肉の代わりに食べられる菌類「マイコプロテイン」試食レビュー、一体どんな味なのか?
鶏肉そっくりの味なのに肉ではないという「マイコプロテイン」は将来的な食糧危機を懸念して1980年代のイギリスで開発されて以来、数十年にわたりタンパク源として食べられてきた糸状菌です。日本では扱われていないのですがヨーロッパやアメリカではスーパーで購入でき、イギリスに行った際にゲットしてきたので、一体どんな食べ物なのか確かめてみました。
Language Selector | Quorn
https://www.quorn.com/
マイコプロテインとは何か?というのは、以下の記事を読むと詳細がわかります。
鶏肉そっくりの味で食料危機を救うかもしれない謎の食べ物「マイコプロテイン」とは? - GIGAZINE
2017年現在、マイコプロテインは「Quorn」という商品として販売されています。問い合わせたところ、イギリスでQuornを扱っているのはAsda、ALDI、Tesco、Morrisons、Sainsbury's、Nisa、SPAR、Waitrose、CoOpなど。今回はTescoに行ってきました。
Quornは種類が多く、どの店舗で何が扱われているのかは実際にお店に行ってみるかお店ごとに問い合わせる必要があります。今回訪れたTescoではこんな感じ。
ハムやソーセージ類が3パック5ポンド(約750円)だったので、「VEGETARIAN WAFER THIN HAM」「4 BSET OF BRITISH SAUSAGES」「VEGETARIAN PEPPERED STEAKS」を購入してきました。
「VEGETARIAN WAFER THIN HAM」のパッケージはこんな感じ。
カロリーは100gあたり123kcal。ロースハムが100gあたりだいたい196kcal、ボンレスハムが118kcalなので、ボンレスハムくらいのカロリーです。脂肪は100gあたり2.7gで、そのうち飽和脂肪酸は1.2g。炭水化物は5.2gでそのうち糖が0.8g、植物繊維は5.4g。タンパク質は16.6gなので、鶏モモ肉よりもややタンパク質量が少ないくらい。
原材料を見てみたところ、マイコプロテインが74%で、卵や乳タンパクなども少量含まれています。なのでベジタリアンであれば食べることができますが、ヴィーガン向きではありません。
袋から出してみたところ、こんな感じ。ピンク色ののっぺりした見た目はハム風ではありますが、「ちょっと粘土っぽい」というコメントもありました。匂いは独特で、肉の匂いではないのですが、いやな印象はありません。
厚みは2mmほど。
ということで、いざ、実食。
ハムだと思って食べてみたところ、まず感じるのは「ハム……ではない!!!!!」という違和感。加工肉特有のむちむちというかプリプリとした食感がなく、どちらかというとツナのようなモソモソした感じなので、「鶏肉っぽい」と言われるのもなんとなく理解できます。適度な塩気もあり魚肉ソーセージやツナ加工品のような雰囲気なのですが、独特の酸味と匂いがあり、複数の編集部員に食べてもらったところ「二度と食べようとは思わない」という人から「ぜんぜんおいしく食べられる」という人まで、好みが分かれました。否定派からは「『食べるディストピア』を体現している」というコメントも。
ハムだし、サンドイッチにしてみたらどうなるのだろう?と思いいろいろ買ってきてみました。
パンの上に野菜とマイコプロテイン・ハムを載せて……
レタス・チーズ・玉ねぎ・トマトでサンドイッチにしてみました。お肉のハムサンドであれば肉のうまみが強いので野菜と一緒でもハムの存在感が感じられますが、マイコプロテイン・ハムはインパクトが薄いのか、野菜と一緒に食べるとほぼ存在感なし。
野菜を入れすぎた?と思い、玉ねぎとマヨネーズのみのシンプルな仕様にしても、かろうじてツナのような食感が感じられる程度。ただし、独特の酸味やにおいも掻き消えるので、苦手な人でも食べやすくはなります。
続いて、「4 BSET OF BRITISH SAUSAGES」を食べてみます。
これはマイコプロテインが36%で、小麦プロテイン、卵、たまねぎ、シーズニング、スパイスなどが含まれています。カロリーは100gあたり206kcalで、たんぱく質量は15g。
開封すると、太めのソーセージが4本入っていました。
オートミールのような粒々したものも見られます。
これは油をしいたフライパンで10分ほど加熱とあったので、やってみると……
かなりソーセージに近い見た目になりました。
表面はソーセージのようなパリっとした食感に近い「サクッ」とした小気味いい歯ざわりで、中は小麦粉が使われているためか練り物っぽいのですが、スパイスが多めなので食欲をそそる味と香り。肉っぽさが感じられ、朝食やお弁当のおかずだけではなく、お酒のアテにもよさそうでした。
ソーセージの皮の部分は揚げられた薄いパイ生地のようになっています。
最後は「VEGETARIAN PEPPERED STEAKS」
カロリーは100gあたり122kcalで、たんぱく質量は11.7g。マイコプロテインは76%で、これも卵が使われています。
パックの中にはステーキが2枚入っていました。
これもソーセージと同じく油をしいたフライパンで6分加熱して完成。確かに見た目はステーキっぽいです。
食べてみたところ、ステーキというよりハンバーグと考えれば、ミンチ肉のような食感はかなり再現度高めでした。食べた編集部員には「スーパーで売っているチルドのハンバーグ」「安いハンバーガーショップのパティ」と表現されていたので、肉っぽさはかなり強めと言えます。マイコプロテイン含有率がハムと同じく高めだからか、口に入れたときに独特の酸味がありますが、それが「ポン酢ハンバーグっぽい」と好評価を受けることも。好みは分かれましたが、好きな人は「かなりアリ」「なんらかの理由で肉を食べられなくなってもこれなら満足できる」とコメントしていました。
肉好きな編集部員が多いので「ボロカスに言われるのでは」と不安でしたが、全体的に見て、ハムは「肉ではない」という評価が多めだったものの、ソーセージやハンバーグについては「肉っぽい」「味がいい」とかなり好評価。お肉のように脂っぽくないので、ボリュームはあり満足はできるけど重たくなく、朝食に適しているのでは、という印象でした。タンパク源としてお肉以外の選択肢を探している人ではれば、一度試してみる価値は十分にあります。
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in 試食, Posted by darkhorse_log
You can read the machine translated English article Fungi that can be eaten instead of meat ….