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NASAが初の月面着陸を成功させた「アポロ11号」の通信音声1万9000時間分を公開

by Marc Van Norden

NASAとテキサス大学が、人類初の月面着陸を成功させたアポロ11号のミッション時にやりとりされた膨大な通信データをデジタル化するというプロジェクトを行いました。プロジェクトではなんと1万9000時間分もの音声データをデジタル化しており、このデジタル化されたデータがインターネットアーカイブ上で公開されています。人類が初めて月面に着陸する歴史的瞬間の音声だけでなく、宇宙飛行士とミッションコントロールのちょっとした会話なども収録された貴重なデータとなっています。

NASA releases 19,000 hours of audio from historic Apollo 11 mission
https://www.nbcnews.com/mach/science/nasa-releases-19-000-hours-audio-historic-apollo-11-mission-ncna903721

NASA releases thousands of hours of Apollo 11 mission audio | TheHill
http://thehill.com/blogs/blog-briefing-room/news-energy-environment/403609-nasa-releases-apollo-11-moon-landing-mission

NASAの宇宙飛行士はミッション中に発生するあらゆるアクシデントに対処できるよう厳しい訓練を受けますが、宇宙飛行士だけがこの問題に対処するわけではありません。地上で宇宙飛行士の活動をサポートするミッションコントロールにもエンジニアや医者などさまざまな専門家が集まっており、問題発生時には地上からできる限りのサポートを行います。歴史的偉業を成し遂げたアポロ11号でも、宇宙飛行士とミッションコントロールが素晴らしいチームワークをみせてくれたのですが、その内容がいつでも誰でも聞けるようにインターネットアーカイブ上で公開されました。


アポロ11号の船長を務め、初めて月面を歩いた人物としても知られる宇宙飛行士のニール・アームストロング氏と同じくアポロ11号に乗って初の月面着陸を行ったバズ・オルドリン氏の会話や、訓練では経験したことがなかったというエラー「1202」発生時のアポロ11号とミッションコントロールの通信内容など、貴重な通信音声が聞けるようになっています。

プロジェクトを推進してきたテキサス大学の主任研究員であるジョン・ハンセン氏は、「NASAのために働くそれぞれの人が、自分たちが行うことを誇りに思っているということがひとつです。彼らは常に協力して仕事に取り組んでいました」と、通信音声のデジタル化を通して感じた内容を率直に語っています。

ハンセン氏によると通信音声のデジタル化は簡単な作業ではなかったそうです。通信音声は170本のテープに録音されていたのですが、それぞれのテープが30本の独立したオーディオチャンネルを持っていたものの、テープを再生するプレイヤーでは1度に1つのトラックしか読み取ることができなかったため、各テープを30回ずつ再生する必要があったそうです。そこで、ハンセン氏らは30のトラックをまとめて同時に再生できるカスタム製のテーププレイヤーを注文しており、これによりデジタル化作業は劇的に短縮することが可能になったとのこと。なお、当初は数年かかるとされた通信音声のデジタル化作業ですが、最終的には4カ月ほどで無事終了したとのことです。

そんなアポロ11号の通信音声1万9000時間分は、以下からチェックできます。

Internet Archive Search: Apollo 11 MOCR ACR Collection

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in メモ, Posted by logu_ii

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