「ムーアの法則はもう限界」とiPhoneにチップを提供する半導体大手TSMCの会長が発言


半導体製造大手のTSMCの会長が「もはやムーアの法則は有効ではない」と発言しました。これまでに何度ささやかれたのか分からない「ムーアの法則限界説」が、いよいよ現実のものになるようです。

Moore's Law no longer valid, says Morris Chang
https://www.digitimes.com/news/a20171025PD207.html

Apple Supplier TSMC says Moore's Law is no longer valid - Patently Apple
http://www.patentlyapple.com/patently-apple/2017/10/apple-supplier-tsmc-says-moores-law-is-no-longer-valid.html

iPhone 8/X用のSoC「A11 Bionic」を独占的に製造しAppleに供給する半導体製造メーカーのTSMCの会長モリス・チャン氏が、TSMC創業30周年を記念して開かれたフォーラムで、「ムーアの法則はもはや有効ではない」と発言しました。


ムーアの法則とは、Intel創業者のゴードン・ムーア氏が唱えた、「半導体回路の集積密度は18カ月(のちに24カ月に修正)ごとに2倍になる」という経験則で、半導体技術の進化はムーアの法則に従うように発展してきたことで知られています。半導体技術者が開発の指針にしてきたムーアの法則ですが、微細化技術の行き詰まりによって、近年は法則が成り立たないことが報告されています。

スマートフォンなどのモバイル端末向けの半導体チップを製造する大手企業のTSMCトップがムーアの法則の限界を唱えたことは、半導体業界に大きな影響力を与えることになりそうです。チャン会長は今後も半導体回路の集積密度を高める方向ではあるものの、ムーアの法則通りのペースではないだろうとし、2025年には半導体の微細化技術は大きな技術的壁にあたるという予想も出しています。なお、世界で唯一、極端紫外線リソグラフィ(EUV)技術を実用化した半導体製造装置を提供するASMLのペトル・ウェニックCEOは、2030年までの技術発展のロードマップは構築済みだと述べています。

ちなみに、ムーアの法則の本家であるIntelは、10nmプロセスルールの展開に大幅な遅延を起こしており、度重なるリリース延期を発表してきました。

ムーアの法則に黄色信号点滅、Intelの10nmプロセス移行の遅れが確実に - GIGAZINE


「Intelのプロセスルールの規定は厳格で、TSMCやSamsungのいう『10nmプロセス』は、Intelのいう『14nmプロセス』に相当する集積密度である」と主張していたIntelは、「真の10nmプロセス採用チップを2017年内にリリースする」と意気込んでいましたが、10nmプロセス採用製品のリリースは三度目の遅延により2018年前半まで遅れると報じられています。

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