ゲーム上の口論を発端に全く関係ない第三者が警察に射殺された事件で偽の通報をした人を逮捕、ただし容疑者はまだ存在する可能性あり

2017年12月、人気FPSゲーム「Call of Duty(コール オブ デューティ)」のオンライン対戦中に始まった口論を発端に、対戦とは全く関係のない第三者の住所に警察が派遣され、住人が射殺されました。この事件において警察に通報しSWATの出動を要請した男が逮捕・起訴されました。

Tyler Barriss booked into Sedgwick County Jail | The Wichita Eagle
http://www.kansas.com/news/local/crime/article194245679.html

L.A. 'swatting' suspect charged with manslaughter in Kansas over hoax call that led to fatal police shooting - LA Times
http://www.latimes.com/local/lanow/la-me-ln-kansas-swatting-20180112-story.html

Suspect in fatal Call of Duty ‘swatting’ incident charged with manslaughter - Polygon
https://www.polygon.com/platform/amp/2018/1/12/16886074/call-of-duty-swatting-incident-arrest-charges-tyler-barriss

「スワッティング」は緊急通報用電話番号などを悪用し、イタズラの対象となる人物のもとに警察官やSWATを派遣させるという行為。過去にはゲームの実況をしている男性がスワッティングの対象になり、SWATに突入される様子が実況されたこともありました。

FPSゲームを実況プレイしていたらSWAT部隊に突入される事件が発生 - GIGAZINE

2017年12月に起きた事件は、ゲームでオフライン対戦していた2人のプレイヤーが口論に発展し、一方の男性が偽の住所を教えたところ、何者かがその住所宛でSWATの出動を要請し、結果、何の関係もない無実の男性が射殺されるに至ったと報じられています。

オンゲープレイヤー同士のいさかいから全く無関係の人が警察官に射殺される事件が発生、一体何が起こったのか？ - GIGAZINE

スワッティングしたと思われるプレイヤー男性はTwitter上で「俺がスワッティングしたその奴の家がニュースになってる」「俺は銃を発砲したわけでもSWATのメンバーだったわけでもないから誰も殺していない」と発言していましたが、その後、Twitterアカウントを削除しています。

ロサンゼルスタイムズの報じる内容によると、偽の通報を行ったのはロサンゼルス在住のタイラー・レイ・バリスという25歳の男。

男は過失致死と法務執行妨害で起訴されており、2018年1月25日に予備審問が予定されています。

被告人は2017年12月28日にウィスコンシン州警察のウィチタ犯罪捜査官に電話し、「父親を撃った」「自宅に人質2人を拘留している」と偽の通報を行いました。そして警察が派遣された先で、28歳のアンディ・フィンチ氏は家の正面扉から出てきた時に警察によって射殺されたとのこと。カンザス州の法律では、偽の通報を行うことは「危険な重罪」とは見なされないため、被告人は殺人ではなく過失致死で起訴されています。

ロサンゼルスタイムズがソースから得た情報によると、フィンチ氏も被告人も、口論となったゲームのプレイヤーではなく、警察側は「口論に関わる誰かが被告人に通報するよう頼んだ」のだと見て捜査を行っているとのこと。そのため、他にも容疑者となる人が出てくる可能性があると見られています。

過失致死罪が確定すれば、これまでの犯罪歴にもよりますが、被告人は11年と3カ月の懲役が言い渡される可能性があります。