央銀行が他の銀行に融資する際の政策金利を変動させることによって、市場に流通する通貨の量を制御しています。景気がいい時には、中央銀行が政策金利を上げます。これによって一般の銀行は預貯金やローンの金利を上げ、市場における通貨の流通量が抑えられるとのこと。反対に景気が悪い時には政策金利を引き下げ、市場に流通する通貨量を増やします。


景気が悪くなるにつれて政策金利は引き下げられますが、近年の大不況ではゼロ金利政策といって政策金利をほぼゼロにまで引き下げる事態も発生するようになりました。しかし、ゼロ金利政策を取ってしまうと、中央銀行が金利引き下げによるこれ以上の金融緩和を行うことができません。そうなると中央銀行はさらなる金融緩和を行って市場を刺激したい場合、金利の引き下げ以外の方法を取らざるを得ません。


そこで行われるのが、量的金融緩和政策(QE)と呼ばれる方法です。一般の銀行は保有する預金残高に比例して融資を行うことが可能になりますが、量的金融緩和はこの預金残高を増やすことで、市場に流通する通貨量を増やそうという発想にもとづいています。


時には「量的金融緩和では通貨発行権を持つ中央銀行が一般の銀行に対してお金をバラまいている」といわれることもありますが、バランスシートを見るとそうではないことがわかります。量的金融緩和では中央銀行が銀行以外の年金基金などから国債を購入するとのこと。これによって中央銀行の元に国債が売り渡され、年金基金からは国債と引き換えに国債の売却益が残ります。この国債売却益が銀行に預けられることにより、一般の銀行における預金残高が増えるというわけ。中央銀行は年金基金などと銀行の橋渡し役を担っているとThomas氏は話します。


こうして一般の銀行は大量の預金を抱えることになり、銀行が保有した預金を生かして収益を得るために投資や融資が増えると中央銀行は考えています。経済学者らの中には「ゼロ金利に近い状況では量的金融緩和を行っても大きな効果は見込めない」とする意見もありますが、うまくいけば通貨流通量が向上して不景気の底を脱することができるそうです。

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in 動画, Posted by log1h_ik

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