世界初のホログラフィックスマホ「Hydrogen One」をデジタルシネマカメラに変える驚愕のハウジングシステムをRedが特許出願中
プロ向けのデジタルシネマカメラメーカーのRed Digital Cinema Camera Company(Red)が、世界初の「ホログラフィックディスプレイ」搭載スマートフォン「Hydrogen One」を突如として発表し話題をさらいました。一体どのようなスマートフォンなのか詳しい内容が明かされないにもかかわらず1195ドル(約13万5000円)からという価格だけが発表されるなど、なんともミステリアスなHydrogen Oneですが、RedはHydrogen Oneをプロユースカメラの「頭脳」とする計画を持っていることが、出願中の特許技術から明らかになっています。
RED’s modular Hydrogen One phone looks even crazier in its patent application - The Verge
https://www.theverge.com/circuitbreaker/2017/7/9/15944046/red-hydrogen-one-phone-modular-camera-patent
比較的高価格帯での販売が予定されている謎のスマートフォン「Hydrogen One」について、どのような技術が採用されるのかを推測するために、Redが出願中の特許技術についてThe Vergeが調査したところ、「Modular Digital Camera and Cellular Phone(モジュール式のデジタルカメラと携帯電話)」という出願中の特許技術が発見されました。
スマートフォンを高性能なデジタル一眼カメラに変身させられるモジュール式のハウジングが、Redが特許出願中の技術。
背面にはファインダーや物理ボタンなどが確認でき、中央の直方体のケース内にHydrogen Oneなどのスマートフォンを内蔵する仕組みになっています。
直方体のケースに内蔵されるHydrogen One自体にも仕掛けがあります。Hydrogen Oneと同サイズの薄い端末をスタックするようにして使用できる模様。
これらの薄型端末はスマートフォン用のカメラモジュールやバッテリーで、重ね合わせるように組み合わせることで、Hydrogen Oneの性能を高められる仕組みです。
スマートフォンを核とするデジタルシネマカメラシステムの最終形態はこんな感じ。
Redがプロユースのデジタルカメラ販売を本業とするメーカーであるため、プロ向けのカメラハウジングを開発することは何ら不思議ではないものの、核となる端末を高性能カメラではなくスマートフォンにすることで得られるメリットについては、明らかではありません。高画質を求めれば、モジュールタイプの汎用性を捨てて専用設計にするほうが有利なことが多く、ましてやスマートフォンをあえて活用するメリットがあるのかどうか、これらの資料からは不明です。
Hydrogen One単体が比較的高価なスマートフォンであることを考えれば、さらに高額の費用を投じてまでスマートフォンをデジタルシネマレベルのカメラに変更するのを求めるユーザーはいるのか、そもそもスマートフォンを複雑な機構の中に組み込んでしまえば使い勝手の良さは確実になくなるわけで、どのようなニーズを狙っているのかRedの意図についてはThe Vergeも計りかねているようです。
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